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健康

《50代から筋肉量の減少スピードが加速》体力がある人・ない人の違いは「筋力量」 鍛えるなら大腰筋!「30秒もも上げ」のやり方を医師が解説

 同じ活動を長く続ける「持久力」がなくなった、あるいは少し休んでも体力が回復せず、「回復力」が落ちたと感じるとき、「体力が落ちてきた」と感じる人は多い。しかし実は、根本には「筋力」の低下が潜んでいることも多くある。そこで、『疲れない、回復できる、速く・長く歩ける 体力低下を食い止める30秒習慣』(アスコム)を上梓した、整形外科専門医の吉原潔さんに、なぜ筋力が落ちると体力が落ちたと感じるのか、詳しく教えてもらった。

筋力の衰えは実感しにくい

 体力が落ちた、と感じるとき、背景には「持久力」「回復力」「筋力」の衰えがある。このうち、持久力と回復力は衰えを実感しやすく、ウォーキングを日課にしたり、睡眠時間を長くしたりなど対策もとりやすいが、筋力は衰えを実感しにくいため、対策もとりづらい。

 しかし、筋肉はエネルギーを生み出す場所であるため、筋力が落ち、エネルギーが不足すれば持久力が下がり、疲れやすくなるうえ回復も遅れていく。そうすると今度はウォーキングはもちろんのこと、外出自体がおっくうになり、さらに筋力が落ちていく可能性が高い。

「筋力はほかの2つの力を根本から支える土台です。土台がしっかりしているかどうかが、体力の衰えを防ぐうえで決定的な役割を果たします」(吉原さん・以下同)

筋肉は20歳をピークに減少する

 体力維持のために重要な筋肉だが、筋肉量のピークは20歳ごろとされ、加齢に伴って徐々に減少していく。特に下半身の筋肉は衰えやすく、50代からは減少スピードが加速し、年間0.5~1%ずつ減っていくこともあるという。

「このペースで何もしないまま放置すれば、80代を迎える頃には、筋肉の量や質がピーク時の6割から7割程度にまで低下してしまうリスクがあります」

体力がある人とない人の違いは筋肉量

 筋力を含めた「体力」は、加齢にともなって減少していくが、年を取っても、若い人と遜色がないほど体力がある人もいる。こうした「体力がある人」はアクティブに生活をしているほか、けがや病気にもなりにくく、なった場合も回復が早いという特徴があるが、「体力がない人」との違いは、やはり「筋肉量の違い」と吉原さんは話す。

 しかし、すでに「筋力が落ちてしまっているから」とあきらめる必要はない。筋肉は、鍛えれば復活させることができるためだ。

「筋肉はほかの臓器とは異なり、筋トレなどの運動をすれば、いくつになっても成長するという特性があります。つまり、あなたの意思で、老化に抗うことができるのです」

鍛えるべきは大腰筋

 体力低下を目的に筋肉を鍛える場合は、「大腰筋(だいようきん)」を鍛えるのが最も効果的と吉原さんは言う。

「大腰筋は、股関節まわりに位置し、上半身と下半身をつなぐ筋肉です。背骨を前から支えるので、正しい姿勢を保つのに不可欠で、背すじを伸ばして立つときや、ももを引き上げるときにも重要な役割を果たしています」

大腰筋を鍛える「30秒もも上げ」

 一方で、大腰筋は衰えを実感しにくく、かつ鍛えにくいという欠点がある。そこで吉原さんがすすめているのが「30秒もも上げ」。確実に大腰筋を鍛えられるほか、心肺機能を高めて持久力を高める効果も期待できる筋トレだ。

 さらに、全身の筋肉のなかで最も大きい筋肉である「大腿四頭筋」や、お尻の側面にあり、体の安定性を保つ「中臀筋」、体の幹になる筋肉である「腹筋」なども鍛えられる。

「しかも、1回たった30秒でいいので、衰えた体力でも容易にできるでしょう」

「30秒もも上げ」のやり方を紹介

《30秒もも上げのやり方》

【1】壁に寄りかかって立つ。頭、肩、腰を壁につけ、両手の手のひらを壁につけて体を安定させる。両足はそろえて、壁から10~15cmほど前に出す。
【2】片足のももをできるだけ高く上げ、つま先は下向きにする。上げたところで1秒間止める。
【3】上げたももを下げる。
【4】反対側のももを同じようにできるだけ高く上げ、つま先は下向きにする。上げたところで1秒間止めたあと、ももを下げる。
【5】【1】~【4】を30秒間繰り返す。

「右のもも、左のもも、というように左右交互に行います。リズミカルに上げ下げしますが、回数にこだわらなくてOKです。1回30秒を守れば、1日に数回やってもかまいません」

教えてくれた人

吉原潔さん/整形外科専門医

 よしはら・きよし。整形外科専門医、フィットネストレーナー、医学博士、アレックス脊椎クリニック名誉院長、日本整形外科学会専門医、日整会内視鏡下手術・技術認定医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)公認パーソナルフィットネストレーナー、食生活アドバイザー。運動療法や筋力トレーニングにも精通した医師として、多角的な診療に定評がある。著書に『ドクターズスクワット 医者が考案した「30秒で運動不足を解消する方法」』(アスコム)など。

●《不調や病気を遠ざけるカギ》自律神経を整えるために「寝起きにシャワー」はなぜ有効なのか?自律神経研究の第一人者が解説

●《高齢の家族が転んだら?》「大丈夫?」とすぐ手を伸ばすのはNG!悪化を防ぐための転倒直後の“正しい対応”を整体師が解説

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