50才からのダイエットは「がんばらない」1年で6kgやせる食ベ方を専門家が解説
「ダイエットは続かない」という人は、考え方を改めたほうがいいかもしれない。1年間で6kgもの減量がかなうという。そのヒントは、“にぎり寿司程度のご飯”にあるらしい。50才を過ぎたらダイエットは、「がんばって食事制限」するよりも、食べ方や価値観を変えることが大事だと専門医は指摘する。
50才からのダイエットに必要な3つのこと
「がんばって食事制限しています。お菓子は1日1個まで。夜はご飯なしで、おかずのみでがまん。体にいいと聞いたのでちょっと苦手ですが、玄米やサラダチキンを意識して食べています。おかげで1週間で1kgもやせました!」
こんな人はいないだろうか。残念ながら、あなたのダイエットは失敗する確率が高い。
『医師が教える50歳からの超簡単ダイエット』(幻冬舎)の著者で、川村内科診療所院長の川村昌嗣さんはこう言う。
「『努力』と『がまん』が必要なダイエット方法を実践している人は、一時的にやせたとしても、長続きしません。ダイエットは、『がんばるもの』ではないのです」
1.急激なダイエットは脂肪肝などの原因に
ダイエットを成功させるには、まず目標値を決めたい。栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅さんが話す。
「ダイエットは、1か月で体重が500g減れば充分。1か月で数kgも落とす急激なダイエットを行うと、中性脂肪がたまりやすくなり、脂肪肝などの原因になる恐れがあります」
1か月で500gと聞くとほんのわずかに思えるが、1年間なら6kgも減らすことができる。
ただし、運動ならば、毎日20分以上のジョギングや毎日60分以上のウオーキングを行う必要があり、「努力とがまん」をせずに続けるのは難しそうだ。
2.毎食のご飯を「にぎり寿司1こ」程度減らす
一方、「食事制限」ならば、毎食のご飯を「にぎり寿司1こ程度」減らすだけでいい。管理栄養士の望月理恵子さんが解説する。
「体脂肪のエネルギーは、1gにつき9kcalです。ただし、脂肪細胞の約2割は水分などのため、消費するために必要なエネルギーは約8割でいい。
つまり、7200kcal消費すれば、体脂肪を1kg減らせます。もちろん、運動して消費しても構いませんが、食事の量を減らしても減量の効果は同じです。
1日3回食べているならば、1食につき約40kcal減らせば、1年で約6kg分の体脂肪が減らせる計算です。40kcalは、ご飯でいえば、だいたい25g程度の換算になります」
にぎり寿司のシャリは、1こ分が25gくらい。同様に、から揚げや食パンなら約15g、スパゲッティなら約11g減らせば同等のカロリー減だ。
これだけ減らせば1年で6kgやせる!? 約40 kcalの目安
よく食べる食品の40 kcal分の量を紹介。これだけ減らせば1年で6kgやせるかも!
※1日3食、毎日食べたと想定。食品メーカーによって差異あり。
●ご飯:にぎり寿司1こ分(約25g)
茶碗1杯の5.5~6分の1くらい。
●食パン:1段階薄切りにする(約15g)
4枚切りは5枚切りに、6枚切りは8枚切りにする。
●から揚げ:1個の半分(約15g)
もも肉(皮つき)のから揚げの場合。
●スパゲッティ:14本(約11g)
一般的な市販の乾麺(1.65mm)の場合。
●チョコレート:1.4片(約7g)
一般的な板チョコレート(ミルク)の場合。
●みたらし団子:1玉弱(約20g)
1本につき4玉の場合の1玉分。
●ジュース:コップ半分(約100ml)
フルーツジュース、炭酸飲料などの場合。
●ビール:コップ半分(約100ml)
一般的な缶ビールの場合。
3.食事を「減らす」という発想は捨てるべき
「体重の増減は個人差があるので、もともとの食事量が多い人や肥満気味の人ほど、思った以上に体重が減る可能性があります」(望月さん)
それくらいなら私も食事制限できる―そう思った人は要注意。川村さんは、食事を「減らす」「制限する」という発想は捨てるべきと話す。
「『減らす』という考えを持つのは、いま食べている量が『標準』だと思っている証拠。それでは、たとえ食事の量を減らしていても、1週間もすれば無意識のうちに元に戻ってしまいます。リバウンドしないためには、根本的に価値観を変える必要があるのです」
教えてくれた人
川村内科診療所院長・川村昌嗣さん、栗原クリニック東京・日本橋院長 栗原毅さん、管理栄養士・望月理恵子さん
※女性セブン2021年5月6・13日号