ジッパー付き保存袋で“梅干し”作り|少量で簡単手軽!失敗知らずのQ&A付き
手作りの『梅干し』は好みの塩加減にできて、味わいも格別。でも、重い瓶を使ったり、カビを気にしたりと、何かと大変なイメージがありますよね。実は、『ジッパー保存袋』を使えば簡単にできちゃうんです。料理家で発酵マイスターの榎本美沙さんが漬け方とコツを教えてくれました。少量から作れるので、食べられる分だけできますよ。今年は自家製梅干しに、挑戦してみましょう!
保存袋で漬ける梅干し「初心者でも失敗知らず!」
「梅干しは塩、梅シロップは砂糖の浸透圧を利用して梅のエキスを引き出します。ジッパー付き保存袋を使えば塩や砂糖が梅全体になじみ、空気も抜きやすいので失敗しづらく、少量でもおいしく漬けられますよ」と、榎本美沙さん。
もうひとつのポイントは、完熟梅を使う梅干しの場合、傷のない梅を選ぶこと。傷があるとそこから雑菌が入り、傷む原因になるという。
梅干しの作り方
深い香りと味わいは、手作りならではの魅力。
<材料>(作りやすい分量)
完熟梅…1㎏
塩(梅用)…120g
赤じそ…150g
塩(赤じそ用)…25g
<作り方>
【1】梅はやさしく水洗いして1つずつ水気を拭き取り、竹串などでへたを取る。
保存袋(Lサイズ)に、梅と塩を交互に入れる。空気を抜いて口を閉め、ホーロー製のバットに入れる。
【3】【2】の上に1㎏の重石(塩袋が便利)をおいて、1日数回上下を返す。
【4】2~3日して梅酢が出てきたら赤じその下ごしらえを。梅酢(梅から出る水分)が出てきたら、赤じそを準備。赤じその枝を取り除き、洗って水気を切ったら塩の半量を揉み込み、アクを出す。絞って水分を捨て、残りの塩も揉み込み、水分を捨てる。
【5】【4】の赤じそに梅酢を適量かけてほぐし、梅の入った保存袋に加える。重石をして直射日光の当たらない常温に置く。
梅と赤じそをざるに並べて干し、日中に1度は裏返して夜は室内に取り込む。最終日は夜も出しておき夜露に当てる。梅酢はとっておき、最終日に一緒に天日に当てる。
保存袋で梅干し作り:失敗しないためのQ&A
保存袋を使った梅仕事は、とっても簡単。榎本さんがよくある疑問に答えてくれました。
【Q】どんな保存袋を選んだらよいですか?
【A】冷凍保存用の厚手のものを選んで
「液もれの心配がない、厚手の冷凍保存用ジッパー袋がおすすめ。新しいものを使えば、袋を消毒する手間も省けますよ」
【Q】ステンレス製のバットにジッパー袋を置いたらダメですか?
【A】ホーロー製がおすすめ
「ステンレスは酸に弱いので、梅のエキスがついたときにバットが傷む可能性があります。ホーローやガラス製など、酸に強い素材が安心ですよ」
【Q】ジッパー袋の空気を抜かないとどうなりますか?
【A】空気に触れるとカビの原因に
「空気を抜くことで、梅を塩や砂糖と密着させられるので、エキスをしっかり引き出せます。また、カビの原因となる雑菌の侵入を防ぐ効果も」
教えてくれた人
料理家・発酵マイスター 榎本美沙さん
発酵食品や旬の野菜を使ったレシピが好評。著書に『少量でおいしい ジッパー袋でかんたん 季節の保存食』(家の光協会)などがある。
撮影/菅井淳子
※女性セブン2021年6月17日号
https://josei7.com/
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