兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし「第46回 兄のケータイに電話がかかってきました」
若年性認知症を患う61才の兄は、ライター業の妹、ツガエマナミコさんと2人で暮らしている。仕事を辞め、ほぼ1日中自宅のリビングにいる兄と仕事の多くを家でこなす妹は、一つ屋根の下で長時間一緒に過ごしているのだが…。
ツガエさんが2人の日常を綴る連載エッセイ、今回は、兄に幼なじみから電話がかかってきたエピソードだ。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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幼なじみと旧交を温めた兄でしたが…
つい先日、またまたほっぽらかし状態になり充電切れしていた兄のケータイ電話に気づき、「ダメじゃん、充電しなきゃ」と言って充電をはじめると、その30分後、待っていたかのようにケータイが鳴り出したのでびっくりしました。
兄は操作の仕方を忘れているので、モタモタしているうちに音が切れてしまい、しばらくケータイ電話を外側から眺めるあり様。そんな兄からケータイをひったくり、わたくしが着信を調べると、見覚えのあるお名前が出てきました。兄と小、中学校を共にした幼なじみのTさんでございます。
当時は、団地族で、そこら中に友達がおりました。兄は特に仲のいい4~5人とつるんで、家に呼んだり、呼ばれて行ったりしておりましたっけ。
「Tさんからだよ。覚えてる?」と言うと「おお、Tか。なんだろう。昔さ、団地のあっちの方に居たんだよ」と言うので