ズボラでもできる“寝たきり”を予防する食事法「バランスのいい食事のための10品目をチェック」【管理栄養士解説】
厚生労働省が公開する「介護保険事業状況報告」(2020年)によると、施設に入所している「寝たきりの人」は300万人以上と世界でも類を見ない多さだという。「寝たきりを予防するためには、バランスのよい食事が大切」。と話すのは管理栄養士の中村育子さん。1日に摂るべき10の食品群など、詳しい話を伺ったのでご紹介します。
教えてくれた人
中村育子さん/在宅訪問管理栄養士
名寄市立大学保健福祉学部栄養学科准教授。著書に『冷凍食品・市販品・レトルト・缶詰をフル活用 70歳からのらくらく家ごはん』(女子栄養大学出版部)。
ズボラでもできる寝たきり防止の食事方法
「寝たきりを防ぐためには、とにかくバランスのよい食事を心がけること」と、在宅訪問管理栄養士の中村育子さん。
「在宅医療の現場で働く中で、男女ともに野菜摂取量が足りていないと感じています。特に昔に比べて、ひじきや干ししいたけなど乾物類の摂取量が減っています。野菜が不足すると糖尿病や動脈硬化などを引き起こすリスクが高まるので、必ず毎食取り入れましょう。野菜は加熱するとたくさん食べられるので、鍋にするのもおすすめです」(中村さん・以下同)
バランスのよい食事をするために、日々の食事内容を確認することも必要だ。
「一日の終わりに、下の『10の食品群チェック表』を見てその日食べたものを確認し、食べなかった食品群は意識して翌日に食べるように心がければ、毎日いろんなものを食べられます。自分で一から手作りしなくても、加工食品やレトルト食品、市販のお総菜を取り入れても構いません」
ほかにもご飯、パン、麺類などの主食を、毎回食べるように心がけよう。
1日に摂るべき「10の食品群」チェック表
1日の中で食べたものにチェックを入れる。チェック1つを1点とし、1日の合計が何点かを判定し、目標は7点以上。点数が高いと身体機能が低下しにくいとされている。
<肉>
牛肉、豚肉、ハム、ウインナーソーセージなど
<魚介類>
魚(小魚を含む)、貝、いか、干物、魚肉加工食品、魚の缶詰など
<卵>
鶏卵、うずらの卵など
<大豆・ 大豆製品>
豆腐、納豆、枝豆、油揚げ、豆乳、きな粉など
<牛乳・ 乳製品>
牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
<緑黄色・野菜>
にんじん、ブロッコリー、ほうれん草、小松菜など
<海藻類>
わかめ、のり、ひじき、めかぶ、もずくなど
<いも類>
じゃがいも、さつまいも、里いもなど
<果物>
りんご、みかん、バナナ、キウイフルーツなど
<油類>
サラダ油、ごま油、バター、マヨネーズなどを使った料理