白髪を増やさない生活習慣 塩分&甘いもの摂りすぎはNG
体の不調によって白髪が増えると言うのは、田中医院院長で内科医の田中盛久さん。田中さんは、漢方専門医でもある。
「漢方では“腎”、つまり腎臓と髪は密接な関係にあるとされています。腎のエネルギーが不足すると老化が進んだり、疲れやすくなったり、さまざまな不調が表れます。そして、髪にも栄養が行き届かなくなり白髪が増える。これは、主にストレスや過労が原因です」
漢方では、“五行の物差し”といって、体を大きく5つに分類し、この5つはそれぞれ影響し合っていると考える。
五行説とは、自然界は木、火、土、金、水からなっており、この5つが循環することで万物が生成されるという考え方。5つの要素はそれぞれ臓器(肝・胆、心・小腸、脾・胃、肺・大腸、腎・膀胱)と、味(酸、苦、甘、辛、鹹かん〈塩味〉)に対応しており、影響を与え合いながら秩序を守っている。例えば水(腎・膀胱・鹹〈塩味〉)は木(肝・胆・酸)にいい影響を与えるが、土(脾・胃・甘)は水とは相性がよくない。つまり、甘いものを摂りすぎると腎機能が低下。毛根にダメージを与え、白髪が増える原因に。
「この中で、毛髪をつかさどるのは腎。ここには生殖や成長、老化をコントロールする機能がありますが、同時に体の余分なものを排せつする働きもある。一般的に、塩分の摂りすぎは腎臓に負担をかけますが、甘いものの摂りすぎも機能を低下させます。腎の働きが弱まると、血の巡りも悪くなり、頭皮まで栄養が行かないので白髪も増えるというわけです」(田中さん)
加えて、睡眠不足で体が疲れてしまうと、質のいい髪が作られる土台も壊れてしまう。だが、現代人とストレスは切っても切れない関係にある。せめて生活習慣を見直し、睡眠時間は6~8時間を確保し、夜更かしは避けて充分休息をとることだ。
※女性セブン2017年9月21日号