初めての老眼鏡選びを記者が体験|どこで作る?度数は…乱視チェック表付き
「見えづらい」と眉間にしわを寄せ、思いっきり目を見開くのも、そろそろ限界が…。「まだ見えるから…」が目を悪くしているかも。そこで最近「スマホが見えづらい」のが悩みの記者が、初めての老眼鏡作りを体験。自分に合う老眼鏡とは一体どんなものなのか?実録レポート。
初めての老眼鏡作り、まずは眼鏡店で検査
実際に眼鏡店でどんな検査が受けられるのかを知るべく、最大52項目もの検査を行っている『メガネスーパー ららぽーと豊洲店』へ。利用者の7割は40才以上だ。
「情報の8割は視覚から得るといわれるほど、目の役割と負担は膨大。いい眼鏡作りには良質な検査が必須です」(同社R&D部門責任者の吉野正夫さん・以下同)
同店が行う「トータルアイ検査」(2000円~)は、累計1000万人の利用者から得た症状をもとに独自のカテゴリーに即して細かくその人の目の状態を判定する。
具体的には、自分の利き目や左右バランス、色覚など基礎的な目の状態を探る“眼体力”、ピント調節力や遠近を見る能力を測る“眼年齢”、いま使っている眼鏡のレンズが合っているかを調べる“眼鏡力検査”などがある。
「ピントの調節力はもとより、目がどの程度動かせるか、両目が連動できているかなどふだん意識することのない細かい動きまで調べていきます」
老眼度数を測る単位は+1.0、+1.5など、0.5または0.25刻みが一般的だが、同店では、0.01刻みで測定する。
「左右の視力が違うかたや、乱視の度合いが大きいかたは、簡易な老眼鏡では合わないため、詳細な検査が必要です」
トータルアイ検査はライト(23項目)、トータルアイ(42項目)、プレミアム(52項目)の3コースで、目の健康診断として利用する人もいるそうだ。
→老眼鏡の作りどきはいつ? 老眼の初期症状は? 老眼対策は35歳から…
詳しい老眼検査「トータルアイ検査」を体験
最初に一般的な視力検査を受け、そのデータをもとに詳細な検査を行うのが「トータルアイ検査」。本検査の前には、疲れた目をリフレッシュする「リラクゼーションメニュー」が含まれている。
心地よい施術の後、認定眼鏡士の磯川進さんの指示のもと、以下の検査を行う。ほとんどが機器に表れる記号や文字の見え方を答えるものだ。
老眼鏡作り「トータルアイ検査」の内容は?
●利き目検査…どちらの目でものを見ているかを調べる。
●両目の距離の測定…近くのものを見るときに目を寄せられるか、下げられるかをチェックする。
●色覚…ぼやけたり、くっきりしたりする記号を追う検査。
●乱視検査…線や輪郭の濃淡、ぼやけた記号など、さまざまな角度から見え方を調べる。
●左右の視線のバランス検査…異なる色の重なり方を見る。
●遠近感検査…浮き上がる記号を追いかけ、動く対象物を見ながら視線を合わせる力、ぼやけるポイントなどを探す。
などなど、検査は42項目(トータルアイコース)に及んだ。
「乱視だけでも何種類もの検査をします。こうして精密な数値を出すことで、よりご自分の目に負担の少ない快適な眼鏡が作れます」(磯川さん・以下同)
検査のなかでも興味深かったのが「寄り目をする力」と「目だけで下を見る力」の測定。近くを見るときに目を動かせるか、遠くを見たときに的確に対応できるかを見るもので、とにかく、下側の視界の狭さには愕然とする。
乱視チェック表
目の年齢とピントの距離 老眼の進行が止まるのは何歳?
厚生労働省の「調節機能障害の評価方法等」などのデータを参考に、『メガネスーパー』が蓄積したデータを集計して作った年齢別にピントの合う距離の基準表。10才の頃は手元から約8cmの距離もはっきり見えるが、55才では焦点の合う距離が1mに伸びる。そして、老眼の進行が止まる66才頃になると、5mより手前もはっきりと見えなくなる。
※近視・遠視・乱視の有無により個人差があります。
老眼作りは約1時間、レンズを決めて終了
そして、検査の結果を踏まえて選び出されたレンズを装着しながら見え方を確認し、約1時間で検査は終了。寄り目になったり、目を見開いたり、ふだんあまりしない動きをしたが、前もってリラクゼーションを受けたこともあり、最後まで問題なく検査できた。
記者に合う老眼鏡のレンズは? 価格は…
検査の結果、記者の眼年齢は実年齢のマイナス7才! 無邪気に喜んだところ、
「頑張りすぎて、かえって目が疲れているともいえますよ」とのアドバイスが。
検査の一環で、いま使っている眼鏡を見てもらったのだが、仕事に必要な中距離がちゃんと見えておらず、老眼鏡も「ほぼ裸眼」状態であることもわかった。合わない眼鏡を使い続けた結果、無理して見るクセがついていたのか…。
そんな記者に磯川さんがすすめてくれたのは、中近レンズ。
「お仕事はもちろん、長時間のウオーキングも負担なく行っていただけますよ」。
レンズ代は両目で4万3000円~。高額だが、合わないレンズを使って肩こりになり、マッサージ店に駆けこむことを考えれば元が取れそうだ。おすすめレンズをかけて店内を一回り。自前の眼鏡で見えなかった中距離もハッキリ見える! 久々に視界が開け、新鮮な気分になりました。
老眼を予防するエクササイズも
裸眼でも気合で見えているという人も、加齢のスピードに勝つのは至難の業。
「ピント合わせのトレーニングとして、近くを見ているとき、10分に1、2秒は遠くを見るようにしてください。遠くとは、ピントが合うぎりぎりの距離。あらかじめ自分の距離をつかんでおきましょう。10分刻みで遠くを見てはすぐに視線を戻すというように、小刻みに動かすのがポイントですので、1時間作業して10分遠くを見るのでは効果がありません。できれば、老眼鏡をかけながらエクササイズを行う方が、目のアンチエイジングにはベターだと思います」(梶田さん)
教えてくれた人
梶田雅義さん/梶田眼科・院長、吉野正夫さん/メガネスーパー・同社R&D部門責任者、磯川進さん/認定眼鏡士
写真/安達紗希子
※女性セブン2020年10月22日号
https://josei7.com/
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