今常備するべき市販薬リスト|医師も使用する常備薬!自宅でなんとかしたい人必見!
婦人科系の病気では、どの市販薬がいいのだろう。デリケートな場所であるだけに、効き目とともに成分や体への負担も気になるところだ。東邦大学医療センター大橋病院の婦人科医・髙橋怜奈さんはこう話す。
「生理用ナプキンや尿もれシートが擦(こす)れたりして起こる、かゆみやかぶれには、リドカインという抗炎症成分配合の『フェミニーナ軟膏S』がおすすめです。病院ではより高濃度で強い薬を処方しますが、まだ症状が軽い場合は安全性が高いこともあり、同軟膏でまったく問題ありません。ただし、カンジダには効かないため、カンジダが原因でかゆみがある場合は、必ず病院を受診してください」
このほかデリケートゾーンのトラブル予防のために普段から常備してほしいと髙橋さんが推奨するのが、デリケートゾーン専用の泡石けん『コラージュフルフル』だ。
「医薬部外品で、抗菌成分とカビを防ぐ抗真菌成分が配合されています。腟は無菌ではなく、常に善玉菌と悪玉菌がバランスを保っている。つまり、生理中や体内の免疫力が下がっている場合には、腟内の善玉菌が減って悪玉菌が増え、おりものがにおったり、腟が炎症を起こしたりしてしまいます。腟は高温多湿になりやすく、場所が肛門にも近いので、菌が繁殖しやすい環境にある。同石けんを使っていれば、ごく初期の軽い症状の段階なら悪化を防ぐことができ、自力で回復することも可能です」(髙橋さん)
更年期症状に悩んでいる人は、『命の母A』に頼るのも1つの手。
「この時期、病院に行くのが不安と感じるなら、これでうまくしのぐといいでしょう。ただし、コロナが終息したら、ホルモン療法を受けるなど、病院で根本的な治療を行うようにしてほしい」(髙橋さん)
●湿布・塗り薬
テレワークを続けていると、首、肩、腰の痛みにも悩まされる。湿布薬や軟膏は何を常備しておけばいいのか。松浦整形外科の井上留美子さんは処方されるものと同じ成分の湿布を挙げる。
「貼るタイプの痛み止め『ロキソニンSテープ』や『ボルタレンEXテープ』『ゼノール』などの市販薬は、処方薬と効能がほぼ同じ。処方薬の方が安く入手できますが、市販薬を常備しておけば、いざというときすぐに使えます。ただし、有効成分や濃度の差があるため、人によって合う、合わないがある。自分に合うタイプを普段から知っておくといいでしょう。また、首筋から背中にかけた“縦のコリ”には、実は『葛根湯』も効果があります」
切り傷ややけどの治療や化膿予防なら、『ドルマイシン軟膏』がおすすめだという。
「抗生剤が2種類入った塗り薬です。多くの菌に対して抗菌効果を発揮するから、ちょっとした傷なら、まずきれいに流水で洗った後、『ドルマイシン軟膏』を塗っておけばいい。すぐに絆創膏(ばんそうこう)を貼ろうとする人も多いですが、貼りっぱなしにしておくと雑菌の温床になってしまうので、逆効果です」(井上さん)
●目薬
巣ごもり生活でテレビやパソコン、読書の時間が増え、目の不調を感じている人も増えている。みさき眼科クリニック院長の石岡みさきさんも、「目の疲れ」を訴える人が増えていると話す。
「疲れ目のために市販の目薬を使うなら、ビタミンB群が配合されている“赤い液体”のものを。なかでも『ソフトサンティア ひとみストレッチ』は、涙の代わりになる人工涙液に、ビタミンB12だけを配合したもの。防腐剤など余計なものが入っていないのでおすすめです」(石岡さん)
目のかゆみや充血がある場合は、アレルギーの症状に効く『ザジテンAL』が石岡さんのおすすめだという。一方、重いドライアイに効く目薬は残念ながら市販薬にはないそうだ。
「疲れ目用の目薬を使っても改善されない場合は、ドライアイの可能性が。すみやかに眼科を受診してください」(石岡さん)
●口腔内ケア
ウイルスは鼻や口などの粘膜から体内に侵入するため、コロナ予防には口腔内のケアも重要だ。
「口腔内の細菌が全身の病気の原因になることはよく知られていますが、それに加えて口腔ケアをすることで、ウイルス感染も減らせる可能性があります。歯磨きをしていないと、口の中の細菌が増殖します。細菌からプロテアーゼという酵素が出て、ウイルスが侵入しやすい状態になってしまうのです。ブラッシングをして歯の汚れやプラーク、細菌を取り除き、口腔内環境を清潔な状態にしておけば、ウイルス感染予防にもつながります」(東陽町歯科院長の大谷直さん)
大谷さんが推奨する歯磨き剤は、『シュミテクト歯周病ケア』。
「フッ素の配合量が、市販のものでは最高の1450ppm。これを使っていれば、虫歯を削らなくても再石灰化するといわれています。加えて歯周病ケアもできるので、ウイルス対策にはいちばんいいと思います」(大谷さん)
外出先ではなかなか歯磨きをする機会がないが、そんなときにおすすめなのが、口腔用スプレーの『アクアバランス』だ。
「口の乾きを抑えることで、細菌やウイルスの増殖を防ぎ、感染を予防することができます。持ち運びしやすいので、いつでもひと吹きできるのがいいですね」(大谷さん)