最新の脳科学でわかった「男の人が見ている世界」夫の不可解な行動を理解する5つのヒント
夫の言動に困惑している妻は、多い。いわく「あの人のことが理解できない」と。それもそのはず、男女で見えている世界や物事の捉え方がまったく違うんです。最新の脳科学や心理学でわかった「男性が見ている世界」を知れば、もう悩まされなくて済みます。
男女で脳は変わらない「使い方」が違った!
1982年、科学雑誌『サイエンス』に「左右の脳をつなぐ脳梁(のうりょう)の太さは、男性より女性の方が太い」という内容が発表された。
脳梁が太いと左右の脳の連携がスムーズになるため、女性はおしゃべりが得意で洞察力に優れていると信じられてきた。夫婦間や友人と、そうした会話をしてきた人も多いのではないだろうか。
しかし近年、この見解を否定する研究結果が複数出ており、脳梁の太さに性差はないという見方が広がっていると、脳科学者の西剛志さんは言う。
「冒頭で発表された実験は男性9人、女性5人という限られた人数で行われたものでした。その後、被験者数を増やして調べたところ、脳梁の太さには性差ではなく、個人差があるということが判明。ですから、脳科学的には現状、男女の脳の形態や構造に差はみられないと考えられています」(西さん・以下同)
ただし、男女では事象に対する脳の使い方や反応する脳の場所が違うという。
「たとえば、男性より女性の方が色を細かく識別する能力に優れており、記憶力も高い。そのため、同じ事象を前にしても、男女で見ている世界が異なってしまうのです」
妻とは見えている世界が違うため、夫の行動や考え方に対し「何で?」という感情が湧いてしまうというわけだ。
「ですから夫が見ている世界を知れば、妻のストレスも減るはずです」
具体的な捉え方の違いを具体例を挙げて詳述する。
妊娠6週頃までは男女に差はナシ
では、そもそも男女の違いはいつ発生するものなのか?
「身体的にみると、妊娠6週目頃までは男女に差はありません」
とは、産婦人科医の池川明さんだ。
「男女の形が分かれるのは、妊娠8~11週頃です。この頃、遺伝的にY染色体を持った胎児の精巣から男性ホルモンのテストステロンが分泌され、これを全身に浴びると、男性器が発達して身体的に男性になります。このとき、体だけでなく脳も影響を受け、男性脳の特徴を持つと考えられています」(池川さん)
ただし、妊娠中に母体が過度なストレスを受けると、性差を分ける男性ホルモンの出が悪くなり、体は男性だが脳(心)は女性の特徴に近くなるという研究結果もある。男女の肉体的・精神的な差は、もとを辿ればほんの少しの“誤差”で生じるのだ。
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