6年連続星キープイタリアン「TACUBO」が考案 “山菜”アレンジレシピ「パスタソースやオムレツに」
春ならではの香り、苦みを存分に味わえる山菜料理は日本ならではの食文化。和食のイメージが強い山菜ですが、6年連続ミシュランの星をキープしているイタリアン「TACUBO」さんは、菜の花をパスタソースに、せりをオムレツの具材に取り入れたりと、山菜を洋風にアレンジしていました。
山菜の風味を他の食材に移す
素材の使い方が独特。菜の花は具ではなく、ペースト状にゆでてソースに。
「パスタと一緒にゆでれば時短になる上、パスタが菜の花のだしを吸って風味豊かに。パスタはほぼ無味なので、ゆでる際は塩をケチらずに! 1Lの湯に塩10gの割合で加え、さらに岩塩を使えば完璧。塩を効かせることで、だしの深みが増します。また、パスタと具材は混ぜすぎないこと。口に運ぶたび味が変化し、おいしさのピークがふた口目以降も続きます」(TACUBO・田窪大祐さん)
菜の花とトマトのパスタ
滋味豊かな菜の花ソースがパスタによく絡む
<材料>(2人分)
菜の花…2束
スパゲッティ…160g
ミニトマト…8個
オリーブオイル…大さじ11/2
アンチョビ…20g
にんにく…少量
水…大さじ5 1/3
粉チーズ…適量
<作り方>
【1】半分の長さに切った菜の花とパスタを一緒にゆでる(a)。
【2】フライパンにオリーブオイル、アンチョビ、みじん切りにしたにんにくを入れて弱火にかけ、アンチョビがきつね色になったら水を加えて火を止める。
【3】【2】に【1】、【1】のゆで汁1/2~3/5カップ程度を加えて火にかけ(b)、オリーブオイル適量(分量外)、半分に切ったミニトマトを加えて軽く混ぜる。ソースにとろみが出てきたら器に盛り、好みで粉チーズを振る。
★[a] パスタと菜の花を同時にゆで始め、菜の花の風味をパスタに移す。菜の花はソースとして使うので、煮崩れても問題ない。
★[b] パスタと具材を混ぜすぎると全体が均一になり、味の変化が楽しめない。ゆで汁と油分がざっくり混ざるくらいでOK。
せりとしらすのイタリア風オムレツ
せりの香りとトマトの甘みが好相性
<材料> ※直径15cm分
せり…2本
卵…大4個
しらす…100g
粉チーズ…大さじ21/3
にんにく…1片
オリーブオイル…大さじ1強
塩…小さじ1/3
フルーツトマト…2個
ゆずこしょう(チューブ)…小さじ2
<作り方>
【1】せりの茎は細かい小口切りにする。
【2】卵をボウルに割り入れて軽く溶きほぐし、しらす、粉チーズ、塩、【1】を加えてよく混ぜる(a)。
【3】直径15cmの深めのフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて火にかけ、香りが立ったらにんにくを取り出し、【2】を流し入れて中火で焼く(b)。
【4】外側が少し固まってきたら火を弱め、蓋をして約5分蒸し焼きにする。
【5】【4】を裏返し(c)、火が通るまで約5分焼いて器に取り出す(d)。
【6】フルーツトマトは湯むきして細かいざく切りにする。
【7】フライパンにオリーブオイル大さじ1 2/3(分量外)を入れて火にかけ、【6】を加えて強火でサッと炒め、ゆずこしょうを加えて混ぜる。
【8】【5】を切り分け、【7】をかけ、せりの葉を散らす。
★[a] [b]
卵液を火にかけたら、菜箸で外側→中央に手早く混ぜるのを繰り返すと、オムレツが硬くならない。
★[c][d]
フライパンに皿をかぶせてひっくり返し、皿のオムレツをスライドさせるようにフライパンに戻して両面を焼く。
教えてくれた人
TACUBO 田窪大祐さん
ミシュラン常連店の『アロマフレスカ』(東京)などの名店で修業を積み独立。2016年に現在の地に移転し、6年連続で星をキープ。
TACUBO
住所:東京都渋谷区恵比寿西2-13-16 ラングス代官山1階
撮影/市瀬真以 取材・文/西谷友里加
※女性セブン2022年4月7・14日号
https://josei7.com/
●ミシュラン星付きイタリアンが教える旬の山菜を「白みそやチーズを合わせてた洋風の味付け」3レシピ