「親と同居したら親のお金のことで兄妹から妬まれる」【悩み実例】もめないための方法をずばり解説
親側は介護を、子供側は経済的な負担の軽減を期待しての「親子同居」が今増えつつあるという。家族だからと安易に始めたはいいが、トラブルも少なくないそうだ。一体どのような問題が考えられるのか、実際のケースをもとに、専門家に話を伺ってみた。
親の資産管理…兄妹でもめないための方法は?
「筋力が弱った親のために、自分のボーナスをはたいて乗り降りのしやすい車に買い替えたら、兄や妹から“親に新車を買ってもらったんだ、いいなあ”“姉さんは家ももらえるんでしょ。だったら親の預金は私たちでもらうからね”などと、ことあるごとに妬まれます。そもそも親に預金はほとんどないのですが…」(56才・会社員)
→親子同居、お金でもめない3つのルール|生活費は親と子どっちが管理するのが正解?
家族が一堂に会する場で親に公言させる
こうしたケースを防ぐには、“家族会”の場を設けることだという。
「別居する子供は親の資産を過大評価しがちです。覚えのないことで余計な文句を言われないためにも、ほかのきょうだいも含めた家族全員がいる場所で、親から同居や介護、相続に関するルールや方向性を公言してもらうことがおすすめです」(実家相続介護問題研究所代表・江本圭伸さん)
例えば、父親が亡くなったのを機に、母親と住むことになった場合、法要の場などで母親にこう言ってもらうのだ。
「今後は長女のNと住むが、介護などで厄介をかけることになる。そのお礼として、私の自宅をNに譲ります。年金収入も私の医療費や生活費としてNに渡すから、残りの預金50万円をきょうだい2人で分けなさい」
同居する子供も、親からの生活費は領収書をもらって保管しておき、何をどれだけ親に使ったか、きょうだいに開示する準備をしておくとよい。
→高齢の親とは「同居」より「近居」がおすすめ|親子同居でもめない私たちルール
教えてくれた人
実家相続介護問題研究所代表・江本圭伸さん
取材・文/桜田容子 イラスト/ユキミ
※女性セブン2020年12月17日号
https://josei7.com/
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