76才の絵画系YouTuber柴崎春通さん「日本のボブ・ロスだ!」と米国で話題に「絵を描くと力が湧いてくる」
息抜き、勉強、情報収集などさまざまな目的にYouTubeといったSNSを活用する人が増える中、動画投稿をきっかけに人気者となり人生が大きく変わった人もいる。自らの得意分野を生かして情報を発信している人気「シニアインフルエンサー」から新しい生き方のヒントを探ってみよう!
教えてくれた人
柴崎春通さん(76才)/YouTube「Watercolor by Shibasaki」。総フォロワー数約350万人。
1947年生まれ。水彩画家でTikTokerでもある。オンラインサロン「ShibARTS」を主催する。著書に『透明水彩 風景画を描こう』(グラフィック社)がある。
絵画系YouTuber柴崎春通さん 総フォロワー数は350万の理由
優しい語り口と笑顔が素敵なことから「おじいちゃん先生」と親しまれている絵画系YouTuberの柴崎春通さん(76才)。X、TikTok、インスタグラムなどを合わせると総フォロワー数は350万人を超える。
真っ白なキャンバスに、クレヨンや色えんぴつで色を重ね、1つの作品を仕上げる。動画では色の塗り方や重ね方を丁寧に説明しながら描いていくため海外でも多くの支持を集め、英語の字幕もつけているほどだ。
柴崎さんの本業は水彩画を専門とする画家で、50年以上、絵画スクールでインストラクターを務めてきた。
「そこがアメリカ系の学校で、教え方もアメリカ式だったんです。向こうは合理的で、一つひとつやり方を丁寧に教えていくスタイルです。
どうやったら初心者のかたにもわかりやすいか、どうしたら楽しんでもらえるかと試行錯誤しながら、私も学んできたんです」(柴崎さん・以下同)
こんな苦労が功を奏し、YouTubeがまず注目されたのはアメリカだった。
「日本のボブロスだ!」アメリカで話題に
「どの作品で火が付いたかなんてわかりませんが、いつだったか、水彩画の樹木の描き方をレクチャーする動画をアップしたら、英語のコメントが増えました。
理由は後でわかったのですが、40年近く前にアメリカのテレビで、画家のボブ・ロスさんが油絵の画法をレクチャーする人気番組があったそうなのですが、私の動画を見て、『日本版ボブ・ロスだ!』とアメリカで話題になったようです。そこから一気にフォロワーが増えました」
柴崎さん「絵に対するハードルを下げたい」
柴崎さんが扱う題材は、風景や動物、静物画のほか、『天気の子』など話題のアニメ映画までと幅広い。
「好きなものを描いているので、特にテーマを意識しているわけではありませんが、見ている人に絵に対する興味を持ってもらいたいと思っています」
それはどういうことなのか?
「YouTubeを始めてわかったことなんですが、絵を途中で描かなくなったり、嫌いになった人は、結構な割合で小中学校の先生から厳しい指導や評価を受けた経験を持っています。でも、それで描かなくなるのはもったいないこと。少しでも、絵を描く楽しさを再認識してもらい、描きたいと思ったらすぐに描けるような工夫として、私はえんぴつやクレヨンなど、どこの家庭にもあるような文具を使った描き方を配信しています」
柴崎さんに取って絵を描く意味は、と尋ねると…
「私にとって絵を描くことは最大の健康維持法です。ずっと好きでやっていることですから苦になりません。76才ですから、疲れることもありますが、絵を描いていることでストレスもたまらず、力が湧いてくる。それが健康につながっているのかもしれませんね」
「柴崎春通さん」に聞いた一問一答!
【Q1】家族構成は?
妻、息子、息子の連れ合い、猫3匹。「一緒に暮らしているのは妻と猫です」(柴崎さん・以下同)。
【Q2】健康に気をつけていることは?
「特に…。でも、お酒を飲みませんから、もしかしたらそれがいいのかもしれません」
【Q3】好きな食べ物は?
「甘党ですので、昔からおしるこが好きです」
【Q4】絵を描く以外で得意なことは?
「魚が好きなので、魚料理を作ることです。スーパーなどの海鮮コーナーが好きでよく行きます」
【Q5】息抜きでよくすることは?
「猫の世話をすること。あとは庭の手入れをして体を動かします」
取材・文/廉屋友美乃
※女性セブン2024年2月15日号
https://josei7.com/
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