老舗料亭『菊乃井』秘伝のレシピ梅干しで作る万能調味料「梅旨みだれ」で料理を格上げ｜

　蒸し暑い日々が続いて、さっぱり味の料理が欲しくなりますよね。京都の“ミシュラン三ツ星”老舗料亭『菊乃井』の3代目・村田吉弘さんと、4代目・村田知晴さんが、梅干しで作る万能調味料「梅旨みだれ」の作り方を教えてくれました。「梅旨みだれ」を使ったレシピも伝授。酸味の中に、旨みがつまっているので食が進みます。いつもの味をさらに格上げしてくれる万能調味料、手放せなくなりますよ！

※分量は特記のあるもの以外2人分です。
※電子レンジは600Wを使用しています。

【目次】

梅干しは先人の知恵が詰まった伝統食
梅旨みだれの作り方
【梅旨みだれレシピ1】梅チャーハン
【梅旨みだれレシピ2】酢豚
【梅旨みだれレシピ3】鶏手羽と卵の梅煮
- ■菊乃井　本店

梅干しは先人の知恵が詰まった伝統食

「昔はどこの家でも梅干しを漬けていました。風邪をひいたら梅干しのおかゆ、弁当には腐敗防止のために梅干しを入れるなど、日本人には欠かせない食べ物です。うちではいまでも6月の青梅に始まり、完熟梅が出たら梅干しを漬けるというのが恒例です」と、村田吉弘さん。

　菊乃井の梅干しは、海塩と赤じそだけで漬ける昔ながらの製法で、塩分は8％とやや控えめ。

「店ではたたいた梅肉を鱧に添えるなど料理に使うため、塩辛すぎると使いにくいんです。梅干しを使った『梅旨みだれ』は、家庭でも常備しておくと、煮物にも焼き物にも万能に使える調味料ですよ。家にいる時間が増えたいまこそ、昔から続く梅仕事に挑戦してみてください」

「うちには祖母が嫁入りのときに持ってきた、200年近く前の梅干しがまだ残っています」（吉弘さん）

→“ミシュラン三ツ星”料亭『菊乃井』秘伝の「梅酒」「青梅ワイン煮」の作り方、アレンジレシピ

梅旨みだれの作り方

　味つけやドレッシングなど幅広く使えて重宝。

＜材料＞（作りやすい分量）
梅干し 110g
＜A＞
酒…1カップ
みりん・しょうゆ…各1/2カップ
昆布…5g

＜作り方＞
【1】鍋に＜A＞を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にする。2分程度煮てアルコールを飛ばし、火を止めて冷ます。

【2】梅干しは種を取り、包丁で刻んでペースト状にする。

【3】【1】から昆布を取り出し、【2】と混ぜる。

※密閉容器に移せば冷蔵庫で1か月程度保存できる。

【梅旨みだれレシピ1】梅チャーハン

　梅旨みだれで定番の料理を格上げ。梅と香味野菜が香るあっさり和風味。

＜材料＞（1人分）
卵…1個　
ご飯…300g
油揚げ…30g
新しょうが…10g
ちりめんじゃこ…15g
梅旨みだれ…大さじ3
みょうが…2個　
大葉…3枚
煎りごま…大さじ1/2
花穂じそ…適量

＜作り方＞
【1】卵を溶き、粗熱を取ったご飯に混ぜる。
【2】油揚げは3cm長さで5mm幅、新しょうがは粗めのみじん切りにする。
【3】フライパンに油大さじ2（分量外）を熱し、ちりめんじゃこと【2】を炒めたら、【1】を加えパラパラになるまで炒める。
【4】梅旨みだれを回し入れて混ぜる。器に盛り、小口切りにしたみょうがと千切りにした大葉、ごま、花穂じそを散らす。

【梅旨みだれレシピ2】酢豚

　酢豚のイメージが一変！すっきり上品な味わいに。

＜材料＞
豚肉（肩ロースなど）…200g
れんこん・小いも・きゅうり…各100g
しいたけ…4枚　
梅旨みだれ・水…各1/2カップ　
しょうゆ（あれば濃口）…小さじ1　
粉山椒・片栗粉…各適量　
柚子の花…10粒程度

＜作り方＞
【1】豚肉は角切りにし、しょうゆをまぶして10分程度おき片栗粉をまぶす。
【2】れんこんは皮をむき、食べやすい大きさに切って電子レンジで約3分加熱。小いもは電子レンジで約3分加熱して皮をむき、半分に切る。しいたけは軸を除き半分に切る。
【3】きゅうりは縦半分にし、スプーンなどで種を取って乱切りにする。
【4】フライパンに1㎝程度の油（分量外）を熱し、【1】と【2】を入れて揚げ焼きにする。
【5】別のフライパンに梅旨みだれと水を入れて火にかけ、沸騰したら【3】と【4】を加えてとろみが出るまで絡める。器に盛り、粉山椒と柚子の花を散らす。