入浴中の事故を防ぐためにすべき5つの行動|湯の温度は?入浴前に飲むものは?
風呂場の事故で亡くなる人は、実は交通事故よりも多い。寝室、トイレ、玄関など家の中で起こる事故で死亡する人がもっとも多いのが“風呂場”だ。とくに風呂場と部屋の気温差が開く冬場や要注意だ。冬場の入浴で命を落とさないためにしておきたい5つのこととは…。
1.リビングとお風呂場の温度差は5℃以内に
入浴時の事故を防げばよいのだろうか。東京都市大学教授で医学博士の早坂信哉さんによると、「脱衣所、浴室の温度を必ず上げておくこと」と指摘する。
「寒暖差が5℃以上になると血圧が急上昇するというデータがあるので、リビングと脱衣所、浴室の温度差を5℃以内におさえましょう」
2.シャワーの蒸気や湯船のふたを外して浴室を暖める
「浴室暖房がなければ、2~3分程度熱いシャワーをかけ流して蒸気で浴室を暖めるといい。湯船にふたをせず、湯気で浴室を暖めるのも効果的です」(早坂さん)
3.お湯の温度は41℃以下がベスト
入浴の際は、お湯の温度が41℃以下になるように気をつけたい。「熱い風呂は苦手」という人も、高齢になるほど、知らず知らずのうちに温度の高いお湯につかっていることがある。早坂さんが続ける。
「お湯の温度は高くても41℃までにすること。特に高齢者は皮膚の温度センサーが鈍っていますから、自分の体の温度感を過信せず、給湯システムで温度を設定するか、温度計で測りましょう。お湯につかるのは10分でも充分です。42℃以上の熱いお湯より、40℃以下のぬるめのお湯につかった方が、温かさが1時間後も継続していたという実験もあります」
4.湯船に入る前に”かけ湯”を
寒いからといって、いきなり湯船に入るのはNG。かけ湯をすることで、血圧の急上昇をおさえられる。
「心臓から遠い場所から心臓に向かってゆっくりとかけ湯をします。手先、足先から、複数回に分けてお湯をかけていってください」(前田さん)
5.入浴前にコップ1杯の水を
脱水状態だと血管がつまりやすい。入浴前には水分補給も忘れないようにしたい。
「お風呂に入ると、汗などで300~500mlもの水分が奪われます。血液ドロドロの状態だと、血圧が急上昇した際、血管がつまったり破れやすくなる。必ずコップ1杯の水を飲んでからにしましょう」(前田さん)
→冬のお風呂で命を落とす危険な行為5つ|湯船でうとうと、入浴中に熱中症も…
教えてくれた人
早坂信哉さん/東京都市大学教授・医学博士、前田眞治さん/国際医療福祉大学教授・温熱医学
※女性セブン2020年12月10日号
https://josei7.com/
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