【西武新宿線】注目の介護付有料老人ホーム【まとめ】
評判の高い高齢者施設や老人ホームなど、カテゴリーを問わず高齢者向けの住宅全般を幅広くピックアップし、実際に訪問して詳細にレポートしている「注目施設ウォッチング」シリーズ。
東京都新宿区の西武新宿駅と埼玉県川越市の本川越駅を結ぶ西武新宿線。全部で29駅あり、新宿や高田馬場など都心へのアクセスがよいため、通勤や通学の足として利用されている。沿線の人口は減少トレンドに入っているが、高齢化は他の多くの地域と同様に進んでいくことが予想されている。そこで今回は、西武新宿線沿線にある介護付有料老人ホームを紹介する。
檜風呂からの眺望が抜群の介護付き有料老人ホーム「カルムコート武蔵野」
西武新宿線「田無」駅からバスに乗り、「イオンモール東久留米南」バス停で下車すると、すぐ目の前にある「カルムコート武蔵野」。イオンモールで買い物や食事ができるので、日常生活に不便はなさそうだ。
カルムコート武蔵野は、自立の人向けの「ゼネラルレジデンス」と介護を必要とする「フルケアレジデンス」に分かれているそうだ。ゼネラルレジデンスは、健康で自立している人と一部介助を必要とする人向けの住まい。一方、フルケアレジデンスでは、心身の機能が低下し、日常的な見守りと共に常時介助・介護を必要とする人のためのサービスが提供されているという。
ゼネラルレジデンスはワンルームから1LDKまで76戸あり、最も多いBタイプは51.8平方メートルで35戸用意されているという。十分な広さがあり、キッチンもあるので料理をすることもできる。居室やトイレ、浴室に緊急通報装置が設置されていて、万が一の場合にはケアステーションからスタッフが駆けつけ、緊急対応してくれるそうだ。また、生活リズムセンサーも設置されていて、一定時間以上、室内に人の動きが確認できない場合、自動的にケアステーションへ通報する仕組みになっているという。
フルケアレジデンスには2種類の介助浴室があり、食事や入浴、排泄などのケアが一人ひとりに合わせて提供されているという。ケアスタッフが24時間体制で健康と安全を見守ってくれているので安心感がある。
2種類のレジデンスがある最大の利点は、介護が必要になったら移り住めること。その際、追加の費用を支払う必要はないので安心だ。生活援助が必要になれば、居室介護チームが掃除をしたり、洗濯や食事を運んだり、移動の手伝いをしてくれるので、要介護2までゼネラルレジデンスで生活できるそうだ。
お風呂などの共用部分を利用できることは、住み慣れた自宅を離れて介護付き有料老人ホームに入居するメリットの一つ。体が不自由になってから利用できる機械浴の充実度合いも大事なチェックポイントだが、自立の状態で入居する場合は、ゆったりと入れる大浴場があるとうれしい。しかし、そういった設備を持っている高齢者向け施設は少ないのが現実だ。
こちらの9階には大浴場があり、富士山や新宿の夜景が楽しめる。16時から21時まで自由に入ることができ、肌にいいと言われている備長炭も入れているという。緊急通報装置がお風呂と脱衣所の両方に設置してあるので安心感がある。眺望は抜群で、月に1度のメンテンス日以外は毎日入ることができるそうだ。居室にも湯船とシャワーのあるお風呂があるので、個浴でくつろぐ入居者もいるという。
お風呂を出た後には、同じ階のリラックスルームでくつろげる。まるでどこかの温泉に来たかのような気分を毎日味わえるのはうらやましい限り。自由に使えるヘルスメーターやエルゴメーター、マッサージチェアなどの健康機器が常備されている。屋上庭園に面しているので、整えられた緑を眺めるのを楽しみにしている入居者も多いという。
開設から28年が経つが、古びた雰囲気はなく、時間を重ねた重厚な雰囲気を感じさせるカルムコート武蔵野。新しいものを積極的に取り入れて運営していくという方針のもと、今後も快適な生活空間を作ってくれそうだ。
→老後の理想の住まいを実現!檜風呂からの眺望が抜群の介護付き有料老人ホーム<前編>
→椅子ヨガで介護予防!自立期から住める介護付き有料老人ホーム<後編>
手厚い「個別ケア」を実現した介護付有料老人ホーム「チャームプレミア目白お留山」
西武新宿線「下落合」駅より北へ徒歩約10分のところにある「チャームプレミア目白お留山」。歴史ある閑静な住宅地として知られている目白お留山にあるこちらの施設は、最上級のホスピタリティを目指し、個別ケアに力を入れているという。
訪れてまず目に入るのが、エントランスの大きな絵画。ホーム内には80点ほどが飾られているという。チャームプレミア目白お留山だけではなく、チャーム・ケア・コーポレーションが運営する他の施設にも絵画はあるそうだ。絵画がきっかけとなって、入居者とスタッフ、入居者同士のコミュニケーションが生まれることも多いという。
こちらの施設を作る際、今まで運営してきた施設の入居者から出てきた要望を精査するところから始めたという。様々な声を聞いていく中で出てきた答えが「個別ケア」。個別ケアを実現するため、「傾聴タイム」「機能訓練の目白倶楽部「プレミア食」「アクティビティの目白を楽しむ日」という4つのサービスを行っているそうだ。
傾聴タイムでは、個別で週1回コンシェルジュとの会話を楽しめるという。会話を望まない場合は、近隣への散歩などの個別の時間として利用することもできる。強制されるものではなく、一人ひとりの希望に合わせて行われてるそうだ。入居直後で不安感を抱えている方や、本当は聞きたいことがあるがなかなか言い出しにくいと感じている方に特に効果があるという。
目白倶楽部と名付けられた機能訓練では、60分・週2回のリハビリプログラムを受けられるという。プレミア食は、週1回の趣向を凝らした食事のこと。毎月の季節行事に合わせた特別食、薬膳などのイベント食に加えて提供されており、楽しみにしている入居者も多いそうだ。
目白を楽しむ日と名付けられたサービスでは、一人ひとりにアクティビティプランを作成し、1日に1つ以上のアクティビティに参加できるようにしているそうだ。アクティビティは「みんなで楽しむ日」「音楽と趣味を楽しむ日」「体力と芸術を楽しむ日」「気分転換の日」「懇親を深める日」「体力と娯楽を楽しむ日」「趣味と文化を楽しむ日」などのテーマで開催されているという。
入浴も個々のプライバシーや衛生面に配慮し、例えばお湯を全て一人ひとり入れ替えるといった配慮もなされているそうだ。また、医療面でも個別に対応する体制を整えている。対応可能なこととして、胃ろう、在宅酸素、褥創(じょくそう:いわゆる床ずれのこと)、インスリン、ペースメーカー、透析などがある。それ以外に、応相談のこととして、気管切開、鼻腔経管、たん吸引などがある。医療面については、単純に線引きできないことも多く、状態を総合的に判断する必要があるので、まずは相談することが必要だ。
→手厚い「個別ケア」を実現した介護付有料老人ホーム<前編>
→手厚い「個別ケア」を実現した介護付有料老人ホーム<後編>
贅沢で多様な共用空間を備えた介護付有料老人ホーム「クラーチ・フィエラ鷺ノ宮」
西武新宿線「鷺ノ宮」駅から徒歩11分のところに2017年にオープンした「クラーチ・フィエラ鷺ノ宮」。ここの特徴はなんといっても充実した共用部分だ。
運営する「株式会社クラーチ」は「終の住まいとして上質で居心地のよい空間演出」「できるだけ介護を必要とせず、元気であり続けられる健康サービスの提供」「お客様の期待を上回るホスピタリティの追求」という3つのコンセプトを掲げているという。充実した共用施設を見れば、そのコンセプトにも納得がいく。
訪れた際にまず驚かされたのが茶室だ。本格的な茶室が独立して、まるで離れのように作られている。これは「贅を尽くす空間であること」という思いから作られたものだという。
茶室のほかにも、入居者への思いが表れている箇所がいくつもある。ガラス張りで開放感のあるロビーに用意された、リハビリスペースもその一つ。リハビリ機器は入居者のニーズに合わせて運営開始後に導入したものだという。最初から完成形として提供するのではなく、入居者様の様子を見ながらニーズを捉えて合わせていく方針とのこと。
ロビーにはカフェコーナーも設置されており、入居者はもちろん、入居者の家族や友人が共に時を過ごす場所として活用されている。「ホスピタリティの追求」を目指して運営する中で、大きな役割を果たしているコンシェルジュがここでも活躍している。タクシーの手配や郵便物を預かるなど、日常的な生活の手伝いもしてくれるコンシェルジュだが、ただ受付に座っているだけではない。ロビーにあるカフェコーナーで入居者と堅苦しくない、温かみのあるコミュニケーションをとるのも大切な業務の一つだという。
ルーフテラスとつながったアトリエも、特徴的な共用部の一つ。このアトリエは趣味を楽しめる空間で、キッチン設備もある。入居者自身がここで料理を作り、ルーフテラスで味わいながら語らいを楽しんでいるという。茶室やカフェ、キッチンのあるアトリエ、そしてルーフテラス。クラーチ・フィエラ鷺ノ宮には、リゾート施設のような洗練された時間を過ごすための贅を尽くしたスペースが用意されている。
居室は1人用と2人用が用意されており、夫婦での入居も可能。広さや部屋のタイプが違うので、実際に見学をして、それぞれのライフスタイルに合ったものを選びたい。
充実した共用施設を備えているクラーチ・フィエラ鷺ノ宮。入居者のニーズに合わせて進化し続ける住まいを、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。
→贅沢で多様な共用空間を備えた介護付有料老人ホーム<前編>
→贅沢で多様な共用空間を備えた介護付有料老人ホーム<後編>
商業施設と落ち着いた住宅街がバランスよくある駅が多く、幅広い年齢層に人気となっている西武新宿線沿線。同じような環境で暮らし続けたい人は、沿線にある高齢者向けの施設を早めにチェックしておきたい。
撮影/津野貴生 取材・文/ヤムラコウジ
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
※過去の記事を元に再構成しています。サービス内容等が変わっていることもありますので、詳細については各施設にお問合せください。