《1日2分》ひざ痛・骨粗しょう症をまとめて予防!整形外科医がすすめる「片足立ち」は何がすごいのか?
普段運動をしていないと、筋肉は少しずつ衰え、次第に歩くことすら困難になっていく。そんなときにおすすめしたいのが、歩くのに匹敵する健康効果が期待できるという「片足立ち」だ。『動ける体が大復活する 1分体操』(アスコム)を上梓した、整形外科医の中山潤一さんは、片足立ちをベースにした「ゆる片足上げ体操」をすすめているが、さらに効果を高める体操もあるという。詳しいやり方を教えてもらった。
1分間の「片足上げ」で日常動作に必要な筋肉を鍛える
中山さんが考案した「ゆる片足上げ体操」は1回あたり1分でできる手軽な体操で、続けるだけで、立ち上がるときや歩くときに使う筋肉や、姿勢を良くする筋肉が鍛えられるという。これにより、日常的な動作が軽やかに行えるようになるほか、平衡感覚の向上や骨粗しょう症の予防にもつながるそうだ。
「足を高く上げればそれだけ負荷がかかって効果的ですが、それほど高く上げなくても効果はしっかり表れます。少し上げればいいだけなので、『ゆる』という名前が付いているわけです」(中山さん・以下同)
歩く力を鍛える「ゆる片足上げ体操」
《ゆる片足上げ体操のやり方》
【1】背筋を伸ばして立ち、足を肩幅に開く。ひざを軽く曲げ、両手は楽な位置に下ろすか軽く開く。このとき、息をゆっくり吐いてお腹を凹ませる感覚で、おへそのあたりに軽く力を入れる。
【2】右足のつま先が5cmぐらい床から離れるように右足を上げる。そのまま1分間維持する。この間も呼吸は止めず、自然に続ける。その後反対側の足も同じように行う。
「少しでもふらつくようなら、机に手をついたり、柱や手すりを持ったりして支えに頼ってください。それでも効果はあるので、大丈夫です」
「片足つま先立ち体操」をセットで行えばさらに効果的
「ゆる片足上げ体操」とセットで行うことで、さらに歩く力を高める効果が期待できるのが「片足つま先立ち体操」だ。「ゆる片足上げ体操」と同じように片足で立ちながらかかとを上げる体操で、ふくらはぎの筋肉を鍛えることができる。また、ひざまわりの筋肉も強くなるため、ひざの痛みも軽減するそうだ。
「骨粗しょう症も予防できます。いいことずくめではないでしょうか。途中までは最初の『ゆる片足上げ』と同じです。ただし、必ずつかまるものを用意してください。
ふくらはぎを鍛える「片足つま先立ち体操」
《片足つま先立ち体操のやり方》
【1】背筋を伸ばして立ち、足を肩幅に開く。
【2】左足で片足立ちをする。このとき、必ず手を壁や机などに添えて、体を支える。
【3】左足のかかとをスッと上げる。そのまま1~2秒間維持する。
【4】ゆっくりかかとを下ろしていく。このとき、上半身は真っすぐで、目線も前を向いたままにする。これを10回繰り返した後は足を替えて行う。
「最初の『ゆる片足上げ』と大きく違うのは、『右を1回やって、左を1回やって、それを10回繰り返す』のではなく、『右を10回やってから、左を10回やる』という順序です」
片足でやることで効果が上がる
つま先立ち自体は両足同時に行う体操もあるが、片足で行うことで、両足でやる場合よりも効果を高めることができる。両足で行った場合は、体重が2本の足に分散されるが、片足なら体重が1本の足にかかるため、ふくらはぎの筋肉により強い刺激が加わるためだ。
「さらに、バランスをとって姿勢を保つために重要な深層筋(インナーマッスル)も同時に鍛えられます。つまり、片足でやることで、同じ動き・同じ回数でも自然と負荷が増し、下半身の筋力が上がり、体幹も鍛えられるということです」
慣れてきたら「ゆる腰下げ体操」
「ゆる片足上げ体操」や「片足つま先立ち体操」に慣れてきたら、「ゆる腰下げ体操」にも挑戦してみよう。筋肉の動きが大きくなるため、ひざ関節や股関節の周囲のストレッチにもなり、歩く能力が上がり、転倒リスクの減少につながる。また、骨盤の下のほうにあり、泌尿器などを下から支えている「骨盤底筋」という筋肉群のトレーニングにもなるそうだ。
「『ゆる腰下げ』では骨盤底筋が鍛えられるので、多くの方が悩んでいる尿漏れの予防・防止になります。ただし、アキレス腱に痛みのある方は、無理をする必要はありません。様子を見ながら、体操をなさってください」
股関節の柔軟性を高める「ゆる腰下げ体操」
《ゆる腰下げ体操のやり方》
【1】背筋を伸ばして立ち、足を肩幅に開く。
【2】右足を5cmくらい床から離し、2~3秒間そのまま保つ。
【3】上げた右足を2歩分くらい前に、ゆっくり踏み出す。
【4】両ひざを曲げて、腰を下げる。このとき、上半身は真っすぐで、目線も前を向いたままにする。
【5】前足のかかとで床を蹴って、ゆっくり最初の姿勢に戻る。足を替えながら交互に10回ずつ行い、1日に2セット行う。
「くれぐれも、踏み出した足のひざが、つま先よりも前に行かないようにしましょう。ひざに負担がかかってしまいます」
体操のポイントは呼吸を止めないこと
動きに集中しすぎて息を止めてしまうこともあるが、この体操のポイントは呼吸を止めないことだ。息を止めると血圧が上がり、心臓に負担がかかるため、そのまま動いていると脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めてしまう。
「必ず『吸って吐いて、吸って吐いて』を繰り返しながらやってください。どの体操も『ゆるい』ので、普段の呼吸のままできるはずです。知らず知らずのうちに息が止まってしまう方は、まずは『吐く』ことを意識するといいでしょう。息を吐いて体の中の空気が減れば、自然に吸うことができます」
教えてくれた人
中山潤一さん/整形外科医
なかやま・じゅんいち。中山クリニック院長、医学博士。大阪医大(現大阪医科薬科大学)卒業後、神戸大学整形外科入局。基幹病院で臨床経験を積み、医学博士号を取得後、神戸逓信病院医長、神鋼加古川病院医長を経て、2011年に中山クリニックを開業。有床診療所として年間380件の手術を行い、介護事業も展開するほか、保存療法、再生医療、関節鏡手術、エコー(超音波)治療など幅広い症例を手掛ける。著書に『動ける体が大復活する1分体操』(アスコム)など。YouTubeチャンネル「医師 中山潤一『整形外科・消化器内科』/兵庫県明石市の中山クリニック」https://www.youtube.com/@nakayama-clinic
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