《体重が減らなくなった…》ダイエットがうまくいかない“停滞期”の抜け出し方を有名トレーナーが指南
順調にやせてきていたのに急に体重が減らなくなったと感じたときは、体に変化が起こらない停滞期になっている可能性がある。『筋肉をつけて脂肪を減らすやせるしくみ化』(アスコム)の著者で、フィットネストレーナーの森拓郎さんに停滞期の原因と抜け出し方を教えてもらった。
教えてくれた人
森拓郎さん/フィットネストレーナー
もり・たくろう。大手フィットネスクラブを経て、2009年に自身のスタジオ「rinato」を東京・恵比寿にオープンし、ボディメイクやダイエットを指導。足元から顔まで美しくする「ボディワーカー」として、運動の枠だけに囚われないボディメイクを提案する運動指導者として活躍。ファッションモデルや女優などの著名人のクライアントも多く、テレビ、雑誌など多くのメディアで注目されている。著書に『筋肉をつけて脂肪を減らす やせるしくみ化』(アスコム)など多数。
体の変化が起こらなくなる停滞期
停滞期の原因には大きく2つある。1つは「慢性炎症」だ。炎症は体を守る防御反応のことで、捻挫をして患部がはれたり、風邪をひいて喉がはれたりするのも炎症だ。こうした数日間で回復するような炎症は「急性炎症」といい、体内で静かに進行して症状に気づきにくい炎症を「慢性炎症」という。
慢性炎症はホルモン本来の働きを鈍らせるため、分泌量が減ったり作用が起こりにくくなったりする。
「特に食欲をコントロールする『レプチン』、代謝を司る『甲状腺ホルモン』、血糖値をコントロールする『インスリン』といったホルモンの機能低下によって、筋肉量が増えない、体脂肪が減らない状況に陥ってしまうのです」(森さん・以下同)
慢性炎症が起きているかのチェックリスト
慢性炎症が起きていないかどうかはチェックリストで確認できる。食欲の乱れは比較的分かりやすいサインだが、慢性炎症は症状が出にくいため、体からのサインを見逃さないようにしよう。
《チェックリスト》
・なかなか体重が減らない
・体がむくみやすい
・食欲が暴走してしまい、過食気味に
・少量しか食べていないのに消化できず胃が重い
・疲労感が抜けない、もしくはすぐに疲れる、だるい
・便秘になりやすい
・熟睡できずに、深夜に目が覚める
「停滞期に入ったなと思った人で上記に当てはまるものが1つでもあれば、慢性炎症の可能性大です」
食べ物やストレス環境などが炎症の原因に
慢性炎症は、目に見える症状が少なく、体内でじわじわと進行するうえ上、現代人は避けられないような原因が多い。具体的にはストレスや食品添加物、高脂質の食品、精製度の高い糖質、PM2.5などの化学物質などだ。さまざまな要因で脂肪細胞から炎症物質が出て、ホルモンの働きが抑制される。
「炎症を抑えるには食材選びが大切です。サラダ油やごま油、スナック菓子の油など脂質の摂り方や、食品添加物にも要注意。人によっては小麦粉や牛乳でお腹の調子が悪くなることもあり、これも炎症のひとつなので気をつけましょう」
抗炎症食材を取り入れるのがおすすめ
炎症を起こしやすい食材を避けることに加えて「抗炎症食材」を取り入れよう。抗炎症食材は代謝の過程や紫外線、ストレスなどで発生して、細胞を攻撃する活性酸素を減らし、細胞のストレスや炎症を抑えてくれる。
野菜ならパプリカ、ケール、ブロッコリー、ニンジン、トマト、きのこ類、ブロッコリースプラウト、大葉、バジル、香味野菜なら玉ねぎ、紫玉ねぎ、ネギ、にんにく、生姜、スパイスならカレー粉、黒胡椒、唐辛子、くるみ、豆板醤、シナモン、それ以外なら刻みのり、青のり、えごま油、MCTオイルなどが抗炎症作用の強い食材だ。
「症状に出にくいからこそ小さな積み重ねが大切で、特に炎症に直結する食事では、意識的に『抗炎症食材』を取り入れるようにしましょう」
停滞期のもう1つの原因である筋トレの負荷不足
慢性炎症のほか、筋トレの負荷が不足しているときも停滞におちいりやすい。同じ負荷でトレーニングを続けると筋肉も慣れてしまうためだ。
「それによって筋トレをしているのに筋肉が増えず、代謝などの底上げができない状態になり、なかなか体に変化がない停滞期に入ってしまう可能性があります」
HIITで停滞期を脱出
重りを増やしたり回数を増やしたりすることで筋トレの負荷を高めることに加えて、もう一つ停滞期の筋トレに加えたいのが高強度インターバルトレーニング、通称「HIIT」だ。
HIITはきついトレーニングだが、短時間でできるうえ、筋肉に刺激を与えるため成長ホルモンが分泌され、それが脂肪細胞に働きかけ、脂肪分解が促進されるというメリットがある。
「さらに、息が切れて心拍数が上がるほどの強度で行うと、短時間で糖を消費します。その回復のために体は大量の酸素を必要とし、エネルギーを消費します。その際、脂肪がエネルギー源として動員されるため、脂肪燃焼が加速。これを『アフターバーン効果』といい、運動後、最大48時間、脂肪燃焼が続くことは、ボディメイクをするうえでの最大のメリットです」
マウンテンクライマー(HIIT)のやり方
筋トレに加えて「マウンテンクライマー(HIIT)」を取り入れることで、筋肉を増やしながら体脂肪を減らし、停滞期を脱出しよう。
《マウンテンクライマーのやり方》
【1】手を地面について、片脚を後ろに伸ばし、もう片方の脚を胸に引きつける
【2】リズムよく脚を入れ替え、もも上げをするようなイメージでできるだけ早く切り替える。30秒+30秒休憩を4~8セット行う。
「腕立て伏せの姿勢のようにお尻が下がってしまうと、床に脚を引きずってしまい、脚の入れ替えが早くできません」
●《老化のサインに注意》年を重ねると「怒りっぽくなる」「物忘れ」が増えるのはなぜ?脳との関係を医師が解説
●脳の老化の原因となる「脳のゴミ」とは? 脳の老化の仕組みと症状を抑える“予備脳”について医師が解説
●《骨粗しょう症が原因に》閉経後の女性に急増する「いつの間にか骨折」 床やいす・ベッドもリスクに…家の中での注意ポイントを医師が解説
