自律神経の乱れを整える<2>目覚めに行う「ダーウィン体操」
介護疲れが抜けない、目覚めがすっきりしない。そんな悩みは自律神経の乱れが原因かもしれない。体調がなんとなくすぐれない、いわゆる「不定愁訴」は自律神経をを整えることで解消できると提唱するのは、医療法人永光会理事長で医学博士の新井幸吉さん。
自律神経の乱れを整える方法を教えてもらうシリーズ第2回は、著書『生涯健康に暮らしたければ 「自律神経」を整えなさい』(幻冬舎)でも紹介されている朝目覚めに行う体操だ。
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生物が進化したように、目覚めの身体を徐々に重力ならす「ダーウィン体操」
就寝中は身体に対して一定の重力がかかっていますが、いきなり起き上がってしまうと重力に急激に逆らうことで交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうのです。
また、直前まで眠っていた筋肉をいきなり大きく動かすことは、交感神経に刺激を与えすぎて肩こりや腰痛を引き起こす原因にもなりかねません。この体操は、「ダーウィン体操」と名付けました。生物が魚類から爬虫類、鳥類、哺乳類へ進化していったように、少しずつ重力に身体を慣らすイメージで、朝、目が覚めたら布団の中で行ってください。身体への負荷の少ない体操ですから、高齢者の方にもおすすめです。
【1】卵から生まれた魚
手を頭の上で組み、上半身は頭側、下半身はつま先に向かってゆっくり10秒間伸ばす。腰を床に押し付け、背中を反らさないのがコツ。
【2】ゆらゆら泳ぐ魚
【1】の姿勢のまま、肘と膝を軽く緩め、お尻を左右に10往復滑らせる。顔とへそが天井を向いたまま行なうようにする。
【3】昆虫のポーズ
仰向けのまま膝を立て、足の裏は床に。両手は腰の横に、手のひらと肩で床を押すようなイメージで腰を持ち上げる。太ももの内側に力が入っていることを意識して10秒間キープ。
【4】猫の休息
ゆっくりと寝返りをしてうつ伏せに。膝を曲げて上半身と腕を伸ばし、ゆっくり大きく3回呼吸する。肩甲骨周りが伸びていることを意識。