スマホを見る姿勢・うつぶせ寝などの習慣が招く「猫背」で老人体形に!?
猫背、フラット、反り腰…。そんな姿勢を続けていると、65才頃には誰が見ても“腰が曲がっている”状態になりかねないと、『市谷八幡クリニック』院長で専門医の古賀昭義さんは警鐘を鳴らす。
「40~50代で姿勢の悪いかたは多くいますが、さすがに腰は曲がっていません。しかし、この年代は閉経など体に大きな変化のある時期です。姿勢の改善を含め、ケアをしないままでいると、60代中盤で、いわゆる老人体形になる可能性があります」(古賀さん)
そんな腰曲がりの初期段階が猫背だ。『ファミリーカイロプラクティック三鷹院』院長の佃隆さんは、猫背は生活のささいな習慣によって症状が進んでいくと言う。
「無防備な姿勢でスマホを見る、クヨクヨと思い悩む、うつぶせで寝る…ごく普通の習慣ですが、こういった生活の積み重ねが猫背を招き、ひいては腰曲がりにつながり、寝たきりのリスクも高めてしまいます」
猫背・腰曲がりを防ぐには、日常生活が重要。普段の食事や生活に取り入れれば、姿勢の悪さの改善につながるささやかだけど大切な4つのことを紹介する。
目次
熱めの湯に耳たぶまで浸かる
夏はシャワーで済ませてしまう人も多いが、姿勢の悪さを実感している人は、毎日、短時間でも入浴を。佃隆さんはこう話す。
「猫背や腰曲がりなどの姿勢は、ただでさえ背骨の中の血流が悪いので、しっかり湯船に浸かりましょう」(佃さん)
血流を改善するには、40~42℃の熱めの湯に、5分程度でも耳たぶまで浸かろう。
「耳たぶを意識して湯船に浸かれば、自然に首全体を温めることができます。水圧も全身にかかるため、血流改善に最適です」(佃さん)
リラックスしたい時は38~40℃のぬるめの湯が◎。
コラーゲンを積極的に摂取
髪や肌にハリやツヤがない。そう感じているなら、体内のコラーゲンが減っている証拠。古賀昭義さんは言う。
「コラーゲンの減少は、骨の強度に大きく影響しています。コラーゲンは50代では20代の約70%になってしまうほど、加齢に伴い減少してしまうのです」(古賀さん)
そこで、豚足、鶏皮、豚バラ肉、スッポンなどの食品や、サプリメントから積極的な摂取を心がけよう。
「コラーゲンはビタミンCと一緒に摂ることが重要。ビタミンCは1日1000mgの摂取量が目安です」(古賀さん)
ビタミンCは食後に摂ると、体外に排出されにくいので◎。
ビタミンDをチャージ
強い骨を作るには乳製品や小魚、大豆製品などに多く含まれるカルシウムが必要。効率よく体内に吸収するためには、ビタミンDと一緒に摂るのがおすすめだ。
「ビタミンDは、きくらげや鮭に多く含まれる栄養素ですが、1日15分程度の日光浴でも、体内に合成されます」(古賀さん)
とはいえ、紫外線による肌へのダメージが気になる場合は、日傘をさそう。
「黒い日傘はUV遮蔽率が高いので、ビタミンDの摂取には、多少の紫外線を通す淡い色の日傘がおすすめです。1日10~15分でいいので、外を歩きましょう」(古賀さん)
スマホは正しい姿勢で見る
長時間スマホやパソコンを見ていても、体に負担がかからない方法がある。
「スマホは画面中央を目線の高さにして、左手でスマホを持つ場合は、右手の甲で左ひじを支えます。この時、右手はグーにして指を少し上げること。これで右手の肩にも力が入り、両手でスマホを支えられるのです」(佃さん)
パソコンを見る時は、本体の下に箱などを置き、画面の中央が目線の高さになるように調整すると、うつむかずにキーが打てる。
「前傾する作業の時は“頭を首の上に乗せる意識”を持つといいですよ」(佃さん)
続いては、腰曲がりに関する素朴な疑問に古賀さんが答える。