猫が母になつきません 第408話「もういない」
私が11年守っていたものが壊れるのはあっという間でした。母がもういないことがまだぴんとこない。スイカをみると母のために買いたくなります。「買いたくなる→もういない→買わない」のでスイカを食べなくなりました。
私が12年前の私に伝えられるたったひとつのいいこと、それは猫が一緒にいてくれたこと。それは今もいてくれて、母の「もういない」をかなり薄めてくれています。
【「12年前の私へ」を読む】
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。