皇室ゆかりの紅葉を楽しむ|令和元年に歴史ある絶景の旅路へ
萌えるような紅、鮮やかな黄…天皇家ゆかりの地を彩る葉のグラデーション。気温がグッと下がり山々が色づき始め、今年も紅葉シーズンがやってきた。この季節だけのアートな景色に歴史を重ねてみると、また感じ方も変わるもの。
平安時代から始まったといわれる紅葉狩りは、貴族の時代、戦国の世、そして江戸、明治、大正、昭和、平成といつの時代も私たちを楽しませてくれている。令和元年の秋は、皇室ゆかりの地で自然が生んだ芸術を堪能してみませんか。
京都・仁和寺(にんなじ) 古都を代表する寺で錦秋の色彩を
住所:京都府京都市右京区御室大内33
見頃:11月中旬~12月中旬
光孝天皇の発願により888年に創建され、皇族が代々住職を務めた日本最古の門跡寺院で、1994年に世界文化遺産に登録された。重要文化財「五重塔」の前には、春は遅咲きで知られる御室桜、秋には黄金色から真っ赤な赤へと移ろうモミジが境内を彩る。
1999年11月には上皇上皇后両陛下がご訪問され、景色を楽しまれた。
東京・新宿御苑 大都会のオアシスで“紅葉ラリー”を観賞
住所:東京都新宿区内藤町11
見頃:11月上旬~12月上旬
天高い青空にのびる高層ビル群と庭園のコントラストが美しい新宿御苑は、1906年に皇室専用の庭園として造られ、戦後は国民公園となり一般開放された。ハナミズキ、ユリノキ、モミジ、イチョウと11月上旬からさまざまな紅葉を楽しめる。
初めての遠足で庭園を散策された愛子さまと皇后雅子さま(2006年)。
京都・修学院離宮 風光明媚な日本の原風景が秋の装いに
住所:京都府京都市左京区修学院薮添
見頃:11月中旬~11月下旬
17世紀中頃、後水尾上皇が自ら設計して造営した別邸。上・中・下の3つの離宮で構成され、約54万平方メートルという広大な敷地内に、借景として取り入れられている山々や田、農村などが赤や黄に染められている様は見事。※参観は申し込み制。
1986年にチャールズ英皇太子とダイアナ元妃が来日した際には、徳仁さま(現・天皇陛下)が庭園を案内された。
滋賀・比叡山延暦寺 根本如法塔 深山の葉が織りなす圧巻の秋景
住所:滋賀県大津市坂本本町4220
見頃:10月下旬~11月下旬
京都と滋賀の県境にあり、1200年の歴史ある寺院は世界文化遺産にも登録される日本仏教の母山。約2000本を超えるモミジが紅に染まり、美しさを競い合うよう。今年も11月2~24日まで「もみじ祭り」が開催される。
滋賀県行事啓の際に、上皇上皇后両陛下がご訪問された(2007年11月)。
埼玉・平林寺(へいりんじ) 天然記念物の林が秋の陽で深紅に衣替え
住所:埼玉県新座市野火止3-1-1
見頃:11月中旬~12月上旬
天然記念物に指定される境内林は東京ドーム約9個分の広さ。正門から山門にかけての参道や半僧坊感応殿周辺の燃えるようなイロハモミジが見事。
上皇上皇后両陛下が境内をゆったりと散策され、近隣住民との交流も楽しまれた(2009年11月)。
栃木・塩原渓谷 回顧(みかえり)の滝 ダイナミックな滝が壮観の渓谷美
住所:栃木県那須塩原市関谷字西 山国有林
見頃:10月下旬~11月中旬
皇室の別荘「塩原御用邸」(1946年に廃止)が置かれ、皇族が静養のために訪れていた那須塩原。『回顧の吊橋』という吊り橋を渡った対岸の展望台からは、赤、黄、緑が入り交じり、まるで紅葉の中をうねる龍のようなダイナミックな滝景色は、思わず“みかえしたく”なるほど圧巻。
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2019年11月7・14日発売号
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