”ある日突然”に慌てない!介護認定と負担額まるわかり
ある日突然始まるかもしれない親の介護、もしかしたら自分も誰かのお世話になる日がくるかもしれない。でもいざ「介護」と直面するとわからないことばかり。手探りで進めていても“これがいちばんいい選択なのか”“他にも受けられるケアがあるのでは”と不安がつきものだ。
なかでも「お金」については当事者だけでなく、家族の生活にもかかわる重大事項。しかしあまりにも複雑…。そんな不安を解消し、「来たる日」に備えよう。
介護の不安は「知らない」ことにある
その「備え」となるのが「介護保険」だ。
40才になると加入が義務づけられる介護保険、原則的に65才以上で介護が必要になった人が利用できる。1か月あたりのサービスの限度額は要介護度に応じて異なる。利用者は、実際に使ったサービスの1~2割(2018年8月以降は1~3割)を所得に応じて負担する。
介護保険があるとはわかっていても、「相談窓口はどこ?」「介護サービスはどうしたら使える?」といったことを知らない人は多い。まずは介護保険を使うための手順を確認しておこう。
真っ先に思い浮かべてほしいのが「地域包括支援センター」だ。市町村の中学校区ごとにある高齢者支援のよろず相談所で、介護保険の申請手続きのほか、サービス内容やケアマネジャー(ケアマネ)なども紹介してくれる。
申請をすると認定調査を経て要介護認定が行われ、要介護度(非該当、要支援1、2、要介護1~5の8段階)が決められる。
年金・社会保障問題を専門とし、『介護保険の改正 早わかりガイド』(日本実業出版社)など多数の著書がある社会保険労務士・井戸美枝さんはこう説明する。
「要介護度が決まると、1か月に使えるサービスの限度額がわかるので、ケアマネと相談しながらケアプランを考えていきます」(井戸さん)
介護認定と負担額
【要介護1】
立ち上がり、歩行が不安定。入浴などに部分的に介助が必要。
●支給限度額(自己負担額※1割)→16万6920円(1万6692円)※負担額は所得によって異なる
●利用できるサービスの例
訪問介護=週3回
訪問看護=週1回
通所系サービス=週2回
短期入所=3か月に1週間
福祉用具の貸与=1日1回程度 など
【要介護2】
立ち上がり、歩行が困難。入浴や食事に多くの介助が必要。
●支給限度額(自己負担額※1割)→19万6160円(1万9616円)
●利用できるサービスの例
訪問介護=週3回
訪問看護=週1回
通所系サービス=週3回
短期入所=3か月に1週間
福祉用具の貸与=1日1~2回程度 など
【要介護3】
立ち上がりや歩行が著しく困難。入浴や着替えになど全面的な介助が必要。
●支給限度額(自己負担額※1割)→26万9310円(2万6931円)
●利用できるサービスの例
訪問介護=週3回
訪問看護=週1回
通所系サービス=週3回
短期入所=2か月に1週間
福祉用具の貸与=1日2回程度 など
【要介護4】
介護なしでは日常生活を送ることが困難。
●支給限度額(自己負担額※1割)→30万8060円(3万806円)
●利用できるサービスの例
訪問介護=週6回
訪問看護=週2回
通所系サービス=週3回
短期入所=2か月に1週間
福祉用具の貸与=1日2~3回程度 など
【要介護5】
寝たきりで日常生活のほぼすべてに介護がなければ生活不可能。
●支給限度額(自己負担額1割)→36万650円(3万6065円)
●利用できるサービスの例
訪問介護=週5回
訪問看護=週2回
通所系サービス=週1回
毎日2回の夜間対応型訪問介護
短期入所=1か月に1週間
福祉用具の貸与=1日3~4回程度 など
※この他、要支援1、要支援2もあります。
監修:井戸美枝さん
※女性セブン2018年3月8日号
【関連記事】