猫が母になつきません 第246話「おとなだもん」
さびはもともとはとても甘えん坊。夜眠くなると先にベットに上がって「一緒に寝て」とにゃーにゃー鳴くので毎晩寝かしつけていたほどでした。しかし、わびがやって来てからはその甘えん坊ぶりはすっかりなりをひそめ、とくにわびの前では甘える姿などいっさい見せなくなりました。年齢は1歳しか違いませんが、わびが生まれてまもなく母猫においていかれてしまって、その後ずっとかいがいしく面倒をみていたさびからすると「人に甘えている姿なんぞ見せられん」ということらしい。猫の《ふみふみ》は仔猫の時のなごりで、母猫のおっぱいを前脚で押して母乳が出やすくする動き。家猫は母のような存在の飼い主と一緒にいるときにリラックスしてふみふみしたくなるとか。ふかふかのベッドで一緒にごろごろしていて気持ちよくなったさびのふみふみモードがオン!でも赤ちゃんみたいなところなんて見せられない!本能と必死に闘っているさびの前脚がおかしな動きに…。おとなだって甘えたい時もある。強がるさびの気持ちもよくわかる。ふみふみ、ふみふみ。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。