高齢者は避けるべきお風呂の入り方3つ…朝風呂、食後すぐの入浴、あと1つは?
大阪市の入浴中死亡データによると、施設で介助を拒んで1人で入浴し、不慮の事故が起きたケースが。また、冬場に多い入浴中の事故だが、とくに危険なのが朝風呂だという。入浴中の事故を防ぐためのお風呂の入り方を、専門家に聞いた。
介護施設で1人で入浴して不慮の事故も…
入浴は毎日の習慣。事故を起こしたくないから風呂に入らないということは不可能だ。ではどのようにしたら入浴時の事故を防げるだろうか。
千葉科学大学危機管理学部教授の黒木尚長さんは、
「家族のサポートも欠かせない。5~10分ごとの声かけや、30分経っても出てこない場合など、異変を感じたらドアを開けて覗いた方がいい」
と言う。
恥ずかしがらずに家族と入浴したり、介助を受けることも手だ。と話す。
「大阪市の入浴中死亡データを5年分調べたところ、施設でも介助を拒んで1人で入浴し、不慮の事故が起きたケースがありました。
自分の力で湯船の外に出られないと感じたら、無理に立ち上がると立ちくらみで転倒する恐れがあるので、まず、湯船の栓を抜く。可能なら水を浴びて体温を冷やしましょう。また、できれば半身浴にした方が、上半身が空気に触れているので、多少の長湯でも熱中症のリスクが下がります」(黒木さん)
高齢者は控えたいお風呂の入り方3つの危険!
1.事故が発生しやすい”朝風呂”に注意
ヒートショックのリスクが高い「朝風呂」はなるべく避けたいところだが、どうしても入りたいという人は短時間で済ませるようにしよう。
「朝風呂の場合は、しっかり脱衣所や浴室を暖めた上で、ちょっと熱めのお湯にさっとつかる。そうすれば、副交感神経がリラックスモードになる前に上がれます。シャワーは服を脱がず、足だけ、頭だけといったふうに体の一部のみにとどめたい」(前田さん)
→冬のお風呂で命を落とす危険な行為5つ|湯船でうとうと、入浴中に熱中症も…
2.食後すぐの入浴で意識障害も…
食後すぐの入浴も体に毒。血液が消化管に集まっているため、脳に血液が行き届かず意識障害を起こしやすい。
「最低でも30分、なるべく1時間は空けるようにしましょう。アルコールを飲んだ後は血管が拡張して血圧が下がっているため、入浴は控えてください」(早坂さん)
3.サウナの後の水風呂は高齢者は厳禁!
銭湯や温泉は脱衣所や浴室に暖房が完備され、人の目もあるため自宅よりリスクが少ないという。ただし、サウナ後の水風呂はやめておこう。
「サウナで熱くなった体を水風呂で急激に冷やして “ととのえる”ことが流行っていますが、自らヒートショックを起こしにいっているようなもの。高齢者にとってはリスクでしかありません。また、銭湯の帰りは暑いからといって薄着は禁物。体が冷えると血圧が上がります。血行がいい状態を維持するためにも、しっかり体を拭いて、暖かい格好で帰るようにしましょう」(早坂さん)
教えてくれた人
早坂信哉さん/東京都市大学教授・医学博士、黒木尚長さん/千葉科学大学危機管理学部・教授
※女性セブン2020年12月10日号
https://josei7.com/
●入浴中の事故を防ぐためにすべき5つの行動|湯の温度は?入浴前に飲むものは?