「いいね!しただけなのに訴えられる?」「友人のマウント発言」SNSのモヤッとする実例8選に専門家がアドバイス
総務省の『情報通信白書』(令和4年版)によると、50代でSNSを利用している人の割合は約6割で、60代でも約5割にのぼる。いまや年齢に関係なく、SNSを介してのコミュニケーションが当たり前になっているが、利便性を実感する一方で、SNSを介してのつきあい方に悩む中高年が増えているという。皆一体何にモヤモヤし、悩んでいるのか―。リアルケースをもとに専門家が解決策を伝授してくれたのでご紹介する。
教えてくれた人
Pocheさん/心理カウンセラー
人間関係、親子問題、機能不全家族が専門。2021年より悩みを抱えた人たちに「気づき」を得てもらうのを目的にSNS「X」を開始。フォロワー数約8万人。著書に『SNSのモヤモヤとの上手なつきあい方』(あさ出版)など多数。
浮世満理子さん/メンタルトレーナー
アイディア高等学院学院長。国や地方自治体とLINEを活用した無料相談を推進している「全国SNSカウンセリング協議会」常務理事。著書に『カウンセラーが悩み解決! SNSコミュニケーション』(日本能率協会マネジメントセンター)など多数。
増田由紀さん/スマホ活用アドバイザー
「知るを楽しむ」大人のためのスマホ&PC教室パソコムプラザ代表。2022年にデジタル庁からデジタル推進委員に任命される。著書に『老いてこそ、スマホ 年を重ねて増える悩みの9割は、デジタルで解決する 老いに親しむレシピ』(主婦と生活社)など多数。
絵文字や記号、スタンプを使用する際は最善の注意を!
字面(えづら)から相手の気持ちをくみ取らなければならないSNSでは、ちょっとした誤解によるボタンのかけ違いがトラブルに発展することがある、と前述した。SNSならではといえる表現、たとえば、絵文字や記号、スタンプの使い方には特に注意が必要だという。
「絵文字や記号、スタンプは、文字では伝えづらい感情の細かいニュアンスも伝えられるSNSならではのコミュニケーションツール。ですが、文章よりも抽象的な“絵や記号”を見てどう受け取るのかは相手次第。
快い返事のつもりで“わかった!”と『!』(ビックリマーク)をつけて送ったところ、相手は『!』を威圧的に感じ、怒っているようなニュアンスで受け取ってしまい、問題になったケースもありました」(Pocheさん・以下同)
『!』(ビックリマーク)ひとつでもひとが受け取る印象は変わる。相手に送る前に、再度チェックすることをおすすめする。
SNSの賢いコミュニケーション術【8】
心理カウンセラー、メンタルトレーナー、スマホアドバイザーら専門家が実際に相談された問題について解決策を教えてくれました。
1.私の投稿に対しマウントをとってくる人がいてモヤッ!
<解決策> マウントには、あえてスルー
「マウントとは、自分の方が上であることをアピールする行為。マウントをとる人は、反応に対して喜びを感じるので無視がいちばん。友人であっても、今後SNS上ではかかわりたくないのなら、完全にスルーしていいと思います」(浮世さん)
2.友達が私にだけ「いいね!」をしてくれなくてモヤッ!
<解決策> 「いいね!」をもらえないのは相手の事情かも
「こういった場合、あなたへの嫉妬心から『いいね!』が送れないなど、相手に事情がある可能性が高いので、その人に固執せず『いいね!』を送ってくれる別の人に目を向けて」(Pocheさん)
「いいね!」…SNSなどの特定のコンテンツに対し、好き、楽しい、支持できるといった意思を示すための機能。
3.自分が写っている写真が無断掲載されてモヤッ!
<解決策> 「写真を勝手に載せないで」と直接伝える
これは肖像権侵害に該当する。
「写真を投稿した人に"私の写った写真は載せないで"と意思を明確に伝えること。投稿する側も友人と一緒に写っている写真をアップする際は、掲載許可をとり、スタンプで顔を隠すなどの配慮を」(浮世さん)。
4.「いいね!」を求められてモヤッ!
<解決策> 手間でなければ送ってあげて!
「『いいね!』を送る行為には、“見たよ”という意味や共感、応援の意味など、人によってさまざまな捉え方があります。強制されるべきではありませんが、反応があれば誰だってうれしいもの。手間でなければ送ってもよいかも」(増田さん)
5.知らない人からの友達申請やフォローにモヤッ!
<解決策> 申請相手のプロフィールを確認しよう
「SNSは実際に会ったことがない人と交流できるのも魅力ですが、ロマンス詐欺などを目的に悪意をもって近づいてくる人もいます。まずはプロフィール欄で、定期的に投稿しているか、友達が何人いるか、自分と相手に共通の知り合いがいるかなどをチェックしましょう。知り合い以外は受け付けない、知らない相手でも同じ趣味の人ならOKなど、マイルールを作っておくと安心です」(浮世さん)
6.友達が裏垢で私の悪口を言っていてモヤッ!
<解決策> 深追いしない方が身のため
「相手にそれとなく“私の夫がこのアカウントを見つけたのだけれど、あなたじゃないよね?”などと聞いてみましょう。当然相手は"私じゃない"と返してくるでしょうから“そうだよね”と返して話を終わらせます。追及したところで否定されるだけですから深追いはしないこと。これくらいの牽制で裏垢とは“裏のアカウント”という意味で本来のメインアカウントとは別に設けているアカウントを指す。愚痴や悪口など、メインアカウントでは投稿できない内容を発信するケースが多い。 も充分な抑止力になります」(浮世さん)
・裏垢…“裏のアカウント”という意味で本来のメインアカウントとは別に設けているアカウントを指す。愚痴や悪口など、メインアカウントでは投稿できない内容を発信するケースが多い。
7. フォローを外されてモヤッどころかショック!
<解決策>
相手の都合なので気にしなくてよい フォローを外されると、自分に非があるように考えがちだが…。
「フォローを外すのは、興味がなくなった、もっと反応がほしかったなど、相手側に原因があることがほとんどなので、落ち込む必要はありません。あなたの投稿を楽しみに待っている人はほかにたくさんいます。去る者は追わず、新しい出会いを大切にしましょう」(Pocheさん)。
・フォロー… SNSで気になる投稿者をお気に入り登録するような機能。フォローすると、相手の投稿が自分の新着投稿に流れるようになる。興味がなくなるとフォローを外される。自分のファンが離れていくようなイメージ。
8.「いいね!」をしたら訴えられてモヤッどころかショック!
<解決策> 誹謗中傷やデマには“いいね!”をしない
「今年2月、SNSの中傷投稿に執拗に『いいね!』を押すのは、侮辱による不法行為に当たるとし、該当者に損害賠償が請求されました。誹謗中傷やデマに当たる投稿に『リポスト』や『いいね!』をすることは、犯罪に加担するのと同じ行為に当たります」(浮世さん)。
人の発言を支持しただけと気軽に考えていては犯罪者になるかも。
リポスト…「X」の機能で、他者のポスト(投稿)を再びポストすること。自分のフォロワー全員とすばやくポスト内容を共有できる。
イラスト/たばやん
※女性セブン2024年5月30日号
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