旨みギュッと!鶏肉の<発酵レシピ>「醤(ひしお)で漬け込むと深いコクが」
発酵食品は腸から元気になるパワーフード。発酵料理研究家である清水紫織さんは、発酵調味料に食材を漬け込むことで、食材が柔らかくなり、旨みも増すという。そこで、清水さんに、日本古来の万能発酵調味料「醤(ひしお)」や「塩麹」などの発酵調味料を活用した、鶏肉の発酵レシピを教えもらいました。
教えてくれた人
清水紫織さん/発酵料理研究家
発酵料理教室「神楽坂発酵美人堂」店主。アレルギー改善をきっかけに、腸内環境を整える発酵食品について学ぶ。著書に『発酵食のストックレシピ』(マイナビ出版)ほか。
食材を発酵調味料に漬け込んでおくだけ
保存性を高める目的だけでなく、「腸活」などの健康効果にも注目が集まっている「発酵食」。
「発酵調味料に漬け込むことで、麹などの酵素がたんぱく質を分解し、食材が柔らかくなり、消化吸収がよくなります。腸内環境が整って免疫力アップや美肌につながる効果も。旨みも増すので、塩分などの調味料も控えめにできますよ」(清水紫織さん)
いつもの料理の前に肉や魚介を漬け込んでおくだけ。手軽に発酵の恩恵を受け取ろう。
「醤」の作り方
日本古来の万能発酵調味料である「醤(ひしお)」。料理に深いコクと旨みを引き出してくれる。
材料
・ひしおの素(豆麹・麦麹各150gを混ぜたものでも可)…300g
・しょうゆ…1と1/2カップ
・水…1/4カップ
※「ひしおの素」は神楽坂発酵美人堂ほか、Amazon等で購入可能。
作り方
【1】清潔な容器に材料をすべて入れて混ぜ、蓋をして常温で7~10日間置いて発酵させる。ときどきかき混ぜる。
【2】麹が柔らかくなり甘い香りがしてくれば完成。完成後の醤は冷蔵庫で保存し、半年ほどで食べ切る。ご飯や冷奴にのせても。
鶏肉を漬け込んだ発酵食レシピ6選
※レシピで使用する醤(ひしお)は記載の半量のしょうゆでも代用可。
※塩麹・しょうゆ麹・甘酒(米麹・ノンアルコール)は自家製のものを使用しています。市販のものを使用する場合は、適宜味を調整してください。 漬け込み時間は好みで調整してください。
1. 新じゃがと鶏手羽中の煮込み
発酵調味料:<醤> <酢>
コクと酸味の良バランスでご飯もすすむ
【 材料 】
鶏手羽中…10本 醤(漬け込み用)…大さじ2 新じゃがいも…300g(小さめ4個) にんにく…2片 A(水…1カップ しょうゆ・黒酢…各1/4カップ 醤…大さじ1) 絹さや…2本
【 作り方 】
【1】鶏手羽中は水分を拭き取り、ポリ袋に入れ、醤を揉み込んで冷蔵庫でひと晩漬け置きする。
【2】新じゃがいもは皮をよく洗い、食べやすい大きさに切る。にんにくはスライスする。
【3】深鍋に【1】、【2】、Aを入れて中火にかける。
【4】煮立ったらアクを取り、蓋をして途中かき混ぜながら10分煮込む。
【5】じゃがいもに火が通ったら器に盛る。筋を取ってゆで、斜め半分に切った絹さやをのせる。
2. ささ身のピカタ
発酵調味料:<甘酒>
まろやかな甘みと驚きのふんわり感
【 材料 】
鶏ささ身…4本 甘酒(漬け置き用)…大さじ4 塩・こしょう…各少量 小麦粉…大さじ2 卵…1個 粉チーズ…大さじ1と1/2 バター…10g ケール・ケチャップ…各適量
【 作り方 】
【1】ささ身は筋を取り、全体に塩・こしょうを振る。両面に甘酒を塗り、ラップをかけて冷蔵庫でひと晩漬け置きする。
【2】ささ身の甘酒を軽く拭って両面に小麦粉をまぶし、卵、粉チーズを混ぜた衣をからめる。
【3】フライパンにバターを溶かし、中火で②を両面焼く。
【4】器に盛りつけ、ケールとケチャップを添える。
★Point
鶏ささ身や鶏胸肉など、調理で硬くなりやすい肉も、発酵調味料に漬け込めば、柔らかく仕上がる。
3. 鶏もも肉と卵の柚子こしょうスープ
発酵調味料:<塩麴>
塩麹ごと味わうシンプルな腸活スープ
【 材料 】
鶏もも肉…1/2枚 卵…1個 水…2カップ 塩麹…大さじ1と1/2 柚子こしょう…適量
【 作り方 】
【1】鶏もも肉は水分を拭き取り、ひと口大に切る。
【2】鍋に水、塩麹を入れて中火にかけ、沸々としてきたら鶏もも肉を入れる。
【3】【2】に火が通ったら溶いた卵をまわし入れ、柚子こしょうを加えて軽く混ぜる。
4. 発酵カオマンガイ
発酵調味料:<玉ねぎ醤><甘酒><酢><ナンプラー>
玉ねぎ醤の旨みがご飯にもしみ込む
【 材料 】
鶏胸肉…1枚(約300g) 玉ねぎ醤(漬け置き用)…大さじ3 米…2合 しょうが…1片 ねぎ(青い部分)…適量 水…適量 酒…大さじ1 パクチー・きゅうり…各適量 A(白ねぎ1/3本 しょうが・にんにく…各1片) B(オイスターソース・ごま油…各大さじ1 米酢・ナンプラー…各小さじ2 甘酒…小さじ1)
【 作り方 】
【1】鶏胸肉は皮を除き、玉ねぎ醤を揉み込んで冷蔵庫でひと晩漬け置きする。
【2】Aはすべてみじん切りにし、Bと混ぜ合わせてたれを作る。しょうがは5枚にスライスする。
【3】炊飯器に研いだ米を入れ、酒を加えて2合の目盛りまで水を注ぐ。スライスしたしょうが3枚、ねぎ、【1】をのせ、その上にしょうが2枚をのせて炊飯する。
【4】米が炊けたら、鶏胸肉、しょうが、ねぎを取り出しご飯を混ぜる。
【5】鶏胸肉を1cmの厚さにそぎ切りにして皿に盛りつけ、たれをかける。ご飯を盛りつけ、パクチー、きゅうりを添える。
玉ねぎ醤の作り方
【1】清潔な容器にすりおろした玉ねぎ200g(約1個分)、醤(69ページ参照)65g、塩20gを入れて混ぜる。蓋をして常温で5~7日間置く。1日1回はかき混ぜる。
【2】麹が柔らかくなりコンソメのような香りがしてきたら、ブレンダーなどで滑らかにする。冷蔵庫で保存する。
5. 発酵タンドリーチキン
発酵調味料:<塩麴><ヨーグルト>
パサつきをなくしスパイスでさらに満足感
【 材料 】
鶏胸肉…1枚(約300g) にんにく・しょうが…各1片 A(無糖プレーンヨーグルト…50g カレー粉…小さじ1と1/2 塩麹…小さじ2 ケチャップ…小さじ1 しょうゆ…小さじ1/3 レモン汁…少量) イタリアンパセリ…適量あ
【 作り方 】
【1】鶏胸肉は皮を除き、ひと口大に切る。にんにく、しょうがはすりおろす。
【2】ポリ袋に【1】とAを入れてよく揉み込み、冷蔵庫でひと晩漬け置きする。
【3】オーブンを170℃に予熱し、天板に【2】を並べ、15分焼く(フライパンで両面焼いてもよい)。
【4】器に盛り、イタリアンパセリを添える。
撮影/yoshimi
※女性セブン2024年4月25日号
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