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健康

認知症リスクを高める<アカン食生活>14選「脳にいい理想的な食事のバランスや食べ方」を3人の専門医が提言

 脳の病気などによって認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす「認知症」。WHO(世界保健機関)によると、認知症に罹(かか)っている人は世界で5500万人、毎年1000万人近くの人が新たに認知症を発症するという報告もある。認知症を防ぐためには、生活習慣の見直しのほか、栄養バランスを考えた食事が重要となる。やってはいけない<アカン食生活>の事例から、認知症を防ぐ食べ方を専門医が指南!

教えてくれた人

広川慶裕さん/精神科医。認知症診療医/予防医。認知症予防専門ひろかわクリニック院長、品川駅前MCI相談室院長。認知症やうつ病、統合失調症などの精神疾患治療に携わる。著書に『脳のスペックを最大化する食事』(ハーバーコリンズ・ジャパン)など。

岩瀬利郎さん/精神科医。認知症サポート医。東京国際大学医療健康学部准教授、日本医療科学大学兼任教授。睡眠専門医、臨床心理士、公認心理師でもある。著書に『認知症になる48の悪い習慣 ぼけずに楽しく長生きする方法』(ワニブックス)など。

中山明峰さん/睡眠専門医。医学博士。めいほう睡眠めまいクリニック院長。“Good Sleep, Good Life! 良い睡眠は良き人生に導く”を信念に、患者に寄り添った診断・治療を行う。著書に『60歳からの認知症にならない眠り方』(現代書林)など。

→生活習慣編:認知症を引き起こす<アカン習慣13選>「日常生活の改善で発症リスクは約4割も下げられる」【医師解説】

認知症予防が期待できる理想的な栄養バランスとは?

「簡単な計算に戸惑ったり、名前がパッと出てこなかったり…それは脳に栄養が足りていないサインかも」

 とは、精神科医の広川慶裕さんだ。脳が栄養不足になると、注意力や集中力が落ちてしまうという

「原因が加齢の場合もありますが、“年だから”で片づけてはいけません。“脳に栄養が届いていない可能性がある”と自覚し、食事内容を見直しましょう」(広川さん・以下同)

 脳の機能を高め、認知症予防が期待できる理想的な栄養バランスは、たんぱく質4:脂質4:糖質(炭水化物)2だという。

「たんぱく質5:脂質4:糖質1でもいいでしょう。それくらい糖質は減らした方がいいんです」

 糖質を減らした分は、たんぱく質と脂質で補うのがポイントだという。

糖質の摂りすぎは脳の老化を早める

 なぜ、糖質を減らした方がよいのだろうか?

人間が1日に消費する糖質は約180g。ところが、日本人は1日平均約300gの糖質を摂取しています。余った糖質は中性脂肪に変わり体脂肪として蓄えられます。つまり、何も対策をしないと、1日120gの糖質が中性脂肪に変わり、これが肥満を招くのです」

 それだけでなく慢性的に糖質を摂り続けると、血糖値の上昇を抑えるインスリンの作用が鈍くなるインスリン抵抗性という状態になる。すると細胞に栄養が届きにくくなり、脳の老化を進めてしまうというわけだ。

 さらに、インスリン分解酵素にはアルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβを分解し、蓄積させない働きがあるのだが、インスリンの作用が鈍くなると、それが正常に働かなくなるため、脳にアミロイドβがたまりやすくなってしまう。結果、アルツハイマー型認知症の発症を促進させてしまうのだ。

「最近は、アルツハイマー型認知症は“3型糖尿病”や“第3の糖尿病”ともいわれています。糖の摂りすぎには要注意です」

 砂糖をオリゴ糖に変えるなど、まずはできることからはじめてみよう。下記の内容も参考にしてほしい。

認知症を引き起こす“アカン食生活”NG事例14選

【1】ご飯やパンから食べる

副菜から食べるが正解

「ご飯やパンといった炭水化物より先に、副菜である食物繊維やたんぱく質から食べるのがおすすめです。そうすると、糖質が体に吸収されるスピードが遅くなり、血糖値の上昇を緩やかにできるからです」(広川さん)

【2】毎食しっかり白米を食べる

糖質量は1日60~120gが理想

「人間が1日に必要なブトウ糖の量は180g。肝臓で1日約150g分の糖質が作られるので、食事からは30gを補えばいいということになります。糖質30gをご飯に換算すると、子供用茶碗の半分ぐらい。本来、人間が必要な糖質の量はこの程度なんです。いまの自分の食事を思い浮かべてみて、ものすごく多くの糖質を摂っていることに気づいた人も多いのではないでしょうか?

 とはいえ、いきなり1日30gは厳しいので、私は1日60~120gを推奨しています。60gは子供用茶碗1杯程度。120gなら2杯です。白米じゃなく、玄米に置き換えてみるのもおすすめです」(広川さん)

 食品や調味料を買う際、それに含まれる糖質量を確認することも大切だ。

<1日の理想的な食事例>

<朝>

<昼>

<夜>

【3】ファストフードをよく活用

月に1回程度に控えて

ファストフードには、認知症リスクを高める脂質である飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、添加糖などの成分が多く含まれています。塩分量も多いため、認知症予防に限らず、なるべく控えた方がよいでしょう」(精神科医の岩瀬利郎さん)

【4】野菜が苦手であまり食べない

せめてアスパラガス、ブロッコリーを

「炭水化物の食べる量を減らすと、食物繊維の摂取量も減るので、その影響で便秘や下痢になりやすくなるケースも。腸内環境を整える意味でも、アスパラガス、ブロッコリーなどの食物繊維が豊富な野菜は積極的に食べて」(広川さん)

【5】お残しは失礼!ラーメンはスープまで飲む

塩分の摂りすぎは高血圧の原因

塩分の摂りすぎは高血圧の原因に。これが動脈硬化を招き、その後遺症として認知症を発症することも」(岩瀬さん)。麺や具も糖質・脂質過多。せめてスープはあきらめて!

【6】野菜中心の食生活を心がけている

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