精神科医Tomyの元気の出る金言【第12回 頑張りすぎていませんか?】
自分の代わりはいるの。
休んで迷惑かけても
たかが知れてるわ。
ちゃんと地球は回るから
自分を大切にね。
* * *
人の手を借りることをためらわないで
おはようございます。精神科医のTomyです。最近ちょっと疲れてない? たまには秋の空を眺めて、ホッとひと息ついてみてね。
今日のテーマは、自分の代わりはいくらでもいるから、休みましょうっていう話よ。代わりがいるなんて言われたら寂しい? いえいえ、本当に自分にしかできないことを見極めましょう、と言いたいのです。責任は色々な人と分け合って、ひとりで抱えない方がいいですよね。
家族の介護をしている人も、自分の代わりはいるのです。「私が頑張らなくては。とてもじゃないけどデイサービスに行かせるなんてできないんです」という人も多く、その気持ちはよくわかります。アテクシも身内のことだったら同じ気持ちで悩むと思います。状況にもよるので、難しいですよね。
それでもね、あなたが倒れてしまったら元も子もないの。いろいろなサービスを適切に使って、時にはプロに任せることも必要だと思うわ。
あなたの大切な人が求めているのは、あなたが介護の労働をすることではないかもしれません。あなたにしかできないことは、笑顔でお話をしたり、できる状況なら一緒にご飯を食べたり、愛情を伝えることじゃないかしら。
介護は専門的な知識を持った人が行った方がスムーズなことも多いのです。仕事として対価を得ているプロが組織で活動しているんですもの。そこを頼るのは全然悪いことではありません。頑張りすぎて、あなたの人生がいろいろどっちつかずになってしまう方が、寂しいんじゃないかしら。
例えば、アテクシの医師の仕事にも代わりはいるの。保険診療なので、専門知識がある人ならやれるのよね。アテクシも生身の人間だから、適度にお休みしないとバテちゃう。根を詰める前に、仲間に手伝ってもらうようにしています。
2025年には日本の人口のうち30%が高齢者に。介護施設だけではなく、地域全体で高齢者を見守る「地域包括ケアプラン」も始まろうとしています。家族の介護をする人がもっと増えるでしょう。自分を大切に、うまく人の手を借りましょうね。感謝の気持ちを忘れなければ、問題ないのよ。
プロフィール
精神科医Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科クリニックに勤務。診察する中で言葉の力に気づき、自身のつらい経験も生かして温かいアドバイスをツイッターで発信。たちまち話題になり、フォロワー現在、24万人を突破。作家・エッセイストとしても活動しながら、悩み多き人々に寄り添い続けている。
ツイッター:『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』 @PdoctorTomy
『もう、“言わずに我慢”なんてしなくていい! 精神科医Tomyの 言いたいことがラクに伝わる35の方法』(大和出版)
『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)
取材・文/永田玲香