糖尿病対策に欠かせない「血糖値を下げる」 糖尿病専門医が教える7日間で行う「1%メソッド」とは?
糖尿病の対策には血糖値を下げることがポイントとなる。そのために手軽で続けやすい方法があるという「1%メソッド」。これを提唱したのは『ミスター血糖値が教える 7日間でひとりでに血糖値が下がるすごい方法』(アスコム)を上梓した、“ミスター血糖値”糖尿病専門医の矢野宏之さんだ。早い人なら7日間で効果を得られるという「1%メソッド」の考え方と、「1%ストレッチ」のやり方を教えてもらった。
教えてくれた人
糖尿病専門医・矢野宏之さん
やの・ひろゆき。やのメディカルクリニック勝どき院長、医学博士。日本医科大学卒業後、同大学附属病院に勤務。その後、国立国際医療研究センター研究所の糖尿病研究センターで糖尿病について研究。24時間の血糖値の動きを調べつくし、血糖値について熟知していることで、「ミスター血糖値」の異名を持つ。著書に『ミスター血糖値が教える 7日間でひとりでに血糖値が下がるすごい方法』(アスコム)など。
ひとりでに血糖値が下がる「1%メソッド」
血糖値を下げる方法として矢野さんが提唱するのが、薬を使わず誰でも実践可能な「1%メソッド」だ。厳しい糖質制限や激しい運動などは不要で、手軽で続けやすいのが魅力といえる。
「それゆえに、瞬間的かつ劇的な効果には期待できませんが、コツコツ続けていけば、着実に、早い人なら7日間で、確かな効果を得ることができます」(矢野さん・以下同)
1%ずつでも改善することが大切
「1%」には、今よりもほんの少しだけ何かを増減させたり、鍛えたりするという意味がある。例えば、1日の消費カロリーを前の日よりも1%だけ増やす、1日の摂取カロリーを1%だけ減らすといったことだ。
「全力で頑張る必要はありません。ほんの少しだけ、『今以上』の状態に持っていけばいいのです」
1日の1%は約15分
「1%メソッド」で実施する、運動系のメソッドに要する時間の1日あたりの目安も「1%」だ。1日は24時間=1440分=8万6400秒であり、そのうちの1%は14分24秒。つまり、毎日約15分だけ簡単な運動に取り組むというのが「1%メソッド」の要素の1つだ。
「普段ほとんど体を動かしていない人の15分の運動は、驚くほど大きな効果を体に与えてくれます。わずか1%とて、まったく侮れないのです」
すぐに実践可能で効果も期待できる「1%ストレッチ」
矢野さんが提唱する「1%メソッド」には、血糖値を下げるさまざまなメソッドが含まれるが、そのなかでもすぐに実践ができ、かつ確かな効果を期待できるのが「1%ストレッチ」だ。両腕を斜め上に伸ばしては戻す、という動きを繰り返す運動で、「バンザイストレッチ」とも言う。
「この1%ストレッチを継続して行うと、背中の筋肉のなかでもとくに大きな広背筋を鍛えることができます。そして体の筋肉が鍛えられると、食後の血糖値の上昇が緩やかになります」
最も効果的なのは食後15分以内に行うこと
1%ストレッチを行うタイミングとして最も効果的なのが、食後15分以内だ。血糖値は通常、食後30分~1時間で一気に上がっていくため、上がる前に軽く運動を行うと、急上昇を抑えられるそうだ。
「1%ストレッチの1回あたりの目安は5分。これを1日3回、計15分行いましょう。これは、1日の1%の時間=約15分にしっかり合致します。最初は、1日5分を3セットでもハードルが高いかもしれません。その場合は、1セットを1~2分にするとか、1日3セットではなく1セットにするとか、無理のない範囲で調整しましょう」
1%ストレッチのやり方
矢野さんによると、このストレッチはいすに座った状態で行ってもよいそうだ。腕を伸ばす方向が真横にならないようにだけ注意しよう。また、さらに効果を高めたい場合は、中身の入った500mlのペットボトルを両手に持った状態で行うとよい。
「器具は要らないし、スペースも取らない。1%ストレッチは、誰でも、どこでも、すぐに実践することができます。まずはここからスタートしてみましょう。決して無理をする必要はありません」
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