伍代夏子さん(60才)が選んだ“モノを捨てない生き方”「きっかけは夫・杉良太郎の一言」
歌手の伍代夏子(60才)さんは、現在、モノを「捨てない境地」に到達したという。2010年に「断捨離」という言葉が新語・流行語大賞にノミネートされ、モノを持たない生き方が注目されるようになったが、盲信しすぎては本当に大切なモノを失ってしまう。モノであふれる部屋に住んでいるという伍代さんが、「捨てない」生き方を選んだ理由を教えてくれた。
夫・杉良太郎の一言でモノを手放したのち「捨てない境地」へ
歌手の伍代夏子(60才)は豪快な断捨離を経て「捨てない境地」に到達した。
モノを手放したきっかけは「この家はモノが多すぎる」と言う夫・杉良太郎(78才)の一言からだったという。
「“だったらとことん整理してやる!”と、キッチン用品を中心に食器や調理道具、食器棚などを1日でトラック2台分も捨てました(苦笑)。
それでわかったのは、私はモノが捨てられない人間だったということ。夫婦ふたり暮らしでも、いろんな食器から選ぶことが楽しいし、便利グッズなんかの調理道具も大好きで、結局ほとんど買い直しました。それ以来、モノを捨てなきゃというこだわりを捨てることにしました」(伍代・以下同)
現在は、彼女が「お城」と呼ぶ都内の実家や自宅の自室はモノであふれる。
「30年ほど前にふらっと立ち寄った大分の由布院で買ったカッパの置物や、ハワイでスタッフに“いい加減にしてよ、こんな重いモノ”と怒られながらたくさん買って帰った貝殻細工の宝石箱など、人が見たら“なにこのガラクタ”と思われるモノばかり(笑い)。学生時代に熱中した麻雀の牌や、愛犬の抜けた歯も捨てられません」
思い出の品々は気持ちを呼び起こすと伍代が続ける。
「いまでも麻雀の牌を見ると友人の顔を思い出すし、愛犬の歯を見ると甘噛みされた記憶がよみがえります。楽しいことだけでなく、悲しい思い出もあるけれど、そのときの気持ちを呼び起こすと、“自分は大丈夫だな”と思うことができる。そうした記憶は、長年の友達とお酒を飲みながら昔話に興じることに似ています。当時の自分がどう感じていたかを思い出せるから、やっぱりモノは取っておきたいです」
誰にでも記憶を呼び覚ます思い出の品があるはずだ。それらは大事にしていても時間とともに古くなり、時には壊れてしまう。それでも思い出の品を捨てるのではなく、持ち続ける方法が世の中にはたくさんある。
捨てられない「新人時代の青いドレス」
「いちばん捨てられないモノは衣装です」と、伍代は語る。
「特に売れない頃に着ていた衣装は思い入れが強い。
新曲用に事務所の社長から“これで1着作りなさい”とお金を渡されてあつらえた青いドレスや叔母さんの形見の着物、紅白歌合戦に初めて出場したときに八代亜紀さんからいただいた着物は今後も絶対に手放せません」(伍代)
誰にでもかけがえのない思いでの品がある。そのモノが語る「物語」に耳を傾け、過ぎ去った日に思いをはせる時間も人間には必要かもしれない。
文/池田道大 取材/進藤大郎、伏見友里、村上力 撮影/関谷知幸、平野哲郎
※女性セブン2022年10月20日号
https://josei7.com/
●断捨離しすぎは認知症リスクがあがる!? 何をどう残すべきか脳科学者が解説