冷えや腰痛対策に「腎臓マッサージ」、風邪やアレルギー対策に「肺をほぐす」|チネイザンマッサージ法を専門家が伝授
「腹が立つ」「腹黒い」「腹を決める」──感情を表す慣用句には“腹”を使うケースが多い。このことからもわかるように、古くから東洋医学では、感情の乱れは腹部にたまると考えられてきた。
「コロナ禍で不満や不安が募り、そのせいで内臓が硬くなるなどの悪影響が出ている人が増えています」と話すのは、内臓をもむことで負の感情をも取り除く「チネイザンマッサージ(氣内臓療法)」を提唱するセラピスト・Yukiさん。内臓マッサージのやり方を教えてもらった。
負の感情が腎臓・肺の不調につながる
恐怖心を抱きがちな人は腎臓に、悲しみを感じがちな人は肺に影響が出てしまうという。そこでYukiさんに、腎臓と肺をほぐして負の感情と体の不調に対抗するチネイザンマッサージを教えてもらいました
腎臓に不調を抱えているのか、以下でチェックしてみよう。
◆腎臓が悪い人の特徴チェックリスト
□ 下半身が冷えやすく、だるい
□ 肌の色がくすみがち
□ むくみやすい
□ 何事にも消極的
□ 耳鳴りが気になる
□ めまいやふらつきがよくある
□ 頻尿
□ 最近、白髪が増えた
□ 黒い服や小物などを選びがち
腎臓のマッサージで冷え、肌荒れ、頻尿、腰痛予防にも期待
「恐れを抱くと腎臓に影響を及ぼします。コロナ禍では仕事や家計が不安定になり、将来への恐怖を抱く人が増えたため、胃と同様、腎臓にも不調を感じる人が増えています」
腎臓の働きが弱くなると、ホルモンの分泌や免疫機能の働きが乱れるうえ、老廃物や水分の代謝が悪くなるので、冷えや肌荒れ、頻尿、腰痛などのトラブルを引き起こす。
「腎臓は背中側の臓器。下図のマッサージはもちろん、背中や腰を軽くたたいてこりをほぐすのも効果的。恐怖心が生まれないよう、できるだけ暗いニュースを見ないなどの工夫も大切です」
【朝・晩左右10秒ずつ】
仰向けになって左脚を曲げ、右側に倒す。ウエストに手を添え、脇腹をつまむようにマッサージする。自然な呼吸でOK。指に力を入れすぎないようにすること。10秒マッサージしたら、向きを変えて反対側も行う。
肺に不調があるかどうか、以下でチェックしてみよう。
◆肺が悪い人の特徴チェックリスト
□ 花粉症などのアレルギーがある
□ 乾燥肌
□ たんや咳が気になる
□ 鼻が詰まりやすい
□ よく風邪をひく
□ 頑固な便秘に悩む
□ なんでも悪い方に考えがち
□ 呼吸が浅く、息苦しさを感じることがある
□ 白い服や小物などを選びがち
肺のマッサージで風邪の予防、アレルギー症状も軽減に期待
「強い悲しみに支配されたり、悲観的になりすぎると肺の機能が低下して、風邪や肌荒れ、花粉症などのアレルギー症状に悩まされることになります」
肋骨の内側にある肺は、直接刺激を与えづらいので、肺に近い横隔膜やリンパを刺激する。
「普段から、人間は肺の機能の5分の1しか使っていないとされていますが、最近のマスク生活で、さらに呼吸が浅くなっています。マスクをしていないときにはなるべく、新鮮な空気を思い切り吸い込む深呼吸を習慣化するのがおすすめです」
【朝・晩左右1分ずつ】
こぶしを軽く握って、体の側面(胸の下)に置いたら、ウエストまでスライドさせる。こぶしのとがった部分を使って、グリグリともみほぐす感じで。片方ずつ行ってもOK。
【朝・晩2セットずつ】
大腸のマッサージは便秘や消化不良などに効果的だという。やり方は簡単。仰向けになり、両脚を腰幅に開いてひざを立てる。両手の指先を重ねておへその右下に置いたら、少し圧をかけ、小さな円を描くようにマッサージする。そして、下図の矢印の方向へ両手の指を動かしていく。S状結腸から直腸(太線)部分は滞りやすいので3回繰り返してなぞる。
教えてくれた人
Yukiさん/チネイザンセラピスト。ヨガやマクロビオティックなどのインストラクター資格も持つ。チネイザンマッサージを普及させる学び舎「たまよろ庵」主宰(https://tamayoro.com/)。
取材・文/上村久留美 イラスト/カミグチヤヨイ
※女性セブン2021年10月28日
https://josei7.com/
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