猫が母になつきません 第214話「ぜんぶいり」
お財布、クレジットカード、保険証、免許証、そしてわざわざ通帳と印鑑をセットで。そんな全部入りのかばんは家の普段あまり使わない部屋で発見され、なぜそこに?とかいう事は考えてもしかたないので、とにかく中身を確認。よく物を失くすのにこんなに大事なものをいつも持ち歩いていたとは…母のかばんの中身を見て私はショックを受けました。以前はそうではありませんでしたが、母の「もの盗られ妄想」は加速していて、誰にも盗られないように(もちろん私にも)いつからか通帳や印鑑までどこに行くにも持ち歩くようになっていたのです。寝るときはもちろん枕元に(苦笑)。母に注意はしたものの持ち歩くのをやめるようには思えなかったし、今もやめていません。以前は通帳と印鑑があれば誰でも窓口で預金を引き出せましたが、現在は本人確認がとても厳格になっているので今のところは母のしたいようにさせることに。「たとえ人の生命を奪っても財布に手をかけてはならぬ。 人は父親の殺されたのは忘れても財産の失われたことは忘れないからだ(マキャベリ/思想家)」お金こわいー(泣)。
【関連の回】
第196話「あった」
第187話「続・かぎ」
第185話「らくさつする」
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。
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