実家の片づけ、挫折しない黄金ルール7「3秒迷ったら保留袋へ」「残すのは両手が届く範囲まで」
介護世代の大きな悩みに、実家整理がある。親子ともども元気で時間があるうちに…とわかってはいても、手を付けられないまま時間だけが経過している人も多いのでは。そこで、挫折しない、実家片づけの黄金ルール7つを、実家片づけアドバイザー(R)の渡部亜矢さんが教えてくれました。片づけの成否を分けるのは仕分け。不用品の山を時間をかけずにサクサク片づけるためのコツを伝授します!
捨てる判断が難しい、グレーゾーンは一時保管に
「明らかにいるもの、いらないものは、一瞬で判断できる。問題はグレーゾーンです」と渡部さん。
親世代は捨てることに罪悪感があり、まだきれい、使うかも、高かった、など捨てない理由を探しがち。
「迷う場合は、強引に捨てようとせず、一時保管場所に置き、『捨てずに置いておくからね』と言えば親も安心します。この作業をするだけでも、将来の遺品整理がしやすくなります」(渡部さん)。
【ルール1】これは捨ててよし!迷わず捨てる5原則
【1】数年使っていない
【2】壊れている
【3】使いかけで放置している
【4】期限切れ(変色・変質・腐っているetc.)
【5】趣味に合わない
これらは迷わず処分を。いただきものは(気持ちを)受け取った時点で役目は終了しているので、趣味に合わなければ捨ててよし。
【ルール2】食器は家族+1人分あれば十分
めったに来ない来客用の食器、座布団、布団は思い切って処分する。5人用土鍋もおそらく使わない。盆正月に親戚が集まっても高齢の親が料理をするより外食するほうが現実的。布団は必要なときだけレンタルするという手も。
【ルール3】3秒迷ったらいったん保留のゴミ袋へ
捨てるか迷うものは無理に捨てず、袋に入れて「一時保管場所」へ。目に見えないとその存在を忘れていくもの。このときあえてゴミ袋に入れて保管すると、なぜか不用品に見えてきて、後々手放しやすくなる。
【ルール4】コロナ禍の2年間で使わなかったものは不要とみなす
最後に使ったのはいつか、案外覚えていないもの。コロナ禍の2年を目安に、その間一度も使っていなければこの先も使わない可能性が高い。決心がつかなければルール3へ。
【ルール5】残すのは両手が届く範囲まで
システムキッチンの上の棚の中など、両手が届かない高い場所のものなどは何年も使っていない可能性が高い。中を確認して不要なものは捨て、いるものは手の届くところへ移動。
【ルール6】収納グッズは買わない
新しい収納グッズにものを入れて片づけると、どこに何があるかわからなくなり高齢の親は混乱する。まずは不用品を減らし、収納グッズがなくても片づくようにしよう。
【ルール7】押し入れの中は手をつけない
押し入れを片づけ始めると、収拾がつかなくなったり思い出にひたったり、挫折のもと。中がどんなにごちゃごちゃでも、「扉を閉めれば見えないのでよし!」として、大きな保留スペースと考えよう。
教えてくれた人
実家片づけアドバイザー(R) 渡部亜矢さん
講座など多数開催。著書に『片づけの基本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
撮影/戸井田夏子 イラスト/サトウヨーコ 取材・文/石井栄子
※女性セブン2022年1月6・13日号
https://josei7.com/
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