栄養のプロおすすめ!新しい朝食レシピ「台湾朝ご飯”シェントゥジャン”」ほか5選
朝食を摂ることは、時間栄養学の視点から、朝に光を浴びて食事を摂って内臓を動かすことで脳と体の体内時計をリセットし、一日の生活リズムのスイッチを入れることが非常に重要だという。朝食を食べる時間や朝食におすすめのメニューを栄養学のプロに提案いただいた。
朝食は目覚めてから1~2時間以内に
朝食を摂ることは、時間栄養学の視点から、朝に光を浴びて食事を摂って内臓を動かすことで脳と体の体内時計をリセットし、一日の生活リズムのスイッチを入れることが非常に重要だという。
実は「朝食を摂る」という行為によって、2つの体内時計がリセットされるという。
1つ目は、朝食を摂ることで肝臓や膵臓などの首から下の内臓が目覚めて動き出す体内時計。もう1つは、朝に光を浴びて脳が刺激を受けて動き出す体内時計だ。
現代人は起床時間がまちまちだが、朝食はどのタイミングで摂ればいいのだろうか?
「目覚めてから1~2時間の間に摂るのが朝食です。2時間以上経ってから食べるブランチでは、朝食を抜いた欠食状態と同じです」(早稲田大学教授の柴田重信さん)
ちなみに、英語のブレックファスト(Breakfast)は、「夜間の断食期間を破る」という意味。起床してからなるべく早めに朝食を摂ることで、毎朝の断食破りができるというわけだ。
また、最近は朝食メニューもどんどん進化している。下で紹介しているのが、いま話題の最新朝食や専門家が食べているメニュー。こんな新しい朝食に、日々トライするのもおすすめだ。
マンネリ朝食を一新!おすすめ朝食アイディア
いま話題の朝食は栄養価が高く手軽に作れるのが魅力。食と健康のプロがおすすめする5品を管理栄養士の松田真紀さんに調理してもらった。
トマトさば缶カレー
《材料》
(1人分):さば水煮1/2缶、トマトピューレ¼缶、玉ねぎ(粗みじん切り)20g、にんにく1かけ分のみじん切り、しょうが小さじ1分のみじん切り。カレー粉は小さじ1~2、塩、こしょう、パクチー少々、雑穀米ご飯(お好みの量で)。
《作り方》
【1】玉ねぎを軽く鍋で炒める(必要に応じて油を適量ひく)。
【2】【1】にさば缶、にんにく、しょうがを加えてよく混ぜ、さらにカレー粉を加えて温める。
【3】【2】にトマトピューレを加え、塩・こしょうで調味。あらかじめ炊いておいた雑穀米ご飯とお皿に盛り付ける。
「カレーは香辛料が入っているので交感神経が活性化し、朝から働きモードになりやすい」(柴田さん)
台湾朝ご飯「シェントゥジャン」
《材料》
(1人分):豆乳150g、酢小さじ3、ザーサイ15g、トッピング用に、パクチー、干しえび、糸唐辛子、ラー油、油揚げを適量。
《作り方》
【1】豆乳を鍋に入れ、沸騰寸前まで温める。
【2】器に酢、ザーサイのみじん切り、干しえびを入れ、【1】の豆乳を注ぐ。
【3】【2】がおぼろ状に固まったら、トッピングをのせる。
【4】油揚げをオーブントースターでカリッと焼いて好みの形にスライスして【3】に添える。
「揚げパンの代わりに焼いた油揚げで糖質をカット。豆乳には大豆たんぱく質やイソフラボンが含まれていて栄養価もバッチリです」(松田さん)
半熟卵とチーズのとろりみそ汁
《材料》
(1人分):好みの野菜(にんじん、玉ねぎ、小松菜など)を合わせて30g程度、卵1個、モッツァレラチーズ20g、オリーブオイル・ブラックペッパー・だし・みそは適量。
《作り方》
【1】好みの野菜を薄切りにして、みそ汁を作る。野菜は煮すぎないように歯応えを残す。
【2】【1】を器に入れ、その上にモッツァレラチーズをちぎって入れる。
【3】さらに半熟状のゆで卵や温泉卵をのせる。お好みで、オリーブオイルやブラックペッパーを入れ、味を調える。
「オリーブオイルは野菜のβ-カロテンの吸収効率をアップ。腸の保温効果が持続し、ぜんどう運動の活性化も」(松田さん)
豆腐のマヨチーズ焼きアボカドトッピング
《材料》
(1人分):絹ごし豆腐1/2丁、アボカド1/2個、モッツアレラチーズ50g、マヨネーズ小さじ2、パセリみじん切り5g、ブラックペッパー(お好みで)。
《作り方》
【1】豆腐はキッチンペーパーで包み、電子レンジで3分加熱し、水を切りフォークでつぶす。アボカドは薄切りに。
【2】耐熱皿に【1】の豆腐をしき、パセリをまぜたマヨネーズをぬり、その上にアボカドを並べ、チーズをちぎってのせる。
【3】オーブントースターで焦げ目がつくまで7~10分焼き、ブラックペッパーをふる。
「朝、たんぱく質を摂るには豆腐が手軽。アボカドの食物繊維で胃腸も活性化します」(フードコンサルタント・小倉朋子さん)
焼きバナナとごまきな粉ヨーグルトのモーニングプレート
《材料》
(1人分):バナナ1本、ヨーグルト60g、オリーブオイル小さじ1。トッピング用に、ブラックペッパー、きな粉小さじ2、黒ごま、アーモンド、くるみなどのナッツ、はちみつ。
《作り方》
【1】バナナは皮ごとオーブントースターで7~8分真っ黒になるまで焼く。
【2】【1】のバナナを皿に盛り、オリーブオイル、ブラックペッパーをふる。
【3】【2】にヨーグルトを添えて、きな粉、黒ごま、ナッツをのせる。
「コロナ禍で人気のバナナは、焼き立ての熱々を食べることでお腹がポカポカに。腸も温まって腸内細胞が活性化され、免疫力もアップ」(小倉さん)
教えてくれた人
柴田重信さん/早稲田大学理工学術院教授。薬学博士。専門は時間栄養学。新刊『食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門』(講談社)など著書多数。
松田真紀さん/管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。著書に『居酒屋ダイエット』(三笠書房)。
小倉朋子さん/フードコンサルタント。トータルフード代表取締役。メニュー開発、食事作法、箸文化、トレンド、ダイエット、食育などに精通。
取材・文/北武司
※女性セブン2020年9月16日号
https://josei7.com/