韓国料理研究家が通う東京・新大久保の名店「チュムルロク、サムギョプサル」ほか推しはココ!
ドラマ、BTSと韓国ブームが沸騰中のいま、早く渡韓したくてウズウズしている人も多いはず。 国内にいながら「韓国に行った気分」になれる、本場の味だけを厳選。美食のツアーに出発しましょう!韓国料理研究家が通う本場の店を紹介します!
※価格は9月28日時点のものです。文章内の(金)は韓国料理研究家・金ヨン貞(キムヨンジョン)さん、(本)は韓国料理研究家・本田朋美さん。
新大久保は日本最大の韓国料理激戦区
新大久保は、主に80年代以降に来日した韓国の人々が作ったといわれる街。「第4次韓流ブーム」の現在は幅広い世代で賑わう、日本最大の韓国料理激戦区でもある。トレンドグルメの印象が強いが、実は韓国の人たちが通う本格的な店も多い。
「渡韓しなくても韓国が身近に感じられるのがうれしい。初めての料理は店がすすめる本場スタイルで食べるのが正解です」(本)。
「私たち料理研究家も通います。価格が良心的なのも魅力」(金)。
早速、プロも通う韓国料理店とその料理をご紹介。
チュムルロクならココ!『テンチョ 韓国料理』
『チュムルロク』(4235円)を食べられるのは、新大久保ではテンチョだけ。豚肉の量は約1kgと大ボリューム!
チュムルは揉む、ロクは力の意味。本来は豚の首や肩からこそげ落とした生の肉を野菜と一緒にたれで揉み込み、炒めた済州島の料理だ。現在は韓国でもこの部分の生肉が手に入りづらくなり、なかなか食べられない貴重な料理になっているそう。
肉とたれの旨みがしっかり味わえる。にんにくやごま油の風味も食欲をそそる。「韓国の市場で食べた味そのものです」(金)
「肉質がよく、脂のない肉を厳選し、納得のいく品質でないと仕入れません。いま豚肉は高騰していますが、高くても味が優先。新鮮な状態で肉を味わってほしいので、その日仕入れた国産豚肉のみを提供しています」(郭鎭泳・カクジンヨンさん)
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-31-3
冷麺ならココ!『コサム冷麺専門店 日本本店』
長時間煮込んだ牛骨スープを冷え冷えのシャーベット状に。『水冷麺セット つくば美豚炭火焼き肉付き』(1380円)。
自家製が売りの韓国冷麺専門店。透明な極細麺はさつまいものデンプン100%でコシが強く、のど越し満点。「冷麺は韓国でも焼き肉のシメの定番でしたが、セットにして出した冷麺店が大ヒットし、一緒に食べるスタイルが人気に」(金)
冷たい麺と温かい肉が好相性。トッピングは水キムチ。野菜と果物のたれに漬け込んだ、炭火焼きの肉が香ばしい。
「水冷麺はハムンや平壌などの寒い地域が発祥とされる、伝統的な料理です。うちは麺もスープもすべて手作り。冷たいスープをかけた麺は固まるのが早いので、すぐに切ってほぐしながら食べてください」(韓智愛・ハンチエさん)
住所:東京都新宿区百人町1-1-26 第三サタケビル1階
サムギョプサルならココ!『テーハンミング』
韓国語でセリを意味する“ミナリ”とボリューム満点の肉。写真は2人前。『ミナリサムギョプサル』(3360円)。
解毒作用があり、肝臓や肌によいとされるセリは、韓国ではいまや一年を通して食べられる定番食材。そのセリとサムギョプサルを組み合わせたのがこの一品。「肉の脂っぽさがセリで緩和され、さっぱりと食べられます」(本)
日本でのセリの旬は春先だが、年中確保するため、生産地から直接仕入れる。定番のサムギョプサルがヘルシーに食べられると女性に人気。
「店の屋上でにら、えごま、サンチュなどをオーガニック栽培して提供しています。セリは生でも食べられるので、火の通りはお好みで。にんにくや特製みそと一緒に野菜で巻いて召し上がれ」(朴賢子・パクヒョンチャさん)
住所:東京都新宿区大久保1-12-27 SCビル1階
フライドチキンならココ!『辛ちゃん 本店』
どちらもハーフサイズで『ヤンニョムフライドチキン』(1188円)と『フライドチキン』(968円)。角切り大根などのお通しがセットになる(15時以降、165円)。
下処理した鶏肉を、独自開発した8種類の香辛料入り塩水に1~3℃の低温で24時間漬け、熟成させるのがおいしさの秘訣。くさみが消え、味も数段よくなる。「チキンは食べまくりましたが、辛ちゃんが一番!」(金)
カリカリチキンに『ヤンニョムソース』(110円)をつけて味変するのも◎。クセがないヤンニョムの配合は、社長だけが知る秘伝の味。
「くさみの出る脂部分を取り除くなど、肉の下処理は徹底します。水で溶いた粘度のある衣をつけてから自家製パウダーをまぶして揚げることで、中はジューシーで外側はパリパリに仕上げています」(金大喆・キムデチョルさん)
住所:東京都新宿区百人町1-2-9 オオサワⅡ1階
海鮮ならココ!『海雲台 歌舞伎町店』
刺身の盛り合わせ、あわび粥、サラダ、チヂミ、メウンタン(鍋)がセットになった『南浦洞セット』(5500円)。
辛さ控えめでさっぱりとした味が特徴の釜山料理の店。客のお目当ては丸ごと一匹を捌いた新鮮な刺身と、その魚のアラでだしを取ったほどよい辛さの鍋。「歯ごたえある刺身と、魚のだしが染み出た鍋は絶品。コスパも抜群!」(金)
刺身は真鯛と平目、エンガワの3種盛り。酢コチュジャンなどのたれをつけ、えごまやレタスで巻いて食べる。刺身のみずみずしさと弾力が感じられる。
「注文後に店の生け簀から魚を取り出し、丸々一匹を捌いて刺身にします。鍋は40分ほど煮込んでいるので、魚のだしがたっぷり。種類は季節によって変わりますが、いまは平目と真鯛、冬はぶりがおいしいですよ」(劉相旭・リュウサンウクさん)
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-20-10
韓国スーパーならココ!『Yesmart 東京都新宿店』
直輸入で仕入れるため、本国のスーパーとほとんど時差なく人気の商品が並ぶ。各ジャンルとも品揃え豊富だが、特にファンが多いのが海藻や韓国のり。業務用の商品も多く、大容量の食材や調味料が安く手に入るのもうれしい。
「家庭で韓国料理を作る際に欠かせない冷凍食品や魚類を直輸入しているのは、近隣でも当店だけ。ほかにもチヂミやキンパなど店内で手作りする総菜からお茶、調理用品まで、韓国料理に関するものならなんでも揃いますよ」(南さん)
韓国では欠かせない白身魚のイシモチや、ダイエット食として知られる海藻のメセンイなど、直輸入の海産物は新鮮で質がよいと評判。
さっぱりした梨味に、薬膳や漢方にも使われるトラジ(キキョウ)を加えたジュース。『ウンジン 無添加梨味』(160円)。
★南さんオススメ! 激売れ商品
現地で日本人に人気の『オリオン コブックチップチョコチュロス味』(153円)と、流行のクロッフル風スナック『クラウン クロプル』(292円)
韓国で話題の新商品がいち早く並ぶ。大人も子供も大好きな国民的ジュースや、Yesmart限定で仕入れているスパークリングジュースはマストバイ!
★金さんオススメ!
韓国の莞島(ワンド)で採れた天然の生昆布を使用。解凍して洗ってから、のりのように使う。『冷凍 昆布(韓国産)300g サムタシマ サム』(294円)。
「この昆布にぬるめのご飯をのせ、万能だれの酢コチュジャンやサムジャンという韓国みそだれと巻いて食べます。栄養豊富で疲労回復にもいいですよ」
のど越しのよいハムフン冷麺の冷凍タイプが手に入るのはYesmartだけ。スープと一緒に購入するのが◎。『ハムフン冷麺の麺』(148円)。
米のトッポギが定番だが、伝統的な麦トッポギもいまだに人気。味が染み込みやすく、スープに最適。『麦トッポギ 400g』(298円)。
★本田さんオススメ!
味の濃い韓国産のアミを使用しており、塩辛いなかにもアミの旨みが感じられる。『ナレ食品 アミの塩辛 120g』(528円)。
「身が大きくふっくらしているのは、韓国産ならでは。キムチ作りに使ったり、調味料として野菜炒めやペペロンチーノに入れたりすると、味のアクセントに」
住所:東京都新宿区大久保1-1-11
マニアが教える!新央久保の歩き方
●メインから外れた場所で穴場の店が見つかる!
「新大久保駅周辺には流行最先端のグルメが多く集まります。一方、少し離れた東新宿駅や職安通り周辺は、隠れた名店が集まる穴場スポット。昼前には新大久保駅に到着し、行列ができている料理店で早めの昼食を。午後は流行りのカフェや物販店を覗き、夕食には少々足を延ばして本格的な韓国料理店へ。穴場スポットをうまく活用すれば、丸1日新大久保を楽しめますよ」(コリアン・フード・コラムニスト 八田靖史さん)
教えてくれた人
韓国料理研究家・本田朋美さん/韓国料理店のアドバイザーとして活躍。メディアを通じて韓国料理の魅力も伝える。近著は『はじめてキムチの本』(イースト・プレス)。
韓国料理研究家・金ヨン貞(キムヨンジョン)さん/料理教室『韓サモ hansamo』主宰。韓国料理の味を伝えるYouTubeチャンネル『ヨンジョンの本格「韓国料理レシピ」』も人気。
コリアン・フード・コラムニスト 八田靖史さん/これまでに訪れた韓国料理店は2000軒以上。韓国料理の魅力を伝えるイベントやグルメツアーのプロデュースを行うほか、著書も多数。
撮影/平林直己、鈴木江実子、武井メグミ
※女性セブン2022年10月20日号
https://josei7.com/
●人気の激辛”韓国料理”お手軽レシピと作り置きアレンジ|料理研究家・島本美由紀さん