介護は住み慣れた場所で!注目の地域密着型サービスとその費用
介護を自分一人や家族だけで担うのはすごく大変なもの。そんな時に真っ先に思い浮かべてほしいのが「地域包括支援センター」だ。市町村の中学校区ごとにある高齢者支援のよろず相談所で、介護保険の申請手続きのほか、サービス内容やケアマネジャー(ケアマネ)なども紹介してくれる。
申請をすると認定調査を経て要介護認定が行われ、要介護度(非該当、要支援1・2、要介護1~5の8段階)が決められる。要介護度が決まると、1か月に使えるサービスの限度額がわかるので、ケアマネと相談しながらケアプランを立案していくことができる。
地域住民のニーズに合ったサービスを提供
今、注目度急上昇なのが、地域密着型サービスだ。「可能な限り住み慣れた場所・家で」を理想した介護の形を理想している。
原則として、事業所がある市町村の被保険者のみが利用できる介護サービスがいくつかある。地域住民のニーズに合ったサービスを提供してくれるので、仕事と介護の両立が可能になることも。
介護状態が進んでも住み慣れた地域で暮らせるように高齢者を支援してくれる。そんなサポート体制を紹介しよう。
●小規模多機能型居宅介護
1つの事業所で、「デイサービス」「訪問介護」「ショートステイ」を組み合わせて利用する。どのサービスも顔なじみのスタッフが対応してくれるので安心感がある。自己負担額は1か月あたり1万1229円のほか、食費や宿泊費などがかかる。
●地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
定員29人以下の特別養護老人ホームで、原則的に要介護3以上で利用できる。ユニット型の個室に入所した場合、1か月の自己負担額は2万4506円(おむつ代含む)。このほか、部屋代5万9100円、食費4万1400円などがかかるが、低所得者には軽減制度がある。
(※要介護3の場合。部屋代、食費は国の標準的な金額)
●地域密着型通所介護
定員18人以下の小規模なデイサービスで、日帰りで食事や入浴、機能訓練などを受けられる。1日あたり(7~9時間)の自己負担額は788円。入浴サービスを利用すると1日54円が加算される。このほか、食費や雑費は別途負担。
●夜間対応型訪問介護
夜10~翌朝6時までの夜間帯にヘルパーが自宅を訪問し、排泄の介護や緊急時の対応を行うサービス。定期的に訪問してもらう「定期巡回」、緊急時だけ来てもらう「随時対応」の2種類がある。定期巡回は1回あたり410円。
●地域密着型特定施設入居者生活介護
定員29人以下の小規模な介護付き有料老人ホームに入居して受ける介護サービス。1か月の自己負担額は1万7142円(要介護1の場合)で、家賃や水道光熱費、食費、おむつ代などが別途かかる。
●認知症対応型通所介護
認知症と診断された人専用のデイサービス。日中、事業所に通って食事や入浴などの支援や介護を受けたり、機能訓練を行ったりする。1日(7~9時間)あたりの自己負担額は1072円で、このほか、食費やおむつ代などが別途かかる。
●看護小規模多機能型居宅介護
デイサービス、訪問介護、ショートステイを組み合わせた「小規模多機能型居宅介護」に、看護師による「訪問看護」をプラスした「複合型サービス」。1か月あたり1万3427円の自己負担のほか、食費や宿泊費などの実費がかかる。
●認知症対応型共同生活介護
「認知症高齢者グループホーム」と呼ばれる居住系サービスで、認知症の人が5~9人の少人数で共同生活を送る。自己負担は1か月あたり2万4410円(1ユニットの場合)。このほか、部屋代、水道光熱費、食費などが別途必要。
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護
日中・夜間を問わず24時間対応してもらえるのが特徴。介護職員が定期的に自宅を巡回し、食事や排泄などの介護をしてくれるほか、看護師による訪問看護も受けられる。緊急時の対応もあり、介護・看護の両方の利用で1か月あたり9180円。
※料金は、要介護1で1割負担の場合の目安。(横浜市介護事業指導課「地域密着型サービス料金表」より)各種加算を除く。地域により単価は異なる。
※女性セブン2018年3月8日号
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