冬に多発する高齢者の入浴中事故原因ヒートショック|予防策・便利グッズ
寒さの厳しい季節に突入した。 温かいお湯にゆっくりつかって体を暖めたいところが、特に高齢者は気を付けなければいけないことがある。
毎年、冬には入浴中の事故が多発する。年間の事故数の7割が11月から3月にかけて起きているのだ。
男女・発生月別に見た高齢者の「おぼれる」事故による人口10万人当たりの救急搬送者数
入浴中の事故を防ぐための注意ポイント6つ
消費者庁は、以下のような注意喚起の提言をしている。
「入浴中の事故は、持病がない場合、前兆がない場合でも発生するおそれがあります。特に高齢者の入浴中の事故は、発生すると入院が必要な中等症 2以上になる割合が非常に高く、事故の予防が重要です。そのためには、高齢者の方本人が注意するとともに、家族の方など周りの方も一緒になって事故を防止することが大切です。11 月 26 日は「いい風呂」の日です。この機会に入浴習慣をもう一度見直してみましょう」
入浴中の事故を防止するために、特に以下の6つ点について確認しよう
【1】入浴前に脱衣所や浴室を暖める
【2】湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までを目安に
【3】浴槽から急に立ち上がらない
【4】食後すぐの入浴、アルコールが抜けていない状態での入浴は控える
【5】精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険なので注意する
【6】入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらう
ヒートショックが入浴中の事故原因
入浴中の事故の原因の1つといわれているのが「ヒートショック」だ。
ヒートショックとは、急激な温度差により血圧が大きく変動することで体に変調が起こること。失神や心筋梗塞、脳梗塞などで命に関わることもある。
寒い時期では、家の中での注意が必要だ。温かいリビングから寒い風呂場へ移動、その後、熱いお湯に急につかることで、ヒートショックを起こす場合がある。
脱衣所を暖める方法
この寒暖差を小さくするためには、脱衣所や浴室を暖めることが大切といわれている。
浴室を暖めるには、湯を浴槽にいれる時にシャワーから給湯し、蒸気で浴室の温度を上げる、浴槽の蓋を外したままにしておくことも有効だ。
脱衣場を暖める方法として、パナソニックが実施したアンケート(※)によると、ファンヒーターなどの「小型の暖房器を置く」ことが、実践していることまたは実践したいことの1位になっている。
また、小型の暖房器具には「すばやく暖まる」「軽くて持ち運べる」機能を求める声が多いという。
※パナソニック令和元年11月「60歳以上の男女500名に対するWEB調査」
入浴中の事故対策にオススメの商品
安心して、気持ちよく入浴するためにオススメの商品をご紹介する。
●音や光などでヒートショックリスクをお知らせ!「GRUS ヒートショックセンサー」価格:5,500円(税別)
脱衣所・浴室間の温度を計測しヒートショックのリスクが高まっている時、音・光・表示でその危険を知らせる
製品サイズ:高さ125mm× 幅60mm× 奥行19mm) ●脱衣所をポカポカにパナソニックセラミックファンヒーター「ポッカレット」(DS-FP600)
価格:オープン価格
セラミックヒーターですばやく暖まる(吹き出し温度40℃まで10秒)。防滴構造で、脱衣所などの水周りでも安心(防水規格IPX1取得)
質量約2.0kg、取っ手付きで持ち運べる ●浴室でのすべり防止や床のヒンヤリ防止に「大島屋お風呂用畳マット」
入浴時のすべり防止や床面のヒンヤリ感を防止。ポリプロピレンの畳だから洗えて清潔。消臭効果も。浴室内でぺたんと畳のような座り心地が魅力
取材・文/介護ポストセブン編集部
●介護のお金|頼れる制度やサービスは案外ある。不安を軽減する方法