「耳ヨガ」健康法|耳は全身の縮図。耳をほぐして不調を改善
耳に輪ゴムをかけるだけで全身の不調が改善できる『耳輪ゴム健康法』は、簡単なのに効果が高いと大評判。今回は耳にアプローチする「耳ヨガ」健康法をご紹介。道具もいらず、「ながら」でいつでもどこでも実践できます。
【目次】
ツボが集中する耳は“全身の縮図”
東洋医学では、全身のエネルギーの通り道ともいえる経絡(けいらく)やツボは手や足に投影されると考えられている。「耳ヨガ」「眼ヨガ」など、体の部位に分けたヨガを提唱している龍村修さんによると、全体の様子はその部分に現れ、部分はその全体を表す「部分即全体」という考え方があり、ツボが集中する耳は「全身の縮図」の1つと考えられるという。
「耳全体に、胎児のように体を丸めて頭を下にした姿を投影し、耳たぶが人間にとっての頭部、真ん中が胴体で、耳の穴の近くは腹、上の方が足で、外側の耳輪が背中にあたると考えます。さらに、耳のつけ根に近い部分が消化器系や呼吸器系、真ん中が神経系、外側が循環器系と排泄系にあたるとも考えます」(龍村さん)
耳を触って硬いところがあれば、そこに呼応する体の部位に不調があることを表している。ここをもみほぐしたり、ひっぱったりして耳がやわらかく、温かくなれば、体のこりやゆがみが解消されていく。
耳の近くには脳につながる動脈が通り、多くのリンパ節がある。耳をほぐすことで頭部全体の血液とリンパ液の流れがよくなり、さまざまな効果が得られる
1回1分程度というからなんともうれしい。詳しいエクササイズの方法をマスターして、新生活を控えて緊張しがちな体をほぐし、春ならではの不調に備えたい。
耳ヨガで耳全体をほぐして、全身の不調がすっきり!
例えばヨガを始めたいと思っても、「体が硬い」「ポーズが難しそう」と、躊躇してしまう人は少なくない。だが耳なら、そんな心配はない。
「たとえ足腰が弱っていても、耳ヨガなら座ったままでも寝転んでいてもできます。耳を触りながら痛い部分があれば、そこに呼応する内臓や手足などの不調を知ることもできます。自分の体の変化を知り、自己管理につながるのも、耳ヨガの利点です」(龍村さん・以下同)
必ず息を吐きながら、痛くても気持ちよさを感じる程度の強さでもむこと。また、耳は東洋医学の五臓では「腎」にあたるため、刺激することでむくみがとれる。こりをほぐしていくうちに、気のめぐりが促され、体が楽になったり柔軟性も増す。
「不眠に悩む要介護者の耳をもんであげると、眠れるようになったという話もあります。耳ヨガは、1部分につき1分程度で充分。ヨガでは、“自分の命に聞いて、ちょうどいいだけやりなさい”といいます。いつでもどこでも、気持ちいいという感覚を大事にしながら、行ってください」
耳ヨガ:上部 足全体の気のめぐりを整え、むくみや痛みをとる
足がむくみやすい、ひざが痛い、股関節が開きにくい人は、耳上部を念入りに行うといい。親指と人差し指で探りながらもみ、痛いところを見つけたら、そこをしっかりもむこと。左右差があれば、痛みや硬さがある方を重点的に。
【1】親指と人差し指で、両耳の中央部を息を吐きながらもむ
【2】息を吐きながら、上方向にひっぱり、指をスッと抜くように離す。【1】【2】を数回繰り返す
中央部 肩こり、腰痛、内臓の不調や便秘の改善に
耳の表側の内側に近い部分は消化器系、外側は排泄や循環器系。裏側は肩甲骨から腰にかけての部分にあたる。胃腸の不調が気になる場合は内側を念入りに、肩こりや腰痛などが気になる場合は、裏側をしっかりもんで、ひっぱるといい。
【1】親指と人差し指で、両耳の中央部を息を吐きながらもむ
【2】息を吐きながら、真横にひっぱり、指をスッと抜くように離す。【1】【2】を数回繰り返す
耳ヨガ:下部 頭痛や首痛、眼精疲労、耳の異常に効果あり
耳の下部が硬くて痛みがあれば、首から上に不調があるサイン。
「耳たぶの中央あたりに目のツボがあるので、ここにピアス穴があると目が疲れやすくなることが多い。耳たぶをもむと視界がスッキリし、疲れ目が癒されます」(龍村さん・以下同)。
【1】親指と人差し指で、両耳たぶ周辺を、息を吐きながらもむ
【2】息を吐きながら、真下にひっぱり、指をスッと抜くように離す。【1】【2】を数回繰り返す
耳ヨガ:全体 全身の血行促進で冷え症の改善、ストレス解消に
耳全体を刺激する方法。
「できるだけ素早く、100回ほどこすり、耳が赤くなり耳も体も熱くなればOK。さらに、人差し指と中指の側面で耳の上部をはさみ、上から下まですべらせるようにしてひっぱり、指を離すと、顔のむくみがとれて小顔になります」。
【1】人差し指と中指で両耳をはさみ込み、手のひらを頬にあてる
【2】息を強く吐きながら、耳全体が熱くなるまで上下に素早くこする
耳ヨガのコツ 場所によって指の形を変える
耳ヨガは、気になるポイントを指先でもむのもいいが、親指と人差し指の間にはさんで行うと、幅広い部位を一度に刺激できて効率がいい。耳をひっぱる際は、この指の形でゆっくり行うと効果的。
「手や耳が乾燥している場合は、皮膚を傷つけないよう、クリームなどを塗ってから行って」。
●不調がある耳
指で耳を上下に折り畳んだ際、どこかに不調があれば、痛みでうまく畳めないことがある。
●不調のない耳
上下がぴったりとくっつくように畳めればOK。耳ヨガを行う前後で変化を試してみて。
教えてくれた人
龍村修さん/龍村ヨガ研究所所長。「耳ヨガ」「眼ヨガ」など、体の部位に分けたヨガを提唱している。
撮影/浅野剛 イラスト/いばさえみ
※女性セブン2020年3月12日号
https://josei7.com/
●耳に輪ゴムをかけるだけ健康法で不調に克つ|肩こり・耳鳴り・腰痛を改善!