公開日:2020.12.29 |暮らし   

もうムリ…高齢の姑や親との同居をやめたい時の上手な切り出し方、円満な解消法【専門家が回答】

 高齢の親と同居したはいいが、「いつまでも子供扱い、説教されたり怒られたりウンザリ」「いろいろ用事を頼まれてプライベートが無い」など、地獄を見たという人も。親子の同居を解消するにはどうしたらいいのだろうか…専門家に取材した。

憂鬱な顔で頬杖をつく中年女性
姑からの小言やいやみにもううんざり…うまく同居を解消する方法はあるのだろうか(写真/アフロ)

 

親子同居の解消法を専門家がアドバイス

「生活費は出さないくせに、“掃除の仕方が雑” “今日も出かけるの~。遊んでばっかりじゃない”などと毎日姑から小言を言われて我慢の限界です。今後、介護なんて絶対に無理」(47才・会社員)

同居がツライと叫んでいるイラスト

 実家相続介護問題研究所代表江本圭伸さんによれば、同居を解消するときは、親は勘当、子供は二度と敷居をまたがないくらいの“覚悟”が必要だという。そのうえで、こんな解消法を提案してくれた。

介護を理由に親の物件を売却して別々の住まいへ

「私のクライアントでは、“いまの家では高齢になると暮らしにくいし、介護がしにくい”という理由で引っ越しをし、それに乗じて同居を解消。近居にシフトした人もいました。

 親子で暮らす戸建ての築年数が古く、物があふれて段差も多い場合、転倒や骨折のリスクは極めて高い。病院に行くにも駅から遠い不便な立地だとしたら、この先老親も暮らしにくく、子供も介護が大変でしょう。

 そこで、親ができるだけ長く自立した生活を続けられ、子供も介護をしやすいように、近居を提案するというわけです。元の家に資産価値があるなら、売却もいいでしょう。その費用で、親は駅前のバリアフリーのマンションや高齢者施設に住み、子供は引っ越しの初期費用を捻出できるかもしれません。

 提案者がどちらであれ、親は“自分の介護のためなら”と了承しやすいし、子供は数十年後に入る遺産よりも、目の前の現金の方がありがたい。双方が納得しやすい方法です」(江本さん)

→高齢の親とは「同居」より「近居」がおすすめ|親子同居でもめない私たちルール

同居解消のための貯蓄をしておく

 売却利益が期待できない家なら、同居解消のために貯蓄する必要がある。いずれにしても、親が元気なうちに、「あなたに負担をかけたくないから」と、思いやりの気持ちを示すことが、円満解消のカギになる。

→親子同居、お金でもめない3つのルール|生活費は親と子どっちが管理するのが正解?

教えてくれた人

実家相続介護問題研究所代表・江本圭伸さん

取材・文/桜田容子 イラスト/ユキミ

※女性セブン2020年12月17日号
https://josei7.com/

●「親と同居したら親のお金のことで兄妹から妬まれる」【悩み実例】もめないための方法をずばり解説

●老いてからやってはいけない事3つ|ペットを飼う、子供と同居、あとひとつは?

●介護のお金|頼れる制度やサービスは案外ある。不安を軽減する方法

●相続、贈与の違いは?認知症の親から生前贈与は可能?贈与税の対策と注意点を解説

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