この漢字読めますか?「くし」ではありません|不思議な漢字クイズ3選
『ながめて楽しい 漢字5万字』という5万字もの漢字が描かれたポスターを眺めていると、見慣れない漢字が交じっている!何かの暗号か?地図記号か?身近な漢字に似ているような似てないような。3つの不思議な漢字を紹介する。なんと読む?意味は…。
串?え?違う…3つの不思議な漢字に遭遇
『ながめて楽しい 漢字5万字』(大修館書店。2750円)は、縦728×横1030mmの大判一面に、5万1240字を収録。1文字約3.5mm角の大きさで敷き詰められた漢字群に圧倒される。その中から、3つの不思議な漢字をピックアップ!
「亜」でも「王」でもなく…これ何て読む?
「巨」の古字。左側に縦線を入れるとイメージしやすい。音読みは「キョ」。斧の柄を入れる長方形の穴を表した。
周の時代には日常で使う道具などは曲線を使って表す場合が多かったが、楷書になるとたいていは四角く書かれるようになった。
ぐるぐる「回」っているが「まわる」ではありません!
「亘」の本字。音読みは「セン」。巡るという意味があり、ぐるぐると回っている部分が簡易化されて「亘」になった。
込み入った字だが画数は7画。
「串」に似ているが「くし」とは無関係です!
音読みは「ゲン」。「玄」の古字。古代の字は口の部分が「○」だったため、まさに串団子をかたどったような字だった。
「幺(ヨウ)」は細い糸を表し、「よく見えない」「黒い」「暗い」「奥深い」といった意味を持つ。串に似ているが無関係。
漢字の呼称や意味を解説!
■親字…社会一般で正しいとされる文字。
■異体字…親字と同音・同義に用いられる漢字。
■古字…最古の部種別漢字字典とされる『説文解字』で「古文」(篆書(てんしよ)よりも古い字体)として扱われたもの。
■本字…漢字の成り立ちからいって、本来の正しい字形と考えられるもの。
■同字…親字と字形は異なるが、古くから同音・同義で使われているもの。
■俗字…字形が崩れたり、字画が省略されてはいるが、広く通用しているもの。
教えてくれた人
大修館書店・池田菜穂子さん/『ながめて楽しい 漢字5万字』の担当編集者
監修・漢字解説
笹原宏之さん/早稲田大学社会科学総合学術院教授。文化庁文化審議会国語分科会で常用漢字の選定・改定作業に携わる。『日本の漢字』(岩波新書)、『謎の漢字-由来と変遷を調べてみれば』(中公新書)、『漢字は生きている クイズ120問』(東京新聞)など著書多数。
取材・文/藤岡加奈子 写真/GettyImages
※女性セブン2021年4月15日号
https://josei7.com/
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