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なかやまきんに君と学ぶ認知症治療の最前線「予防は40代から!」<イベントレポート>

 日本人の5人に1人が65才以上となる2025年、超高齢社会にどう立ち向かうのか――。ネット保険大手が主催する“認知症のリアルに向き合う“をテーマにしたイベントが開催され、お笑いタレントのなかやまきんに君がゲストとして登壇した。イベントの模様と認知症予防にまつわるトピックスをレポートする。

なかやまきんに君、認知症について学ぶ

「今日は認知症について勉強させていただきます!」と、ステージ上で軽快に語るのは「パワー!」のフレーズでお馴染みの筋肉芸人、なかやまきんに君さん(以下、きんに君)。

  ライフネット生命が開催したイベント『認知症とともに⽣きる2024』にゲストとして登壇したきんに君が“まじめに学ぶ”様子に会場はざわついていた。

  きんに君とともにステージに登壇したのは、認知症治療の最前線で活動する医師の岩田淳さんだ。

岩田さん「認知症はある日突然なるものではなく、認知症の前段階、MCIと呼ばれる軽度認知障害の段階を経て、じわじわと進行していきます。認知症は、脳に蓄積するアミロイドβが原因といわれていますが、何才くらいから始まっていると思いますか?」

きんに君「認知症は60才以上の人がなる病気というイメージ。60才くらいからですかね…」

岩田さん「実は40才くらいから脳の中で変化が起こっているといわれているんです。認知症は、MCIの段階なら、進行をゆっくりにする薬は使えますが、認知症が進行してしまうとそういった薬は使えません。残念ながら、認知症そのものを治す医療技術はまだなく、治せるものはごくわずかです。しかし、MCIの段階なら、進行を食い止めることが少しずつできるようになってきています」

きんに君「ぼくは今45才。僕自身もそうですし、周りにも40代が多いので、もしかしたら僕たちも可能性があるんですね」。

きんに君が認知症予防にまつわるクイズに挑戦

 真剣な表情で岩田さんの話に耳を傾けるきんに君、続けて認知症にまつわるクイズに挑戦した。

Q:認知症の予防に適した食材は?

A.赤身のお肉

B.白身のお魚

  きんに君は、日頃から筋肉を鍛えるために栄養について学ぶことも多く、お肉も大事だが、良質な脂肪酸を含む魚をよく食べているということで、「B.白身のお魚」を選択し、大正解。

  1問目から正解を繰り出し、岩田さんも称賛。「僕、お笑い以外では褒められることが多いんです」(笑い)と、誇らしげなきんに君。続いて2問目に挑戦。

Q:認知症の予防として毎日やるといいのは?

A.毎日必ず「パワー!」と叫ぶ

B.30分の運動

  わかりやすいフリに、ここで決め台詞「パワー!」が出るのかと、カメラを構える記者たちに、きんに君は、絶妙な間を取って回答。

きんに君「ありがとうございます。これはもう…『B.30分の運動』です! 目先の笑いには手を出さず、まじめに答えさせていただきました」

岩田さん「毎日パワーと叫ぶことが間違いというデータはありませんが(笑い)、正解はB。軽い有酸素運動は認知症のリスクを下げるのに有効とされています。1日9000歩くらいのウオーキングがおすすめです。認知症は80代になると4人に1人くらいがなると言われていますが、予防は40代から取り組んでほしいですね」

  イベント終盤では、認知症予防の運動として“世界一簡単なスクワット”を提案するきんに君。

「腰をしっかり落とすスクワットではなく、膝を少し曲げる浅めのスクワットでも足の大きな筋肉に効くと思います。毎日10~20回やってみてほしいですね」(きんに君)

認知症予防は早めの備えが大切

 ライフネット生命による試算では、軽度認知障害(MCI)の治療にかかる費用の目安は、定期的に認知症機能検査や、画像検査を受診した場合、年間の自己負担額は約14,400円、外来で投薬治療を行った場合の自己負担限度額は年間で約144,000円だった。

 ライフネット生命と認知症薬を手がける製薬会社エーザイと共同で開発した認知症保険『be』は、認知症だけでなく、軽度認知障害(MCI)の早期発見・早期治療をサポートするもの。MCIと診断された場合に、一時金を受け取れるタイプの保険になっている。

 保険に関しては、「お笑いをやっている以上、スベってしまうことがある。ぜひスベり保険を作ってほしい。そうすればスベりながら安心して仕事ができます」と提案し、会場を沸かせたきんに君。

 ライフネット生命が実施した「認知症に関する調査」(※)によると、認知症介護未経験者の7割は、MCIについて「知らない」と回答。9割の人が「MCIの段階で治療すれば回復する可能性がある」ということを「知らない」と答えている。

 きんに君も学んだ「認知症の予防は早めが大切」。食事や運動などの生活習慣に加え、検査や薬代など治療費の備えについても早めに考えておきたい。

(※)ライフネット生命保険「認知症に関する調査」
https://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/202404-12-news.pdf

取材・文/吉田麻衣子

●「親が認知症かも?」病院を受診するための声かけ方法や対策を専門家が解説「認知症初期集中支援チームを活用する手も」

●認知症リスクを高める<アカン食生活>14選「脳にいい理想的な食事のバランスや食べ方」を3人の専門医が提言

●終わりの見えない介護を長く続けるために…。要介護4、認知症の母を遠距離介護する息子が明かす本音「あと10年続く覚悟。目の前のことを淡々と続けたい」

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