肩こり&腰痛解消法!みかん甘酒、壁やいすを利用したストレッチ、目のツボ…
男性よりも肩回りの筋肉が少ない女性は、冷えやすい体質も相まって肩こりになる人が多い。さらに、長引くコロナ禍によるリモートワークで、首や肩の酷いこりを訴える人は増えている。
こりの主な解消法としてはマッサージや指圧、整体、運動などが挙げられるが、“飲み物”にも有効なものがあるという。
みかんと甘酒が肩こりにいい
戸田整形外科リウマチ科クリニック院長で整形外科医の戸田佳孝さんは、肩こりに効くスペシャルドリンク「みかん甘酒」を紹介する。
「みかんの皮や白いスジに多く含まれるポリフェノール『ヘスペリジン』は、交感神経を抑制し、副交感神経を優位にする働きがある。血管がゆるんで血流がよくなり、肩こりにいい」
作り方は簡単だ。100mlのこうじ甘酒にラップをかけて、600Wの電子レンジで1分温める。そこに乾燥させて粉末状にしたみかんの皮を入れて、よく混ぜてから飲む。戸田さんが34人の患者に、みかん甘酒を飲んでもらったところ、ほとんどの人に肩こり改善の効果が出たという。
「皮の部分だけを取って乾燥させるのは大変なので、甘酒とみかんを一緒に食べるだけでも効果は期待できます。ヘスペリジンは、みかんの果肉が入った小袋の薄皮にも含まれていますが、水に溶けにくく小腸からの吸収率が低いのが欠点なので、発酵させてくれる食品と摂るのがポイント。へスペリジン含有量が高いのは、温州みかん。いよかん、デコポン、ネーブルオレンジでもかまいません。白いスジや房も一緒に食べるようにしましょう」(戸田さん)
肩こり、腰痛を改善するストレッチ法
肩こりや腰痛は原因となる箇所を伸ばすことで改善すると語る柔道整復師で整体院「和-KAZU」院長の迫田和也さんは、それぞれに効くストレッチを紹介する。
■肩こり改善『壁チョップストレッチ』
1つ目は、肩こりの原因となるわきの下の緊張をゆるめる「壁チョップストレッチ」だ。
「壁から一歩下がって立ち、指をまっすぐにそろえて右手を上げて、壁をチョップするような格好で手をつけます。その後、手の位置はそのままで、お尻をゆっくり後ろに突き出していきながら、わきの下の筋肉を伸ばしていきます。このとき、ひじを曲げず、頭を下げないよう注意して。わきの下の筋肉が伸びているのを意識しましょう。お尻を突き出したら、そのまま顔を右側に向けて30秒キープ。終わったら左側も、同じ動作を行います」
【1】壁に向いて立って一歩下がり、小指側を壁についてひじを伸ばす。このとき、壁に近づきすぎないように注意する。
【2】手の位置が下がらないように固定しながらゆっくりお尻を後ろに突き出す。ひじを曲げず、頭を下げないことがポイント。
【3】わきの下の筋肉が伸びているのを感じながら、顔を右側に向けて30秒そのままの状態に。反対側も【1】~【3】を同様に行う。
お尻を後ろに引きすぎると腰を痛める可能性があるので、無理はしないこと。わきの下が伸びていることを実感できれば充分だ。
■腰痛の要因・大腿四頭筋ストレッチ
もう1つは、腰痛にいい「大腿四頭筋ストレッチ」だ。骨盤からひざにかけての大腿四頭筋をゆるめることで、腰痛の原因であるお尻や太もも、股関節をほぐす効果がある。
「いすに座って、背筋をまっすぐに伸ばします。そのまま両手をお尻の後ろについて、つま先は外に向けて、右足をいすの上にのせます。この体勢からゆっくりと体を後ろに反らします。その後、大腿四頭筋の伸びを意識しながら、右ひざを地面の方向に伸ばします。30秒キープしたら、反対側も同様に行います」(迫田さん)
【1】いすに座り、頭を上から引っ張られるイメージで背筋をまっすぐに伸ばす。
【2】まっすぐな姿勢のまま右足をいすの上に置く。このとき、つま先が外側を向いていることを確認すること。
【3】両手を後ろにつき、ゆっくりと体を後ろに反らす。同時に右ひざをぐっと下方に伸ばして大腿四頭筋が伸びていることを意識しながら30秒キープ。もう片方の足も同様に行う。
■肩こりを緩和するアイ・ストレッチ
ストレッチやケアが必要なのは体だけに限らない。吉祥寺森岡眼科院長で眼科医の森岡清史さんは、目からくるこりにいいツボへの刺激をすすめる。
「眉毛の周辺にはたくさんツボがあるので、まっすぐにそろえた指3本を当てて、軽く叩いてみてください。筋肉がほぐれて血流がよくなります。叩く強さは指先で軽くタップする程度で、強くしないこと。指3本を眉に軽くのせて、指を左右に揺らしてもいい」
目の血流をよくするために、毛様体筋をほぐすのも肩こりにいい。
「1時間に1回は、意識的にまぶたをぎゅっと閉じたり、まぶたの上にホットマスクやホットタオルをのせて、温めたりして血流を改善してください。スマホ老眼や眼精疲労の解消にもなります」(森岡さん)
理学療法士の財前知典さんは目を動かして肩こりを解消するストレッチを紹介する。
「頭を正面に向けたまま、動かさずに目だけを動かす方法です。目を動かす筋肉と首を安定させる筋肉は連動しているため、定期的に行うと効果的です」
【1】頭を正面に向けたまま、目だけ上下に5回ずつ動かす。
【2】【1】と同じように頭を正面に向けて動かさずに目だけ左右に5回ずつ動かす。
■1日4000歩、正しい姿勢でウオーキング
ストレッチとともに、軽いウオーキングも取り入れるといい。さかいクリニックグループ院長の酒井慎太さんがアドバイスする。
「意識してウオーキングをすれば、いい姿勢を保てます。目線を上げてあごを引いて、肩をしっかり開いて腰を反らせて歩くこと。重心は前と後ろ3対7を意識して、前のめりにならないこと。1日4000歩くらいを意識して歩けば、関節も筋肉もほぐれてこりづらい体をつくることができます」(酒井さん)
もまずに伸ばす、が正解のようだ。
イラスト/つぼゆり
※女性セブン2021年4月29日号
https://josei7.com/
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