ミルクプロテインが高齢者の筋肉量の維持・増大を助ける
「ミルクプロテイン(乳たんぱく質)」の有用性の研究を推進している「明治」は、この物質が微量栄養素と組み合わせると、高齢者の筋肉量の維持・向上に効果的であることをつきとめた。東京都健康長寿医療センター研究所との共同研究によるもので、2016年6月8日(水)~10日(金)に金沢市で開催された「第58回日本老年医学会学術集会」にて発表した。
試験の内容は、65~80歳の自立した高齢者82人を運動+栄養群41人と、運動だけを行う群41人にランダムに分け、両群に3か月間のレジスタンス運動(筋肉に負荷をかける運動)を中心とした運動プログラムを提供。運動+栄養群には、さらに乳たんぱく質10.5gを含む乳飲料(200ml)と亜鉛、ビタミンB12、葉酸、ビタミンDなどを含む微量栄養素飲料(125ml)を、毎日各1本ずつ摂取してもらった。
試験後に下肢の筋肉量を比較したところ、運動だけの群ではほぼ変化しなかったのに対し、運動+栄養群では増加が見られた。また、四肢と全身の筋肉量は運動だけでは減少傾向であったのに対し、運動+栄養群では維持されることが明らかになった。
同研究グループでは、今回の結果は日常生活で無理なく摂取できる用量の「ミルクプロテイン(乳たんぱく質)」と「微量栄養素」を組み合わせることで、高齢者の健康寿命増進に寄与できる可能性が示されたとしている。