親子同居、お金でもめない3つのルール|生活費は親と子どっちが管理するのが正解?
コロナ禍で検討中の人が増えているという“親子同居”。家族なんだからと安易に同居を始めると、予想外の問題が出てくるもの。実際にあった体験談をもとに専門家に解決策を伺った。
親子同居の家計管理がうまくいく3つのルールとは?
「同居前に家計分担を決めなかったため、気づけば現役世代の私たちがすべての生活費を出すことに。
子供たちが中学生と高校生で教育費がかかるのに、一日中家にいる義母の光熱費や食費で毎月赤字。余計な節約術は押しつけてくるんですが、そんなのいいから、生活費を少しでも入れてほしい」(52才・パート)
親子で同居する場合の生活費の分担はどうすべきだろうか?
1.生活費は親、子世代が家計管理が理想
最初にルールを決めておけば、同居後の衝突は回避しやすい。同居のルールを決めていた家庭は48%で、生活費を分担している親子は約半数だった。という調査結果がある。
「親に生活費を出してもらったうえで、子供世帯が家計を管理する方法が理想です」
とは、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんだ。
2.代理人カードを作り支出をお互い明確にする
「同居を始めた当初は元気だった親も、年を重ねて認知症などの病気になる可能性もあり、そうなるとお金のトラブルに巻き込まれやすくなります。ですから子供側は、親が元気なうちに銀行で『代理人カード』を作り、親のお金を引き出せるようにしておくことをおすすめします。
代理人カードとは、親と生計を共にする親族が作れるカードで、親子で登録すると、親が認知症になっても子供はこのカードで親の預金から医療費などを引き出せます。できればこのカードに紐(ひも)づけた親の口座から毎月一定の生活費をもらうようにしましょう。そして、親には毎月明細を見せるのです。支出を親子でクリアにしておくことが大切です」(畠中さん・以下同)
→親が認知症かも…まずどこに相談?どのように受診させる?|手続き、流れを解説
3.親が多く支払えば相続税対策にもなる
親の資産が多い場合は、生活費を多めに出してもらった方が相続税対策になる。
「基本的に、親の資産が基礎控除を超えると相続税が発生します。この相続税を抑えるには、親の預金を生活費で消費することです。とはいえ、義理の親子の場合、そういった話を最初にすると角が立つので、同居を始めて2~3年くらいして慣れた頃に、“相続税対策の1つとして、こういう方法もありますが…”と切り出すのが無難でしょう」
→相続、贈与の違いは?認知症の親から生前贈与は可能?贈与税の対策と注意点を解説
教えてくれた人
畠中雅子さん/ファイナンシャルプランナー
イラスト/ユキミ
※女性セブン2020年12月17日号
https://josei7.com/
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