あさりの”水煮缶”で作るクラムチャウダーが鉄分たっぷりの理由【管理栄養士監修】
更年期世代の女性を悩ませる不調の原因は、貧血にあるかもしれない。そこで、管理栄養士の麻生れいみさんがすすめるのは「あさり缶のクラムチャウダー」だ。なぜあさりの缶詰なのか、どんな食材と合わせるとよいのか、教えてもらった。
女性に不足ちがちな“鉄分”
更年期障害とともに多くの女性を悩ませる貧血。実際、月経のある女性の5人に1人がその症状に苦しんでいるという。と解説してくれたのは管理栄養士の麻生れいみさん。
「月経のある時期はもちろん、閉経した後も貧血に悩む女性は少なくありません。食事内容に鉄分が足りないまま閉経し、貧血の状態で更年期に突入して不調を抱える女性も多い。
慢性的な疲労感から夫婦仲の険悪さまで、貧血が原因で起きるアクシデントはさまざまで、これらが食生活を見直すことによって改善されたというケースはいくつもあります」(麻生さん・以下同)
「あさりのクラムチャウダー」缶詰がおすすめの理由
食生活改善の第一歩として、「あさり缶のクラムチャウダー」を麻生さんは推奨する。生のあさりではなく、あえて缶詰を使うのがポイントだ。
「水煮缶のあさりは、生に比べて鉄分の含有量が8倍もある。ただしメーカーによってその量には若干の違いがあるため、購入時は缶の裏に書かれている栄養成分表示を見て、より鉄分が多いものを選ぶことをおすすめします」
クラムチャウダーに欠かせないじゃがいもは、栄養面においても必須の存在だ。
ビタミンCで吸収率がアップ
「鉄分には牛肉の赤身などに含まれる『ヘム鉄』とあさりなどが含む『非ヘム鉄』があります。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるので、いも類の中で最もビタミンCの含有量が高いじゃがいもと一緒に食べるのがおすすめ。あさりとじゃがいもは“最強タッグ”といえるでしょう」
飲む時間帯はいつでもいいが、なるべく食事の最初に摂ることを心がけたい。
「ほかのおかずより先にスープを飲むことで、血糖値の急上昇を防ぐことができるうえ、お腹も満たされて食べすぎを防ぐことができます」
“スープファースト”を徹底したい。
女性の不調に「あさり缶」「じゃがいも」がいい理由
【あさり缶】
「鉄分の原料となる『非ヘム鉄』がたっぷり。特に缶詰のあさりには生のものに比べて約8倍の量が含有されています」
【じゃがいも】
「非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収されやすくなる。じゃがいものビタミンC含有量はいも類の中でもダントツです」
「あさり缶のクラムチャウダー」作り方
鉄分たっぷり「クラムチャウダー」の作り方。
作り方【2人分】
【1】玉ねぎ1/2個(約100g)、じゃがいも中1個(約150g)は1.5cm角に切る。
【2】耐熱ボウルに、【1】とあさりの水煮1缶分(約130g)を缶汁ごと入れ、ふんわりラップをかけて600Wの電子レンジで3分30秒加熱する。
【3】【2】に薄力粉大さじ1、牛乳1カップ、顆粒コンソメスープの素少量を入れてよく混ぜ、ラップをかけずに600Wの電子レンジで3分30秒加熱する(じゃがいもが硬い場合は追加で加熱する)。電子レンジから取り出し、塩少量で味を調える。
【4】器に【3】を盛り、粗びき黒こしょう少量をふる。
教えてくれた人
麻生れいみさん/管理栄養士
撮影/矢口和也
※女性セブン2022年12月2日号
https://josei7.com/
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