手厚い「個別ケア」を実現した介護付有料老人ホーム<後編>
チャームプレミア目白お留山
「チャームプレミア目白お留山(めじろおとめやま)」は、個別ケアに真正面から取り組む施設として2017年2月1日にオープンした。前編では個別ケアの具体例として、4つのサービスを紹介した。今回はさらに、個別ケアの取り組みについてホーム長の伊田幸太さんに聞いていく。
「個別ケアを実践するには、何よりもひとりひとりの状態や個人史をしっかり把握することが大切です。人はそれぞれの価値観を持っていますから、相手に合わせて対応を変えるのは当然です。それはスタッフも同じで、褒めて成長する人もいれば、褒めると油断してしまう人もいる。そんな発見があった時はいつもわくわくします」(伊田さん、以下「」は同)
たとえば入浴。個々の状態に合わせて対応が可能で、プライバシー、衛生面も確保されている。お湯をひとりひとり全て入れ替えるといった配慮もなされているのだ。
医療面でも個別に対応する体制を整えている。対応可能なこととして、胃ろう、在宅酸素、褥創(じょくそう:いわゆる床ずれのこと)、インスリン、ペースメーカー、透析などがある。それ以外に、応相談のこととして、気管切開、鼻腔経管、たん吸引などがある。医療面については、単純に線引きできないことも多く、状態を総合的に判断するのでまずは相談することが必要だ。
個別ケアは部屋への閉じこもりを防ぐ
「個別ケアはひとりひとりの問題解決のためにあります。心に寄り添い、声がけをします。結果としてその方に合ったアクティビティを用意できるので、部屋に閉じこもらないようになります」
高齢者向け施設では、部屋に閉じこもってしまうことが問題の1つになっている。話をする相手がいない、食事が合わない、興味を持てるアクティビティがない…といった理由で部屋から出ず、ずっとテレビを見ている状態になりがちだ。その状態が続くと、身体機能の低下や生活意欲の減退を招いてしまう。
チャームプレミア目白お留山は、パナソニックの「デジタルミラー」を導入している。このリハビリ機器は、トレーニングメニューが豊富に搭載されていて、楽しみながら継続できるようになっている。ミラーに出てくるお手本映像を見ながらリハビリに取り組め、座位でできるトレーニングも用意されているので、立つことがつらい状態でも利用可能だ。
また、数字的なデータや記録した写真で、たとえば腕が上がるようになったなど効果をチェックできるので、モチベーションも高まる。閉じこもり防止の、強い味方になっているという。
高齢者向け施設を見学する時のポイントとは?
伊田さんは在宅介護を行う会社での勤務経験を持っている。伊田さんによると、施設・在宅介護でそれぞれに良さがあり、本人の状態や家族の状況などで選ぶのがオススメとのことだ。
「チャームプレミア目白お留山は、365日24時間、面会可能です。仕事で帰りが遅いご家族にも対応できます」
24時間面会可能であることは、スタッフ数の限られている施設で簡単にできることではない。しかし、在宅であれば当たり前のことを実現したいと伊田さんは話してくれた。仕事から帰る時間が遅い家族にとってはうれしいポイントだ。
「私たちは入居者様の底力を引き出したいと思っています。実際、その方の限界を決めてしまうのは大抵、周りの方です。でも本当は、その人自身も思っていなかったような力がまだまだ隠れていることがあります」
在宅と施設、それぞれの介護の良い面を知っている伊田さんに、施設を選ぶ際のチェックポイントを教えてもらった。
「3つあります。具体的な取り組みは何か。お客様やスタッフが笑顔でいるか。そして、玄関がきれいに清掃されているかどうかです」
伊田さんによると、いわば顔である玄関がきれいな施設は、他のことにも気を配れている可能性が高いという。今まで取材で訪れた施設を思い返しても、このチェック方法は有効だ。
チャームプレミア目白お留山はオープンしてまだ間もない。入居者と共にこれから歴史を作っていく。アクティビティも3月は「ホームに馴染む。仲間を作る事」がテーマだ。見学も大歓迎とのことなので、一度足を運んでみてほしい。
【データ】
施設名:チャームプレミア目白お留山
公式WEBサイト:http://www.charmcc.jp/east_homes/charmpremier_mejirootomeyama/
所在地:東京都新宿区下落合4‐19‐5
最寄駅:西武新宿線「下落合」駅より北へ約880m、JR山手線「目白」駅より西へ約1.2km
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:株式会社チャーム・ケア・コーポレーション
敷地面積:1914.09平方メートル
延床面積:2541.97平方メートル
室数:60室
入居要件:混合型(自立除く)要支援・要介護
構造:鉄筋コンクリート造 地上3階建
開設年月日:2017年2月1日
料金:
●プラン1「家賃相当額毎月払」/前払金0円、月額利用料47万2800円
●プラン2「家賃相当額一部前払」/前払金720万円、月額利用料35万2800円
●プラン3「家賃相当額一部前払」/前払金1440万円円、月額利用料23万2800円
※月額利用料内訳/家賃相当額6万~30万円(居室及び共有部の利用にかかる費用。料金プランにより異なる)、管理費9万7200円、食費7万5600円(30日分概算として計算)
撮影/津野貴生
【このシリーズのバックナンバー】
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●自立支援介護に実績のある介護付有料老人ホーム<後編>
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