介護施設に広がる省エネ・創エネ|千葉松戸に新オープンした環境配慮型の「サービス付き⾼齢者向け住宅」
快適な室内環境を整えながら、冷暖房や換気、給湯、照明などのエネルギー消費量を抑えた老人ホームに注目が集まっている。効率的な省エネルギー設備を備えたサービス付き⾼齢者向け住宅『ココファン松戸六実』が2025年3月にオープンしたのでご紹介する。
介護施設に増える省エネ・創エネの取り組み
節電や節水、リサイクルなど環境に与える影響を抑える取り組みが進む現代。最近では建築物にも消費エネルギーの削減や再生可能エネルギーを活用する取り組みが広がっている。
建物全体で消費するエネルギーを熱換算した一次エネルギーを目安に、省エネ・創エネ(自家発電)の2つの軸を基準に評価を行うのが「ZEB(ゼブ)」だ。
「ZEB」とは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称のこと。一次エネルギーの削減量に応じて、ZEB(ゼブ)、Nearly ZEB (ニアリー ゼブ)、ZEB Ready(ゼブ レディ)、ZEB Oriented(ゼブ オリエンテッド)の4つに分類される。
国土交通省が主導する建築物の省エネルギー性能に特化した第三者評価機関による認証制度で、高い評価基準をクリアした建築物にのみ認められる。
学研ホールディングスのグループ会社で、⾼齢者⽀援事業を行う学研ココファンも「医療福祉分野の深化とサステナビリティの追求」をテーマに掲げ、環境に配慮した高齢者住宅の建設に着手。
サービス付き⾼齢者向け住宅を中⼼に、現在では223拠点で展開(2025年4⽉1⽇現在)。
環境負荷が少ない建物仕様として「ZEB Ready(※)」水準を満たしたサービス付き⾼齢者向け住宅『ココファン松戸六実』を開設。高齢者住宅「ココファンシリーズ」のサービス付き⾼齢者向け住宅では2棟目の環境配慮型となる。
※ZEB Ready…省エネによって年間の一次エネルギー消費量を50%以上削減している建築物のことを指す。
環境負荷が少なく介護施設も充実したサ⾼住が千葉県松戸市に誕生
2025年3月に千葉県松戸市にオープンした『ココファン松戸六実』は、環境に配慮した建物ながら、入居者の安全と暮らしやすさ、ニーズに応じたケアサポートを実現したサービス付き⾼齢者向け住宅だ。
場所は、東武鉄道野田線(東武アーバンパークライン)の六実駅から徒歩2分とアクセスは抜群。静かで落ち着いた雰囲気が広がるエリアにある。
居室は全64室あり、1人部屋だけでなく夫婦や親子で入居できる2人部屋がある。1人用は18.6から29.76平方メートル、2人用は37.2から67.69平方メートルと広さも豊富で、部屋のタイプによって設備も異なる。
車いすのまま利用できるトイレや洗面台を完備。コンセントの位置も高齢者の体型を考慮した高さに設置し、身体への負担が少ないのが特長。居室内のどこからでも通話が可能なナースコールもある。
ミニキッチン、浴室が付いたお部屋もあり、好きな時に好きなだけ料理や入浴を楽しめる。自由に暮らす今の生活の延長線上で、人のいる安心感ある暮らしが実現可能だ。
共有施設には、食堂・ラウンジ・相談室・洗濯室に加えて、学研の書籍が読めるスペースも。
プライバシーが守られる個室や、1人で入浴が難しい人でも安全かつ快適に入浴できる介護浴室もあり、介護スタッフは24時間常駐している。
訪問介護サービス『学研ココファン松戸六実ヘルパーセンター』を併設し、要介護または要支援の人はケアプランに基づいた介護や生活援助が受けられる。
入居後もケアマネジャーに継続して担当してもらえるのも安心だ。
食事は管理栄養士監修のメニューを朝・昼・夕の3食提供し、1食からでも注文可能。四季のイベントに合わせた料理や食材の形状変えた介護食にも対応している。
近隣の医療機関と連携し、定期的な診療を受けられる。通院が難しい場合は施設への往診、訪問看護も利用できる。
『ココファン松戸六実』含め、2025年度中に4棟の「ZEB Ready」水準のサ高住を開設予定だという。
省エネを実現した介護施設は、環境と体に優しい暮らしを希望する人には最適な住まいとなるだろう。
【データ】
『ココファン松戸六実』
https://www.cocofump.co.jp/facilities/matsudomutsumi
開設日:2025年3月1日
住所:千葉県松戸市六実5丁目26番1
入居条件:満60才以上 ※審査があります
料金:月額費/ 140,700〜147,700円(賃料・共益費・生活支援サービス費) ※Aタイプ(18.6〜21.7平方メートル/1人用)
※月額費の他に食費、介護保険負担額や医療費などがかかる。
居住の権利形態:終身賃貸借契約
土地建物の権利形態:事業主体非所有・建物賃貸借契約
※学研ホールディングスの発表したプレスリリース(2025年3月3日)を元に記事を作成
写真/学研ホールディングス提供 構成・文/松藤浩一
●最新版「サ高住・住宅型有料老人ホーム」11選 手厚いケアが魅力の介護施設をプロが解説