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お彼岸に考える死者との対話|死んだ夫ともう一度話したい…

 死んだ夫ともう一度話をしたい…。夫が急死し悲しみに暮れる妻のAさん、6年前に死んだ父親から語りかけられたと話すBさん。実際の体験談から、死んだ人との対話について専門家に聞いた。死者を供養するお彼岸を前に、大切な人を亡くした後の過ごし方を考察。

墓参りする女性のイメージ

突然亡くなった夫ともう一度話したい

 今年1月、急性心不全で夫(享年66)を亡くした千葉県在住のAさん(59才)は、四十九日法要を終えたいまも、心の整理がつかないでいる。

 市役所を定年まで勤め上げた夫は、昨年再雇用を終えた。久しぶりの夫婦水入らずの生活が始まったが、口げんかが絶えなかったという。

「朝起きてこなくて、慌てて救急車を呼んだのですが、間に合いませんでした。苦しまずに逝けたのかとか、けんかのことを謝りたいとか、ちゃんと感謝したいとか、言いたいことがいろいろあって…。夢の中でいいからもう一度話したいって、毎日仏壇にお願いしているんです」

 大切な人を亡くしたときに訪れる、後悔や喪失感。突然の別れならなおさらだ。Aさんのように故人とコンタクトを取りたいと願う人も少なくない。

死者との対話には後悔や不安を取り去る

『神さまとつながる方法』(日本文芸社)、『神さまとの直通電話』(三笠書房)などの著書を持つ波動セラピストのキャメレオン竹田さん(43才)は、いわゆる“見える人”でなくても、亡くなったかたとコンタクトを取ることは、誰にでもできると語る。そのためにはまず、後悔や不安を取り去る必要がある。

 あの世、天国―― 一般的に死後の世界はそういわれるが、彼らは一体どこへ行くのだろうか。

「死後の世界にあるのは“意識”だけです。肉体を脱いで自分が死んだことを自覚すると、この世を脱し、“意識の集合体”に還ります。そのときに、その人の意識がどんな状態かによって、行き先が変わります」(キャメレオンさん・以下同)

 キャメレオンさんによれば、この世界のあらゆるものは常に“波動”を発していて、同じ波動のものを磁石のように集める法則があるという。そばにいると「なんとなくいい感じ」とか「妙にしっくりくる」というのが、“波動”が同じ証拠だ。人間だけでなく、物や場所、そして“故人の意識”にも波動は存在する。

「死ぬ間際にその人が幸せな波動を発していれば、天国のような幸せな世界へ行きますし、自殺や心中などで、死の間際に不幸な波動を発していれば、地獄のような苦しい世界を体験することになります。“早く人間に生まれ変わりたい”と強く思って波動を発していれば、思い通りの道に進みます」

 どんな道を選ぶにせよ、彼らは死後、新しい世界で“生きて”いくことになるのだ。

笑顔で暮らすことが故人への一番の供養に

「肉体を脱ぐ“死”の直前くらいからは、痛みも苦しみもありません。病気や事故で亡くなったとしても、死後苦しみが続くことはなく、遺された人が心配するようなことはないのです。

 むしろ、いつまでも“会いたい”と泣いたり、恨んだり、悔やんだり、つらく苦しい日々を過ごすこと自体が“不幸な波動”となり、彼らの重荷になる。亡くなった人たちにとっても、大切な人が泣いているのが何よりつらいのです」

 故人のためを思うなら、遺された人は幸せに暮らすことが大切だ。供養するときも、形式にこだわる必要はない。

「故人にとって、お墓参りやお供え物を義務的にされるくらいなら、毎日を笑顔で過ごしてもらった方がずっとうれしい。自分のことなんて忘れるくらい幸せに過ごして、たまに思い出してもらえたり、話しかけてもらえるだけで充分なのです」

死者からの語りかけは夢の中で…

 キャメレオンさんは、直接、またはある現象を通して故人からのメッセージを受け取ることが多いという。

「白血病で亡くなった友人は、生前から“私が死んだらお葬式は盛大にやってね”と言っていて、実際、華やかなお葬式になりました。そうしたら、式の3日後、夢の中でその友人からテンションの高い電話がかかってきて、“結婚式みたいに素敵だった。ありがとうって、みんなにも伝えてね!”と、とてもうれしそうにしていました」

 眠っているときは、いわば“無意識状態”。雑念がないため亡くなった人たちと波動が合いやすく、メッセージを受け取りやすいとされている。また、こんな“現象”でメッセージをくれる故人も。

家電を通じて父からのメッセージを体験

 東京都に暮らす主婦のBさん(58才)は、6年前に父を亡くした。無類の酒好きだった父の仏壇には、夫が毎晩日本酒を供えて晩酌をしていたが、つい、酒を供えるのを忘れてしまったある日、急にテレビがついたり消えたりしたという。「お父さん、来てるの?」とテレビに向かってこわごわ尋ねると、点滅はやんだ。

テレビがついているイメージ写真

 ほかにも、「亡くなった友人の話をした直後に、電源を落としていたはずのスマホ画面に、友人のSNSのアカウントが表示された」など、電化製品を通じた“メッセージ”を体験したという人は多い。

台所の電気が…亡くなった祖母の知らせ

「祖母の仏壇にご飯をお供えするのを忘れた日のこと。祖母が亡くなってからはずっと使っていなかった台所の電気が勝手についたことがあります。そうすることで、祖母は“忘れてるよ”と知らせてきた。波動は電磁波のような目に見えない“波”なので、電化製品を操りやすいのです」

 こうした“現象”も、亡くなった人とつながっている証。“怪奇現象だ”“怒らせた”などと、怖がる必要はない。

恐れず生前と同じように語りかけて

「こうした“メッセージ”は、ごく自然なこと。見えない存在を信じなきゃとか、怖いなどと思って恐れおののいて“別もの”とするのではなく、“肉体がないだけで、中身は同じ”とみてあげれば、もっと直接的にメッセージを受け取れるようになるでしょう。もちろん、生まれつきや環境によって、“つながる”ことが得意な人はいます。ですが、“見える”“見えない”はさほど重要ではありません。身構えずに、生きていた頃と同じように語りかけることが大切です」

教えてくれた人

キャメレオン竹田さん/波動セラピスト。『神さまとつながる方法』(日本文芸社)、『神さまとの直通電話』(三笠書房)などの著書を持つ。http://www.chamereontakeda.com/

※女性セブン2020年3月19日号
https://josei7.com/

●53才の夫は死に向かう妻とどう接したか、悲しみからどう立ち直っていくか

●夫が死んだら妻は家も貯金も相続できる? 新制度「配偶者居住権」とは

●お盆に知っておきたいアチラの話|あなたの知らない死後の世界

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