《「介護がつらい」となったら…》「レスパイトケア」とは? 介護中でも旅行をあきらめなくていい、実施を考える前に知っておきたいこと
「レスパイト」とは、「息抜き」や「中断」、「小休止」などを意味する言葉で、「レスパイトケア」とは、介護をする家族が一時的に介護から離れてリフレッシュするためのサービスを指す。介護中は旅行なんて行けないと考える人も多いが、レスパイトケアを活用し、気晴らしに旅行することも可能だ。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、介護中に旅行をする際のアドバイスを教えてもらった。
教えてくれた人
丸山晴美さん/節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー
22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。
* * *
まずはケアマネや地域包括支援センターに相談
旅行だけではなく、冠婚葬祭へ出席したい、介護がつらい、介護者が入院手術が必要となった場合など介護が一時的に困難となる場合は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談して、ケアプランにレスパイトケア(サービス)を組み込んでもらいましょう。レスパイトケアを利用して要介護者を預ける場合、要介護者が安全に過ごせるように預かり先でも環境を整える必要があるため、早めに相談をすることが大切です。緊急で対応をお願いしなければならない場合は、その旨を伝えれば対応してもらえることもありますが、基本的には遅くとも2週間前までにはケアマネジャーなどに相談しましょう。
デイケア施設も預け先の候補に
デイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハビリテーション)では、月に何度か預かりサービスを行っていることがあります。デイサービスやデイケアを利用している場合は、利用している施設で預かりサービスをやっているかどうかを確認してみるといいでしょう。
介護保険適用の施設と適用外の施設があるショートステイ
預かりサービスがない場合は、ショートステイが選択肢となります。ショートステイは介護保険適用の施設と適用外の施設があり、介護保険適用の施設は、65歳以上で要支援1・2または要介護1~5の認定を受けている人、または40~64歳で特定疾病により要介護認定を受けている人が利用可能です。介護保険適用外の施設の場合は、全額自己負担とはなりますが、要介護度の認定を受けていない「自立」の人でも施設によっては利用可能です。
医療ケアが必要な場合は医療型ショートステイやレスパイト入院を利用
デイケア施設などでの預かりサービスや、通常の一般型ショートステイ(短期入所生活介護)の場合、食事や入浴、排泄といった日常生活の支援が中心です。介護だけでなく、インスリン注射や胃ろうなど介護施設やショートステイでは受け入れがが難しく、医師や看護師などによる医療ケアが必要な場合は、医療型ショートステイ(短期入所療養介護)やレスパイト入院の利用が可能です。
医療型ショートステイを行っている施設では、医師や看護師、理学療法士などが配置されており、介護保険適用で介護サービスと医療サービスを受けることができます。
レスパイト入院は医療依存度が高い人を病院で受け入れるサービスで、医療保険適用となります。介護度の条件はないため、介護保険は利用できませんが、経管栄養など常時医療ケアが必要な場合などに適しています。
ショートステイもレスパイト入院も日数制限がある
ショートステイの場合、最短1日から利用可能ですが、連続利用は最長30日まで、利用日数は累計で介護認定期間の半数までという制限があり、超過した場合は介護保険が利用できず、全額自己負担(自費)となります。また、レスパイト入院の場合は、入院期間は原則14日以内となっているため注意しましょう。
介護中の旅行先は近場がおすすめ
レスパイトケアの利用中は、預け先が責任をもって要介護者の介護を行ってくれますが、要介護者に何かあった場合は家族が駆けつける必要があるため、基本的には近場に旅行をするのがおすすめです。もし2人以上で介護をしている場合は、1人が家でのんびり息抜きをし、他の人は遠出をするという手もあります。家で待機をしている人が緊急対応をすることにし、待機担当は順番で持ち回れば、全員程よく息抜きができて、持続性の高い介護ができるでしょう。
旅行予約キャンセル保険も検討を
旅行予約キャンセル保険は家族の介護を理由に、旅行をキャンセルする場合も利用できます。
要介護者の状態によって旅行が中止になる可能性が高い場合などは、旅行予約キャンセル保険にも入ったうえで、プランニングすると安心です。旅行キャンセル保険の補償になる条件や対象者など、規約を加入前に確認しておきましょう。
要介護者と行く場合はバリアフリー対応のエリアを選ぶ
要介護者とともに旅行をしたい場合は、バリアフリー対応の宿泊施設や観光地を選びましょう。段差が多いところは移動が大変なため、車いすでの移動が楽なところを探すのがおすすめです。自分で探すのは大変ですが、バリアフリー旅行.com(https://barrierfree.t-life.co.jp/individual/)や日本介護トラベルサービス(https://kaigo-travel.jp/)など、要介護者との旅行を専門的に扱う旅行会社もあるため、こうしたサービスを活用するといいでしょう。
取材・文/新藤まつり
●シニア世代の意識調査「現在の楽しみ、1位は旅行」「生まれ変わっても今の夫と結婚したい」女性60%、男性71%と男女差も
