食事で入居を決める人多数の介護付有料老人ホーム<前編>
浅草ケアパークそよ風
そら豆ご飯、お吸い物、鰆の菜種焼き、山菜の天麩羅3種(タラの芽、姫筍、こごみ)、山うどの木の芽和え、茶碗蒸し、季節の果物。これはどこかの料亭のメニューではない。介護付有料老人ホーム「浅草ケアパークよそ風」の春御膳のお品書きだ。
浅草ケアパークそよ風は、下町の人情味があふれる浅草にある。浅草寺、雷門、浅草花やしきなども近隣にあり、情緒豊かなやさしい街だ。建物は活気あふれるかっぱ橋道具街通りに面していて、浅草の街に映える和モダンな外観のため、外国人観光客がホテルと間違えて入ってくることもあるという。
食事で入居を決める人が多いその秘密とは
こちらの入居者の中には、見学時に試食した食事がおいしかったことが選ぶ決め手になった人も多いという。実際、高齢者向けの施設で食事に力を入れている話はよく聞く。しかし、ここ浅草ケアパークそよ風のように行事食が月に4、5回もあるところは少ない。
4月の行事食の予定表には、1日昼食「花見御膳」、8日昼食「花祭り」、15日昼食「誕生日会」、21日昼食「誕生日会」、25日昼食「美食まつり」と行事食が週に一度のペースであるのだ。もちろん毎回メニューは違う。例えば、花祭りのメニューは「桜海老の炊き込みご飯、すまし汁、天麩羅盛り合わせ、春の炊き合わせ、白滝のたらこ和え、フルーツ」。美食まつりは「うなぎと山菜ご飯、味噌汁、桜海老のかき揚げ、茶碗蒸し、春キャベツの中華和え、いちごムース」と春を楽しめるメニューが満載だ。
厨房の調理担当者によると、旬の食材を使い、食欲が出るように彩りを工夫しているとのこと。そして、入居者によって食べやすいようにやわらかくするなど個別対応もしているそうだ。